はれときどきぶた
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はれときどきぶたは矢玉四郎原作の児童文学作品。1980年初版。
小学校3年生である主人公の畠山則安が未来の日付で日記に書いた荒唐無稽なことが現実になってしまうというストーリー。略称ははれぶた。続編も書かれ、アニメ映画やテレビアニメも制作された。日本国外でも英語版や中国語版などが翻訳出版されている。
目次 |
[編集] はれぶたシリーズ
すべて岩崎書店から出版。
- はれときどきぶた(1980年) ISBN 4265916139
- あしたぶたの日―ぶたじかん(1985年) ISBN 4265916287
- ぼくときどきぶた(1987年) ISBN 426591636
- ぼくへそまでまんが(1990年) ISBN 4265916538
- ゆめからゆめんぼ(1993年) ISBN 4265916562
- ヒッコスでひっこす(1998年) ISBN 4265041264
- はれときどきたこ(2002年) ISBN 4265028403
[編集] テレビアニメ
テレビアニメはテレビ東京系列で1997年7月3日から1998年9月29日まで放送。
主人公の畠山則安が日記に描いて出てきたブタの「はれぶた」が人間の頭を吸うと、その人間の考えていることが現実になってしまうという幻想を描く。アニメ化に際しては、原作の荒唐無稽さを活かしつつ、さらに、個性的なキャラクターを配し、非常にハイテンポでノリがよく、キャラクター同士で楽屋ネタをしゃべったり、実在の人物をもキャラクターに組み込んだり、話の随所に実写映像を交えたり、話の流れに応じて挿入歌メイン(BGMではなくオープニングやエンディングのように歌にあわせたアニメーションが流れる)の場面を出したりするなど、アニメの常識をも笑い飛ばすぶっとんだ作品になっていた。これらは、監督のワタナベシンイチとシリーズ構成を行なった浦沢義雄の影響によるものと思われる。
矢玉アナのモデルは元テレビ東京アナウンサーの矢玉みゆき(現・白石海夕希)で、畠山則安のクラスメイトであるナベシンのモデルは監督のワタナベシンイチ。また、矢玉アナの上司である岩田さんのモデルはテレビ東京プロデューサーの岩田圭介である。いずれもテレビアニメのオリジナルキャラクターである。
なお、「児童文学が原作とは思えないバイオレンス」の台詞など、内輪ギャグが満載である。また、主人公が図書館で本探しをしていた時、父親の好む大人向け文学「快楽園」を手にしたシーンがある。この本の題名は「失楽園」のパロディーであり、表紙も似ている。
番組の本放送時には子供たちの半ズボン着用は衰退傾向にあったが、主人公ら登場する男児たちは、最後まで半ズボンを着用していた。
アメリカでは2002年に『Tokyo Pig』という題名で英語吹き替え版が放送された。
[編集] スタッフ
- 監督:ワタナベシンイチ
- 企画:白川隆三
- シリーズ構成:浦沢義雄
- キャラクターデザイン:西野理惠
- 色彩設計:佐藤和子、斉藤裕子
- 美術監督:古谷彰、柴山恵理子
- 背景:スタジオユニ
- 撮影監督:藤倉直人
- 撮影:ティニシムラ
- 編集:古川雅士
- 音楽:増田俊郎
- 音楽監督:中武敬文
- アフレコ演出:明田川進
- アフレコ演出助手:明田川仁
- 効果:森川永子
- タイトル:片山悟
- ビデオ編集:宗和洋史
- ネガ編集:松尾浩、和田至亮
- 現像:IMAGICA
- CG:那須信司
- アシスタントプロデューサー:浅見佳子
- キャスティング協力:マジックカプセル
- 音楽協力:テレビ東京ミュージック
- アニメーションプロデューサー:川人憲治郎
- プロデューサー:岩田圭介(テレビ東京)、勝股英夫
- アニメーション制作:グループ・タック
