ぎゅわんぶらあ自己中心派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウィキポータル |
日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
『ぎゅわんぶらあ自己中心派』(ぎゅわんぶらあじこちゅうしんは)は、1980年代、「週刊ヤングマガジン」に連載されていた片山まさゆき作の麻雀漫画である。
目次 |
[編集] 概要
プロ雀士を主人公とするギャグ漫画であるが、一般向け雑誌に連載されていたこともあり、作者が同時期に「近代麻雀オリジナル」に連載していた『スーパーヅガン』などと比べると、麻雀の専門用語などは少なく、当時の世相やパロディなどを積極的に取り入れ、麻雀を知らない読者にも笑える内容となっている。
第100話「別れのオーラス最後のグッバイ」(コミックス第6巻)で主要な登場人物が旅に出るなどして、連載を一旦終了。その後、ドラ夫が旅打ちから帰ってきたという設定で連載を再開し、最終的にはコミックスが8巻まで出ている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 主な登場人物
[編集] レギュラー
- 持杉ドラ夫(もちすぎ ドラお)
- 主人公のプロ雀士。賭け麻雀による収入だけで生活している。なぜか白目があるサングラス、くわえタバコがトレードマーク。連載開始当初の設定では22歳。「配牌は最低でもイーシャンテン」と豪語するとおり、運が強く、また一度ツキだすと止まらない。対戦相手を破産に追い込むまで勝つ事もある。一方で麻雀理論は無茶苦茶。ギャンブラーとしてのプライドは高いが、それが徹底しているわけでもなく、基本的には何でも勝てばそれでいい(負ければ逃げればいい)という、自己中心的な考え方。ただし、タコ雀士には弱い。東京都奥多摩出身。名前の由来は「ドラを持ち過ぎ」から。
- 律見江ミエ(りちみえ ミエ)
- 第1話でフリーの雀荘でドラ夫と出会った女性。「チャイ」といって捨てた牌を引っ込めるのが得意技。登場時は「四暗刻のミエ」と自称していたが、あがったことがあると自分で言っているだけで、実際に四暗刻をあがったシーンはない。漫画の続編で「パパにおねだりして」雀荘「ミスチョイス」のオーナーとなり、大企業の御曹司とのお見合いをするなど、実はお金持ちのお嬢様。最終話から推測すると、連載終了後3年目にドラ夫と結婚するらしい。外見は『スーパーヅガン』のヒロイン早見明菜に酷似。 神奈川県出身。名前の由来は「見え見えリーチ(あがり牌に予想がつくリーチ)」から。横須賀に「迷彩レディー」こと「律見江奈衣」(りちみえ ない)という姉がいる。
- 店野真澄太(みせの ますた)
- 名前の通り、ドラ夫、ミエの行きつけの下北沢のフリー雀荘「ミスチョイス」(連載開始初期は「選択ミス」と表記)のマスター。28歳独身。「ミスチョイス」は客が少ないため、ドラ夫、ミエ、マスターにその回のゲストの4人で打つストーリーが多い。ちなみに彼の麻雀での得意手は「平和」。ただし性格が弱気であるため自ら勝負であがることがほとんどなく、初登場のゲストの最初の餌食になるパターンが多い。
[編集] 準レギュラー
一話限りのストーリーに登場した人物であっても、作者に気に入られると、その後のストーリーに脇役として時々登場、または準レギュラーに昇格し、主人公と卓を囲むのがこの漫画の特徴。主な準レギュラーには次のような者がいる。
- クリスチーネ・M
- 女子高生でありながら麻雀中毒にかかってしまい1日に1回以上打たないと手が震えてしまうという症状を持っており、大物手指向で勝負をする度に手が高くなっていく。いつか「黄金の一発」を打つことを夢見ている。青少年の麻薬中毒を描いたドイツ映画『クリスチーネ・F』のパロディ。
- 全自動の狼
- 自らの体をサイボーグ化 (?) し、コンピュータによって捨て牌を選択する。打ち方に感情を伴っていないが故にコンピュータにはできないドラ夫の「気迫」に敗れる。のちにコンピュータに「気迫装置」を追加し、さらなる強敵として帰ってくる。
- 貧乏おやじ
- かつては大富豪だったが学生時代のドラ夫に一晩連続であがり続けられて破産。当然ツキも失ったものの、病弱な妻と2人の子供を抱えて生活のために戦うが、麻雀自体は弱いため苦戦。
- タコ宮内
