ZONE OF THE ENDERS
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ZONE OF THE ENDERS（ゾーン・オブ・ジ・エンダーズ）は、コナミコンピュータエンタテインメントジャパン（以下KCEJ）が開発・販売したプレイステーション2用ゲーム『ZONE OF THE ENDERS Z.O.E』及びその続編・外伝シリーズ。Z.O.E（ゾーイ）と略される。
オービタルフレームとよばれる巨大人型ロボットが活躍するSF作品の一つで、ゲームの他にアニメ媒体の作品も作られている。そのラインナップは以下のとおり。
- ゲーム作品
- ZONE OF THE ENDERS Z.O.E（プレイステーション2）
- ANUBIS ZONE OF THE ENDERS（プレイステーション2）
- Z.O.E 2173 TESTAMENT（ゲームボーイアドバンス）
- アニメ作品
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 解説
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2001年3月に発売された第1作『ZONE OF THE ENDERS Z.O.E』（以下 Z.O.E）は、オービタルフレームを操って侵略者と戦うアクションゲームである。「ロボットアニメ・シミュレータ」の名のとおり、ストーリーシーンの監督に元アニメーターの西村誠芳を起用するなどロボットアニメ的な作品を意識して作られている。また、『メタルギアソリッド』シリーズを手がけた小島秀夫によるプロデュースということで注目を集め、初回版に『メタルギアソリッド2 SONS OF LIBERTY』の体験版が同梱されるなど小島のネームバリューを活用した販売が行われた。
コナミは早くから本作品シリーズを主力タイトルと位置付けていたらしく、ゲーム発売前から同一世界観をもつアニメ作品の製作が決定、さらにはゲーム発売直前に特別番組が放映されるなど宣伝に力を注いでいた。
アニメは、OVA『Z.O.E 2167 IDOLO』（ゾーン・オブ・ジ・エンダーズ 2167 イドロ、以下 IDOLO）とTVアニメ『Z.O.E Dolores,i』（ゾーン・オブ・ジ・エンダーズ・ドロレス・アイ、以下 Dolores,i）の2作品が作られた。どちらも製作はサンライズ及びバップによる。IDOLO はオービタルフレーム開発にまつわるプレストーリー的作品として、Z.O.Eと同時に発売された。
2001年4月より放送されたDolores,iはIDOLOの続編にあたり、主役メカがピンク色だったり主人公が運送業の中年だったりと、かなり風変わりな作品であった。前半は家族愛をテーマにコミカルな展開を見せ、そのテイストを失うことなくシリアスな後半に突入し、原作ゲームの設定も上手に生かしたストーリー展開で高い評価を得た。
2001年9月には、KCEJとサンライズの双方のスタッフが参加した外伝作品『Z.O.E 2173 TESTAMENT』（ゾーン・オブ・ジ・エンダーズ 2173 テスタメント）も発売されたが、アニメの高評価に対してゲームの方は低調だった。
2003年2月に発売された『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』（アヌビス・ゾーン・オブ・ジ・エンダーズ、以下 ANUBIS）は、新たに開発された「Z.O.E シェード」とよばれる3DCG描画技術によるグラフィック、ゴンゾ・ディジメーションの制作によるアニメーション、アクションパートとストーリーパートをシームレスに繋いだスピード感あふれる演出、より洗練され多彩となった操作感覚など、前作 Z.O.E 以上のクオリティと爽快感を実現し、多くのファンを魅了した。また、株式会社アトラスに所属している悪魔絵師こと金子一馬がゲストデザインとして参加していることでも注目を集めた。迷言「はいだらーっ！」を世に送り出した作品としても有名。
2004年1月には、ANUBIS にエキストラ・ステージを追加した『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS Special Edition』も発売された。