- 製作:テレビ東京、SPEビジュアルワークス(現・アニプレックス)
[編集] 主題歌
オープニングテーマ
- 『強気なふたり』(第1話 - 第17話)
- 『カレって時々ブタ』(第18話 - 第36話)
- 『BOO~おなかが空くほど笑ってみたい~』(第37話 - 第61話)
エンディングテーマ
- 『ただいま』(第1話 - 第17話、第61話)
- 『ヒコーキ雲』(第18話 - 第36話)
- 作詞:鈴木けいすけ/作曲:竹安堅一、鈴木けいすけ/編曲・歌:フラワーカンパニーズ
- 『あッ豚だ!~一日ゆかいにいきるうた~』(第37話 - 第60話)
- 作詞:阿久悠/作曲・編曲:増田俊郎/歌:デリシャス・ピッグ
挿入歌(頻繁に登場したもののみ)
- 『デュッデュワ~丸頭』歌:南央美
- 『吸うなんて…』歌:かないみか
- 『絶叫マシーン』歌:三石琴乃
いずれもワタナベシンイチ作詞、増田俊郎作曲。
[編集] 登場人物・キャスト
キャラクター設定そのものにアニメならではの要素が多く含まれる。
- 畠山 則安(はたけやま のりやす)(声:南央美)
- 物語の主人公。丸顔の小学三年生。あだ名は十円安。他のキャラクターほどにクセは強くないが、主人公意識は強い。
- はれぶた(声:かないみか)
- 則安が日記に「今日の天気ははれときどきぶた」と書いたことで現れたぶた。則安はあわてて日記のぶたを消したのだが、日記の端にある1匹を消し忘れたがためにこのぶただけが現実世界のものとして残った。
- ぶたパワーで人間の頭を吸い、考えていることを現実化させることが出来る。
- 玉ちゃん(たまちゃん)(声:間宮くるみ)
- 則安の妹。本名は畠山 玉江(たまえ)。3歳児ながら小遣いの貯蓄で将来脱一般庶民を夢見るなど、世間ずれした性格。電話が嫌い。
- パパ(声:梁田清之)
- 則安の父。本名は畠山 玉則(たまのり)。一流大学を出て一時は一流企業に就職したものの、バブル崩壊のせいでリストラにあい、ママの実家の印刷工場・大森印刷で名ばかりの部長を務める。
- 眼鏡をはずすとものすごい顔で怒り出し、その顔はテレビで見せられないほどに恐ろしい(顔が陰になる)。
- ママ(声:松井菜桜子)
- 則安の母。本名は畠山 安江(やすえ)。旧姓は大森(おおもり)。「手に職! 足にも職!」が口癖。パパのようになって欲しくないからと息子に一切勉強をさせない。
- ナベシン(声:結城比呂)
- 則安の友達。下の名はシンイチ。もじゃもじゃ頭にネクタイが特徴。家は焼肉屋。監督のワタナベシンイチがモデル。
- おにぎり山(おにぎりやま)(声:水田わさび)
- 則安の友達。父は医者をしている。名前のとおりおにぎりを擬人化したようなキャラ。母が外国人のようで、英語交じりの日本語を話す。
- 武蔵小金井くん(むさしこがねいくん)(声:塩屋翼)
- 則安のクラスメート。「偉い人はみな幼い頃変人と呼ばれていた」と言うことから、身体を回転させたり、「すすすすす」と意味不明の言葉を言って見たり、奇妙な発明品を開発したりと意図的に変人的行動を取る確信犯。家はそれなりに金持ちらしい。
- 平賀 きみよ(ひらが きみよ)(声:馬場澄江)
- 則安のクラスメート。父親は米軍を動かすほどの実力者。金髪とロールヘアーが特徴でわがままな性格のお嬢様。
- 袖振 マサコ(そでふり まさこ)(声:松井菜桜子)
- 則安のクラスメート。袖が長く伸びた服を着て、「べんべろ~」などと言いながら袖を振り回している。一応日本語は話せる。
- 和子先生(かずこせんせい)(声:三石琴乃)
- 則安達のクラス、3年2組の担任。美人だが、ちょっとしたことでナルシストモードへ突入して暴走。
- 校長先生(声:龍田直樹)
- 則安達の学校の校長。還暦を過ぎており余命いくばくもないらしいが、そこまで極端に弱った雰囲気はない。
- なぜか何かに付けて和子先生をいじめる。
- 町屋のおばさん(声:渡辺美佐)