- 流局時にノーテンのときでも手牌を倒して「ノーテンです」と見せる麻雀のルールを理解していないド素人。多面待ちを読み切れないので、上家の捨牌を通した後のツモ切りを確認し、安心して現物を捨てると和了されてしまうこともあり(タコの山越え)、メンバーを混乱させる。ドヘタの割に引きだけは結構強く満貫などであがったりすると巨大なタコに変貌する。
- オクトパシーふみ
- タコ雀士の中のタコ。本職は女流漫画家という説がある。日本タコ友の会の会員番号001番で全国の雀荘に鳴きまくりのタコ麻雀を普及させるべく日夜努力している。得意手は「混一色」。
- ソニー君
- 大手電機メーカーの営業マン。自社の開発した6人用全自動卓を売り込みに「ミスチョイス」に来るが、松下を中心とする8人用全自動卓連合に席巻される。彼の麻雀に対する技術力は非常に高い。
- 北家拳士郎
- 『北斗の拳』のケンシロウのパロディ。自分が北家の時に突然強くなり「あたたたたたた」と言いながら「北家神拳」で洗牌する。ただし鳴きなどを駆使した相手の「南家聖拳」には弱い。
- ヤーメネーター
- 『ターミネーター』のパロディ。無敵の雀士となるために自らをアンドロイド化して「ミスチョイス」に殴りこみに来た。彼は何度も倒されても再び勝負を挑んでくる不死身のタコ雀士。他人の捨て牌は全く見ない。
- 引若丸
- 第二部(101話以降)に登場。現役の上智大生。引きの強さだけであがる若者。
[編集] その他のキャラクター(一部抜粋)
- ゴッドハンド氏
- 彼をメンツに入れると俄然麻雀は格闘技と化す。ムダヅモのない究極の麻雀を目指しており、彼のリーチが掛かった後に稲妻ヅモや竜巻ヅモを呼びおこす。八連荘であがることも少なくない。しかし彼は技術的には全くの素人以下で一発ヅモを逃すとツキを失ってしまう。
- ハルタン星人
- 『ウルトラマン』に登場した宇宙忍者バルタン星人が元ネタ。宇宙から侵略してきた配牌忍者。ツミコミや分身の術を巧みに使う。スピード感のあるタンヤオが得意(「ウラドラQ」に登場)。
- カラポン
- 一鳴き怪獣。『ウルトラQ』に登場したガラモンが元ネタ。ハルタン星人とともに登場。「シャワワ」という掛け声で必ず一鳴きを使ってくる。字牌を大切にしているわりには高い役を狙っているわけではなく、ほとんどが役牌あがりである(「ウラドラQ」に登場)。
- 武田震源
- 財力はやや弱いというリスクを背負っているものの知力、攻撃力、守備力などを兼ね備えたバランスのとれた雀士。結構手強い。戦国武将である武田信玄をイメージしている。
- 勝ち過ぎの金蔵
- 非常に神がかり的な強運の持ち主。配牌で字牌が10枚以上も存在し、ダブルやトリプルといった役満を数多くあがる。しかし彼は点棒を払うことにほとんど慣れておらず、1回でも振り込むと気落ちしてしまい、徐々にあがれなくなってしまう。額にある大きなホクロがトレードマーク。
- 片ちん
- 本作の作者がモデル。日本タコ友の会の会長。見た目はまともな雀士に見えるがその正体はやはりタコ雀士である。
- 森田健作
- もちろん実在の森田健作がモデル。一度狙いを決めたら決して役作りを変えようとしない。「一気通貫」のような男らしい役作りが得意。
- 早乙女牌
- 社会勉強のために「ミスチョイス」にやって来た。お嬢様育ちでおおらかな性格であるが故に相手のリーチや長期戦に弱い。稀に勝つことがある。
- マッコウ(めくじらまこお)
- その名の通りマッコウクジラで「打牌はあくまでも強く!」をモットーとする。たまに暴牌を打つこともある。また相手のリーチに対しても全く降りるような事はない。ほええるまっこという彼女がいる。
- ババプロ(メンチンのババ)
- 麻雀プロ。「清一色」が得意だが、いつも手の内がバレている。強引に染めることが多い。モデルは麻雀プロの馬場裕一氏であるが、『スーパーヅガン』に登場する同氏モデルのキャラクターよりも相当デフォルメされている。
- 積木かおり
- 不良少女で暴牌族のリーダー。いわゆる「タコツッパリ」。彼女の打牌の9割以上が暴牌であり、ほとんど大敗している。『積木くずし』のパロディ。
- 哭(な)きのカバ
- 本名は「むうみん」で、キャラクター設定はもちろん「ムーミン」のパロディであるが、ストーリーは『哭きの竜』を下敷きにしている。彼は麻雀を覚えたての頃は大変ヒキが弱かったが、「ひとのツキを奪えばいいのさ」というスナフキンの助言によりヒキの弱さを鳴きでカバーする事を知り、鳴き麻雀に全てを賭ける。とにかく流局あたりまで鳴きまくり、嶺上開花(リンシャン)であがる事が多い。
- CHON CHON