なお、英国のゲーム雑誌『PSM3 The PlayStation3 Magazine』(Future Publishing)の「issue 80」(2006年9月28日)に、「Zone of the Enders 3 Close to the Enders」という見出しで「News just in ZOE is back on PS3」(ZOEがPS3に戻ってくる)という書き出しの、2007年に小島プロダクション製作で新作が作られる予定であるという記事が掲載された。
[編集] ZONE OF THE ENDERS における諸設定
物語の舞台は22世紀の太陽系であり、地球人類は人口問題や環境問題の深刻化から宇宙に生活圏を拡げた。地球周辺のラグランジュポイントにスペースコロニーが建設され、火星をテラフォーミングし植民地とした。さらに、資源確保のため木星圏にまで進出し、衛星エウロパのラグランジュポイント・L5 にコロニー・アンティリアを建設した。だが、地球に住む人間の中には、火星以遠に住む者を「エンダー（田舎者の意）」と呼んで差別する者が少なくなかった。また、地球の半分以下の重力しかない火星で生まれ育った者は地球出身者に比べて筋力的に劣るという事実もあり、地球出身者は火星出身者を見下し、逆に火星出身者の中には半ばコンプレックスに基づく反地球的な気運が高まっていった。そういった背景の中、未だ植民地に過ぎない火星では国連宇宙軍（UNSF）が武力を背景とした監視活動や弾圧を行い、それに対抗して火星側のレジスタンス活動などが活発化。そして、反地球思想の強いバシリアカウンティは軍事組織バフラムを結成、オービタルフレームを生み出して地球に対抗しようとしていた。
本作品には、オービタルフレームと LEV（レブ）の2種類の巨大人型ロボットが存在する。前者は本作品で主に活躍する人型ロボットで、バフラムが火星の民間企業ネレイダム・ユニバーサル・テクノロジーと共同開発した新兵器と言う設定である。メタトロン関連技術（後述）を随所に用いられ、慣性を無視した機動を行う等それまでの LEVと比べて次元違いの性能を誇る。また、ソフトウェア面でも非常に高度で人間的な人工知能（AI）を搭載しており、特に各作品における主役メカのAIは少女のような人格を持ち、オービタルフレームに無機質な兵器然としたものとは違う印象を与えている（尚、PS2版でのAIの名前「ADA（エイダ）」は、人類初のプログラマとされるエイダ・ラブレス、もしくはその氏にちなんで付けられたプログラミング言語「Ada」と同じである）。デザイン上の特徴は、一部を除いて人型ではあるが足（＝Footの意。脚＝Legのことではない）に相当する部分がないことと胸元にある球形のAIユニット等があげられる。ちなみに、オービタルフレームの操縦者はフレームランナーと呼ばれる。LEVは「Laborious Extra-Orbital Vehicle」の略で宇宙空間における作業用ロボットの総称。作中に登場するものは主に軍用のファントマ・シリーズであるが、オービタルフレームの機動性には太刀打ちできず、所謂やられメカの様相を見せる。デザイン上はオービタルフレームに比べてどっしりとしたシルエットと支え棒の様なスタビライザーを持つのが特徴。また、両者に共通する点として、股間にあたる部分から突き出たようなコクピット構造物が上げられる。男性器の様にも見えることから、よく揶揄の対象にされる。メカデザイナーである新川洋司によれば「コックにあるからコックピット」ということらしい。チンコクピットとも呼ばれる。
また、これら物語における SF 設定の根幹として希少鉱物「メタトロン」及びそれに由来するオーバーテクノロジーが存在する。木星の衛星カリストで発見されたこの鉱物は、空間圧縮作用を始め様々な特性を有しており、これを元に量子コンピュータや人型兵器オービタルフレーム、惑星間移動に利用される長距離瞬間移動装置ウーレンベック・カタパルト等が開発された。
[編集] Z.O.E シリーズ作品
[編集] ZONE OF THE ENDERS Z.O.E
[編集] 作品概要
2001年3月1日に発売されたプレイステーション2用ロボットアクションゲーム。木星の衛星軌道上に浮かぶコロニー・アンティリアを舞台に、偶然新型オービタルフレーム・ジェフティに乗り込んでしまった主人公レオ・ステンバックとバフラムの戦いを描いた作品。
[編集] 登場キャラ
- レオ・ステンバック （声：下和田裕貴）
