アンネローゼ・フォン・グリューネワルト
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アンネローゼ・フォン・グリューネワルトは、銀河英雄伝説の登場人物。
別名「グリューネワルト伯爵夫人」。後に「グリューネワルト大公妃」（妃とつくが未婚。）グリューネワルトはドイツ語で「緑の森」の意。旧名は「アンネローゼ・フォン・ミューゼル」。物語ではファースト・ネームの「アンネローゼ」が通称として使われる事が多い。
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[編集] 概要
ラインハルト・フォン・ローエングラムの実の姉。銀河帝国第36代皇帝フリードリヒ4世の寵姫であり、その事が本作品に描かれた全ての事象の出発点となった。
[編集] 略歴
帝国暦762年、下級貴族セバスティアン・フォン・ミューゼルとクラリベルの長女として生まれる。15歳の時、時の皇帝フリードリヒ4世の愛人になる事を申し入れられ（事実としては「命令され」）受諾。グリューネワルト伯爵夫人の称号を下賜され、家族と別れてノイエ・サンスーシの一隅である菩提樹の茂る池のほとりにある館に転居した。
帝国暦487年、アムリッツァ星域会戦でラインハルトが勝利した直後、フリードリヒ4世が心臓疾患で崩御し、寵姫の座から解放された。その後しばらくはシュワルツェンの館でラインハルトと同居していたが、488年9月9日、ガイエスブルク要塞でキルヒアイスが亡くなった為、ラインハルトと同様（或いはそれ以上）にショックを受けて館を退去、コンラート・フォン・モーデル他何人かの近侍と供に、帝都西方にあるフロイデン山岳地帯の山荘に移り住み、手芸をして暮らす毎日を送った。
帝国暦489年6月、山荘を訪ねて来たヒルダと初対面。幼帝エルウィン・ヨーゼフ2世誘拐の計画が進行しているのに関連して山荘の警備の許可を求められる。最初は拒否したが、やがて説得されて受諾。これ以降ヒルダとは懇意の仲となる。
帝国暦490年／新帝国暦1年、ラインハルトが皇帝に即位したのに伴い、アンネローゼもグリューネワルト大公妃の称号を与えられる。ただしこの時点で生活様式は一切変わっていない。キルヒアイスの墓がオーディンにあるためラインハルトもアンネローゼを呼び寄せなかった。
新帝国暦3年1月25日、ラインハルトとヒルダの結婚式に出席する為、コンラートを含む6名の近侍とともに、オーディンからフェザーンまで生涯初めての恒星間宇宙旅行をし、ラインハルトと足掛け5年ぶりの再会を果たし、結婚式の後もそのままフェザーンに留まった。4月にラインハルトが身重のヒルダを残してハイネセンに向かい、その際のラインハルトの提案でアンネローゼがヒルダのもとに留まる事になった。5月14日、柊館が地球教徒に襲撃されたが、ケスラーが救援に来るまでヒルダを守り続け、ヒルダは無事に出産した。（この際に、襲撃犯に対して小像を投げつけて見事に顔面に命中させている。）同年7月18日、発病したラインハルトがフェザーンに帰着し、アンネローゼとヒルダは仮皇宮において交代でラインハルトの看病と新生児の面倒を看続けた。7月26日、ラインハルトが崩御し、アンネローゼは悲涙にくれた。
[編集] 人柄／能力
聡明でいて穏やかな性格、美しく繊細な容姿を持っている。菓子作りにかけては達人でもある。フロイデンの山荘では刺繍の才能も発揮していた。
万事に控えめで後宮にあっても権力を求めようとはせず、ただラインハルトとキルヒアイスの無事だけを願い続けていた。しかし、皇帝の寵愛を失ったベーネミュンデ侯爵夫人や門閥貴族には、出自が下級貴族の出であるため、反感を買っていた。そのため後宮にいた頃はヴェストパーレ男爵夫人やシャウハウゼン子爵夫人以外の友人が無く、キルヒアイスの死後はフロイデンの山荘において隠遁生活を送っており、人付き合いや派手な振る舞いが苦手である事が伺える。
様々な言動から、キルヒアイスに対して恋愛感情を抱いていた事が伺われるが、生前はそれを誰にも言わなかった。キルヒアイスの死の直後、ラインハルトにその事を質問されたが、その時も何も返答していない（コミック版では泣きそうな顔で回答を暗示している）。
死の床についたラインハルトは、看病するアンネローゼに、自分が大切にしてきたキルヒアイスの遺髪が入ったペンダントを託している。その時の覇気の抜けたおそらくは彼本来の優しい瞳に、アンネローゼはその死を確信したと伝えられている。
[編集] 家族
母親のクラリベルは幼い頃に事故死。後宮に入る前は父と弟の３人暮らしをしていた。父親のセバスティアンは484年に病死している。