- 小泉今日子がモデル。全国的オーディションで選ばれたアイドル雀士で、彼女の打ちスジは全くの素人なので勝負に挑んだとたんに自らが勝手に沈んでいく。
- 迷彩レディー(律見江奈衣、りちみえ ない)
- 捨て牌で「トマト」「しんぶんし」などの回文を作るといった独特の迷彩で相手を惑わせる。律見江ミエの姉。
- 中島ハコ
- 中島みゆきと山崎ハコを合わせたパロディ。性格が大変暗く、「チャンタ」や「ジュンチャン」といった暗くて端に寄せるような役作りが多い。和了すると手牌を端から一枚ずつパタパタと倒し、鈴を「チリ~ン」と鳴らす。
- ブラックザンク
- 『ブラックジャック』のパロディ。ヤブ医者で強引にがめまくる麻雀を展開する。彼が危険に陥ると「国士無双」に走る事もある。
- ケケケの北郎
- 『ゲゲゲの鬼太郎』のパロディ。リーチが得意で常に目玉おやじの指示を受けている。危険牌を察知する能力を持っているが、意外とヒキが弱い。仲間に二鳴きじじいや引っかけばばぁなどがいる。
[編集] ストーリーのパターン
ストーリーは基本的に一話完結(稀に2回以上にわたる)。主なパターンには以下のものがある。
[編集] 極端に強い相手との対戦
法外に強い相手とドラ夫が対戦する。ドラ夫がスポ根的に努力をして相手を破る場合と、勝てなくて逃げ出す(ごまかす)場合の2パターンがある。
[編集] 極端に弱い相手との対戦
捨て牌をまったく見ない、絶対に上がれないリーチをかけるなど、麻雀のセオリーを無視した打ち手をギャグにする。連載開始初期には、こういった打ち手を「タコ」と呼び、彼らとの戦いが大きなテーマとなっていた。
[編集] 雀荘でよく見る打ち手との対戦
とっつぁん体質の学生、やたら講釈を垂れる奴など、雀荘によくいる打ち手をギャグにする。「あるあるネタ」の一種。
[編集] パロディ
連載当時流行っていた映画やドラマ、漫画のキャラクター、スポーツ選手、有名な昔話の登場人物などとドラ夫が卓を囲む。回数的にはこれが一番多い。
[編集] 特殊ルールによる麻雀
作者が考えた特殊なルール(牌まで特殊な場合もある)による麻雀を打つ。実行可能なものと、ほとんど不可能なものがある。具体的には以下のようなものがあった。
- 盲牌麻雀
- 自分の牌を見ずに盲牌だけで役を作る。盲牌を間違えるとチョンボになるため、上がらない方が点棒が残る(第34話「タコの旋律」)。
- 寿司麻雀
- 寿司屋の世界だけで通用する麻雀。握りずしを牌にして麻雀をする。点棒の代わりに皿の枚数で計算する。リーチ後にツモってきた危険な牌は2個まで食べてもいい。「一人前に握れるまでには最低10年」といわれるが、代打ちを頼まれたドラ夫は「貝一色」「オール煮物アナゴ単騎」などの役を連発し圧勝(第13話「おいしい寿司麻雀」)。
- リクルート麻雀
- 就職活動中の学生により「リクルート麻雀センター」で打たれている。牌に一流企業の社章が描かれており、会社の年間所得を合計したものに役をかけて億で割ったものを得点とし、和了の際には「採用!」と発声する。四大証券(連載当時は野村・大和・日興・山一が四大証券と呼ばれていた)をそろえた「証四喜(ショウスーシ)」、都市銀行の牌をすべて集めた「都銀無双十三面待ち」(連載当時は都銀が13行あった)などの役があった(第18話「就職するは我にあり」)。
- サラリーマン麻雀
- サラリーマン金融方式の雀荘で打たれている。持ち点は1万5000点で、ハコ点になって点棒を借りると一局につき20%の利息がつく。一局終了時に利息・元金共に支払う決まりで、支払えない時には他家から借り換えて支払わねばならず雪達磨式に利息が増えていく。また幾ら貸すかは貸し手が決めるので、必要以上に貸し付ける過剰融資により、利息が膨らむこともある。さらに、利息を稼ぐため北場まである(第35話「恐怖のサラリーマン雀荘」)。
ちなみに寿司麻雀は後に日本ソフトバンクからFM-7用のゲームとして製品化されたほか(元々はパソコン誌「Oh!FM」に掲載されたもの)、大洋化学から寿司麻雀対応の麻雀牌「大寿司」も発売されるなど、漫画の枠を超えて話題となった。
[編集] 刊行物等
- ヤンマガKC 全7巻:第1部(第1話 - 第100話)収録
- ヤングマKCスペシャル 全8巻:第1部を第1巻 - 第6巻に、第2部を第7巻 - 第8巻に収録
- 講談社漫画文庫 全5巻(作者によるセレクト版)
- 片山まさゆきの麻雀教室(持杉ドラ夫、律見江ミエが講師を務める) 講談社漫画文庫 ISBN 4063601234
[編集] ゲーム