- 畠山家の親戚。本名は畠山 あかね。電話越しに声だけ登場する。毎週毎週怪我や病気で病院へ入院している(一度だけ入院しなかった週があり、畠山家が「大事件だ!」とパニックに陥った一話もあった)。一度だけ畠山家に救急車で立ち寄ったことがあったものの、そこでも姿は車の陰に隠れて見えなかった。
- 中華マダム福建省/中華大魔女広飛優老婆(声:さとうあい)
- 普段は畠山家の隣のアパート、204号室に住む中華マダム福健省(ぷっけんしょう)。
- 真の姿は中華大魔女広飛優老婆(こうぴゅうろうば)。あの手この手で則安とはれぶたを陥れようとする。
- はれぶたを特殊チャーシューにして全国に売り出し、特殊ラーメンの持った心で全宇宙を支配下に置くという野望を抱いている。
- アパートの自室は中華料理店風に改装されており、中華魔界という異次元空間とつながっている。
- クロブタ(声:林延年(現・神奈延年))
- 広飛優老婆と手を組む謎の黒いぶた。広飛優老婆とは青年団のキャンプファイヤーで知り合った。
- 山田さん(やまださん)(声:中村大樹)
- 怪しい雰囲気を醸し出すサラリーマン。自称宇宙人。畠山家の隣のアパートに住む。
- お天気お姉さん(矢玉アナ)(声:渡辺美佐)
- テレビ局BOO-TVのアナウンサー。初回に「お天気お姉さん」という名前で登場。20話にて名前が矢玉(やだま)だと判明、「矢玉アナ」と呼ばれるようになる。
- 主に画面の枠外から解説を行ったり、キャラクターにツッコミを入れたり、天気予報風に次回予告を行ったりする。また、人語の話せないキャラクターの通訳も担当する。
- 序盤は見えない解説者的存在であったが、中盤以降は画面内のキャラからも認識されるような存在となる。
- 大きさ自由自在。人間以下のサイズをとることもあれば、実サイズで出てくることもある。
- 元テレビ東京アナウンサーの矢玉みゆき(現・白石海夕希)がモデル。原作者と同姓であることから採用された。
- アニメ放送時には、テレビ東京のニュース番組で矢玉みゆきアナが使う指し棒の先端にはれぶたのフィギアが付いていた。
- 岩田さん(いわたさん)(声:鈴木琢磨)
- 矢玉アナ直属の上司。矢玉アナの突拍子もない行動には苦労しており、山ほどの始末書を書かされている。オヤジギャグを連発するお茶目な性格。テレビ東京プロデューサーの岩田圭介がモデル。
- 黒矢玉(声:渡辺美佐)
- ブラックお姉さん黒矢玉。47話で初登場。矢玉アナと瓜二つだが、服装や髪の毛が全体的に黒い。
- 態度が投げやりで、あまりストーリーとの関連性を持たないし、矢玉アナのようにサポート的な行動を取ることもない。画面枠外で矢玉アナと意味もなく張り合う。
- サングラスの男(声:麻生智久)
- 「…なんだってね。」など画面の端でぼそぼそしゃべる。あまりストーリーとの関連性はない。
- 牛乳屋さん(声:麻生智久)
- 意味もなくスクーターで疾走する牛乳屋さん。
- 神主さん(声:麻生智久)
- 則安達の秘密基地がある神社の神主さん。
[編集] 放映リスト
35話までは木曜日19:00から、36話以降は火曜日18:30から30分間放送された。
- ブーブーぶたパニック!(1997年7月3日)
- 武蔵小金井くんはまずい!(1997年7月10日)
- パパは地獄のコックさん!(1997年7月17日)
- 夏だ!プールだ!校長だ!(1997年7月24日)
- 中華なマダムがヤンヤヤン(1997年7月31日)
- 恐怖! ゆでダコの呪い(1997年8月7日)
- てんやわんやの里帰り(1997年8月14日)
- 宿題シュクシュクかぶと虫(1997年8月21日)
- ブーブーライダーが来た!(1997年8月28日)
- 乙姫さまの学力アップ塾?(1997年9月4日)
- 台風だ! ヒッコスで引越す(1997年9月11日)
- できれば結婚したかった(1997年9月18日)
