アルトゥル・ザイス＝インクヴァルト

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**アルトゥル・ザイス＝インクヴァルト**
**Arthur Seyß-Inquart**
オーストリア 16代首相
任期:	1938年 3月12日 – 1938年 3月13日
出生日:	1892年 7月22日
生地:	シュタンネルン
死亡日:	1946年 10月16日
没地:
配偶者:
政党:	国家社会主義ドイツ労働者党

アルトゥル・ザイス＝インクヴァルト（Arthur Seyß-Inquart, 1892年 7月22日 - 1946年 10月16日）は、1938年の独墺合邦（アンシュルス）のオーストリア側の中心的な役割を果たし、ドイツ語を母語とする大ドイツ国 (Großdeutsches Reich) を誕生させた。大ドイツ国の州の一つとなったオーストリアの総督 (Reichsstatthalter) に、更にポーランドの副総督 (Vertreter des Generalgouverneurs)、オランダ総督 (Reichskommissar) を歴任したナチスの高官の一人。

彼は、現在のチェコのモラヴィア地方のストナロフ（旧オーストリア・ハンガリー帝国時代の名称：Stannern）でアルトゥル・ザイチフ（ツァイティヒ）Arthur Zajtich として生まれた。彼は一家と共に1907年にウィーンに移り住み、一家は同地で姓をザイス＝インクヴァルトと改名した。彼はウィーン大学で法律を学んだ。第一次世界大戦の勃発で彼は1914年8月にオーストリア陸軍に入隊、ロシア、ルーマニア、イタリアで従軍した。彼は多くの戦功を上げ、1917年に負傷により入院している間に兵役義務を終えた。

彼は戦後は弁護士として1921年に開業した。始めはナチスとは一線を画した既存の右派政党の集団である「ドイツ民族主義派」に近い立場であり、1933年に同派と連立関係にあるエンゲルベルト・ドルフス内閣への入閣を要請され、ドルフスの暗殺後はクルト・フォン・シュシュニック政権下で1937年から州議員となる。彼は1931年にオーストリア国民社会党(Austrian National Socialism)に入党し、1934年7月に党の活動が非合法化されると党活動から距離を置いたが、1936年にはすぐに党のメンバーを入れ替え、祖国戦線 Vaterländische Front に接近した。1938年2月12日にベルヒテスガーデンでヒトラーとシュシュニックは会合を行い、ヒトラーはシュシュニグにオーストリアの併合を始めとする幾つかの要求をつきつけた。ヒトラーの要求はとうてい受け入れられるものではなかったが、結局シュシュニックは2月18日にオーストリア・ナチスのザイス＝インクヴァルトを内務大臣に任命する。シュシュニックはドイツとの合邦の是非を国民に問う国民投票を3月に予定したが、国民投票を恐れるヒトラーの圧力に、3月11日にシュシュニックは首相を辞職し、ザイス＝インクヴァルトが内閣首班としてシュシュニックの後を継いだ。大統領であるヴィルヘルム・ミクラスも首相交代と独墺合邦（アンシュルス）に反対して辞任した（実際にはミクラスは大統領の辞任をも拒否していたが、ザイス＝インクヴァルトによって強引に職権を剥奪されたとも言われている）ため、ザイス＝インクヴァルトは大統領の権限も代行することになった。

彼はオーストリアをドイツの州の一つ（オストマルク州）とする法案「ドイツ国とオーストリア共和国の合邦に関する法律」を起草し、3月13日に署名。オーストリアはドイツに併合され、彼はオストマルク州総督に就任する。ザイス=インクヴァルトは親衛隊中将位の親衛隊名誉指導者の称号を与えられた。彼は1938年5月に国家社会主義ドイツ労働者党に加わった。また、1939年5月に彼は無任所大臣に就任した。

ポーランド侵攻後、ザイス=インクヴァルトは、ポーランド総督府の副総督となり、ポーランドのユダヤ人をゲットーに移送政策に関与していたとされる。

1940年、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクを占領したドイツは、彼を1940年5月に占領下オランダの総督に任命した。戦後、ニュルンベルク裁判で絞首刑の判決を受けた。

オーストリアの首相

1938年