- ぎゅわんぶらあ自己中心派:1987年4月、ゲームアーツより発売。PC-8800用ソフト。麻雀ゲーム。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派:1987年7月、ゲームアーツより発売。X1用ソフト。麻雀ゲーム。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派2 自称!強豪雀士編:1987年11月、ゲームアーツより発売。PC-8800用ソフト。麻雀ゲーム。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派2 自称!強豪雀士編:1988年2月、ゲームアーツより発売。X1用ソフト。麻雀ゲーム。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派:1988年11月11日、アスミックより発売。ファミリーコンピュータ用ソフト。麻雀ゲーム。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派:1989年11月24日、ハドソンより発売。PCエンジン用ソフト。麻雀ゲーム。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派2:1990年12月7日、アスミックより発売。ファミリーコンピュータ用ソフト。麻雀ゲーム。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派 片山まさゆきの麻雀道場:1990年12月14日、ゲームアーツより発売。メガドライブ用ソフト。麻雀ゲーム。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派:1992年6月12日、セガより発売。ゲームギア用ソフト。麻雀ゲーム。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派:1992年9月25日、パルソフトより発売。スーパーファミコン用ソフト。麻雀ゲーム。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派2 激闘! 東京マージャンランド編:1992年12月18日、ゲームアーツより発売。メガドライブ用ソフト。麻雀ゲーム(スーパーヅガン等片山作品キャラが51人登場)。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派2:1994年3月18日、ビクターインタラクティブソフトウェアより発売。スーパーファミコン用ソフト。麻雀ゲーム。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派 麻雀パズルコレ:1995年6月30日、ハドソンより発売。PCエンジン用ソフト。パズルゲーム。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派 トーキョーマージャンランド:1996年10月18日、ゲームアーツより発売。セガサターン用ソフト。麻雀ゲーム。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派 東京マージャン:1998年2月11日、ゲームアーツより発売。セガサターン用ソフト。麻雀ゲーム。
- 麻雀やろうぜ!:1999年4月28日、コナミより発売。プレイステーション用ソフト。麻雀ゲーム(ドラ夫・ミエ他、片山作品のキャラが登場する)。
- 麻雀やろうぜ!2:2000年4月13日(ベスト版は2001年9月13日、再発売2004年9月22日)、コナミより発売。プレイステーション2用ソフト。麻雀ゲーム(ドラ夫・ミエ他、片山作品のキャラが登場する)。
- ぎゅわんぶらあ自己中心派 ~イッパツ勝負!~:2000年6月22日、ESPより発売。プレイステーション用ソフト。麻雀ゲーム。
カテゴリ: 漫画作品 き | 週刊ヤングマガジン | 麻雀漫画 | 麻雀ゲームソフト | PC-8800用ゲームソフト | PC-9800シリーズ用ゲームソフト | X1用ゲームソフト | ファミリーコンピュータ用ソフト | PCエンジン用ソフト | ゲームギア用ソフト | スーパーファミコン用ソフト | メガドライブ用ソフト | セガサターン用ソフト | プレイステーション用ソフト