- それいけ! 大宇宙ナイター(1997年10月2日)
- ファイト一発! 涙の運動会(1997年10月9日)
- ふりむけばブタぶたブタ!(1997年10月16日)
- コスモス畑の風(1997年10月23日)
- 玉ちゃんタマゲタかぐや姫(1997年10月30日)
- 東京名物ぶたまんじゅう 激闘! はれぶたVSクロブタ(1997年11月6日)
- 超ゲテモノより愛をこめて(1997年11月13日)
- 矢玉アナは雷がお好き!?(1997年11月20日)
- ゴースト・オブ・トンカツ(1997年11月27日)
- ルーズソックスとピアス(1997年12月4日)
- 木枯らしこがらし恋かしら(1997年12月11日)
- ママのごきげんプリンス(1997年12月18日)
- おめでたい戦い(1998年1月1日)
- 平賀きみよでございましょ(1998年1月8日)
- 雪だるまのとけない夢(1998年1月15日)
- おれたちは友だちだ(1998年1月22日)
- はれときどきはらいた(1998年1月29日)
- 眠れるガイコツの大統領(1998年2月5日)
- 2・14バレンタイン決戦(1998年2月12日)
- 雪女・恋の炎でアチチのチ(1998年2月19日)
- 弱虫なよろいかぶと(1998年3月5日)
- 冬のおじさんと春の妖精(1998年3月12日)
- おやじと野菜とマシンガン(1998年3月19日)
- ムダな筋肉質(1998年4月7日)
- 桜だ! 宝だ! UFOだ!(1998年4月14日)
- 天然100%入ってんねん(1998年4月21日)
- 恩返ししてチョー(1998年4月28日)
- 飛べない鯉の物語・純情篇(1998年5月5日)
- あぁ絶望! 吸えない鼻(1998年5月12日)
- あぁ希望! 吸える鼻(1998年5月19日)
- ピザ少女の初恋デリバリー(1998年5月26日)
- 外伝・はれときどき大江戸(1998年6月2日)
- オーマイ学校どこ行った?(1998年6月9日)
- 結婚してケローッ!(1998年6月16日)
- 魔界は今日も雨だった(1998年6月23日)
- わたしは給食が好きです(1998年6月30日)
- 大家さんはジャングルの王や(1998年7月7日)
- 回転地獄・昔々その武蔵(1998年7月14日)
- 消えろサマーでザマー見ろ(1998年7月21日)
- 真夏の夜の花火だポン!(1998年7月28日)
- 恐竜のおなかの中のええ話(1998年8月4日)
- ガイコツのカルシウム不足(1998年8月11日)
- A(アメリカ)-ザリガニの夢(1998年8月18日)
- 安則君は角頭! って誰?(1998年8月25日)
- [Aパート]思い出太りのダイエット、[Bパート]あぁ絶叫! ミュージカル話(1998年9月1日)
- あッ! ぶたママだ(1998年9月8日)
- はれときどきお別れ(1998年9月15日)
- はれときどき旅立ち(1998年9月22日)
- はれときどき…(1998年9月29日)
- 18話は序盤に台本に予定されていない「誤ったサブタイトル」として「東京名物ぶたまんじゅう」が出た。すなわち台本ネタである。
- また、57話のみ特別編という形で通常の放送枠内での2話構成であった。
[編集] アニメ映画
アニメ映画は1988年3月公開。監督は平田敏夫、脚本は竹内啓雄、高屋敷英夫。
[編集] キャスト
[編集] 防災アニメ
1999年に、防災アニメの『はれときどきぶたの交通安全』『はれときどきぶたの地震用心日記』が制作される。この2つの作品は、警察署や役所・図書館などで貸し出しを行なっている。
[編集] 外部リンク
テレビ東京系 木曜19:00枠(1998年3月まで) | ||
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