- セルヴィス・クライン （声：堀江由衣）
- ヴァイオラ・ギュネー （声：手塚ちはる）
- アックス （声：大西健晴）
- ナイトレイド （声：押田浩幸）
- エレナ・ワインバーグ （声：夏樹リオ）
- ロック・サンダーハート （声：梁田清之）
- リドリー・ハーディマン(ノウマン) （声：江原正士）
- アラン
[編集] ANUBIS ZONE OF THE ENDERS
[編集] 作品概要
2003年2月13日に発売されたプレイステーション2用ロボットアクションゲーム。Z.O.Eの直接の続編に当たる。木星衛星カリストで採掘工をしていた元バフラム軍人ディンゴ・イーグリットが、遺棄されていたジェフティの発見を機に過去の因縁に決着をつけるためにかつての上官ノウマンと死闘を演じる様を描いた作品。発売当初の人気は低迷したが､その当時のアクションゲームの中でも屈指と称されるデキが評価され､クチコミにより広まった。
ミニゲームとして3D化されたグラディウスの「ZORADIUS」が収録。
前作の主人公レオ・ステンバックも登場する。岡村憲明のブログで、レオが主役だった場合の没ストーリー案が公開されている。同時に、岡村憲明とZ.O.Eの関わりについても記載されている。(ちなみに、現在はi-revoにブログを移行している)[1]
海外版での追加要素を収録して2004年1月15日に発売された「ANUBIS ZONE OF THE ENDERS Special Edition」では、おまけ要素的なものが多数追加された他、グラフィックの作りこみ強化、戦闘パートの追加、デモシーンの追加なども行われている。
[編集] 登場キャラ
- ディンゴ・イーグリット （声：井上和彦）
- ADA(エイダ) （声：芳野美樹）
- ジェフティに搭載された独立型戦闘支援ユニット。
- ケン・マリネリス （声：雪乃五月）
- レオ・ステンバック （声：鈴村健一）
- リドリー・ハーディマン(ノウマン) （声：小杉十郎太）
- Delphi(デルフィ) （声：
- アヌビスに搭載されたＡＩ。
- ヴァイオラAI （声：手塚ちはる）
- ロイド （声：阪脩）
- エレナ・ワインバーグ （声：小林優子）
- テイパー （声：堀川仁）
- リック （声：岩田光央）
- アンジー （声：日笠山亜美）
- ヴォルコヴォ （声：立木文彦）
- 4人構成のザカートランナーズのリーダー。階級は中尉。
- ザカートランナーズの3人 （声：
- ヴォルコヴォの部下。巨大オービタルフレーム「ザカート」を操縦しており、ビームを当てた際には歓声を上げる。
- エリー・ケイトン （声：熊谷聖香）
- リコア・ハーディマン
- 故人。ノウマンの父親。
- リチャード・マリネリス
[編集] Z.O.E 2173 TESTAMENT
[編集] 作品概要
2001年9月27日に発売されたゲームボーイアドバンス用シミュレーションロールプレイングゲーム。火星と地球を往復する移民船で働いていた主人公ケイジ・ミッドウェルが、船の格納庫で出会った少女ミオナ・オルデランやオービタルフレーム・テスタメントと共に火星で反地球レジスタンス組織・BISの一員として行動する外伝的作品。ストーリー面ではZ.O.E作品中でもかなり上位に値するとされるが、ゲーム性などの諸問題により、ストーリーに見合うだけの内容にはならず売り上げも低迷した｡
[編集] 登場キャラ
[編集] Z.O.E 2167 IDOLO
[編集] 作品概要
2001年3月1日にZ.O.Eと同時に発売されたOVA。バフラムのLEVパイロットであるラダム・レヴァンスを主人公に、最初のオービタルフレーム・イドロの開発とそれに関わるダイモス事件について扱った作品。このダイモス事件は、Dolores,i後半のストーリー展開に対する伏線となっている。
[編集] 登場キャラ
- ラダム・レヴァンズ （声：子安武人）
- ドロレス・ヘイズ （声：
- ヴァイオラ・ギュネー
- レイチェル・リンクス （声：榊原良子）
[編集] Z.O.E Dolores,i
[編集] 作品概要
2001年4月6日よりテレビ東京系列で全26話にわたって放送されたテレビアニメ。時間軸的にはZ.O.Eの後の話だが、内容的にはIDOLOの続編にあたる。運び屋のジェームズ・リンクスと彼を「おじさま」と言って慕うオービタルフレームのドロレスを中心に家族愛などを描いた作品。前半は、無実の罪を着せられ指名手配犯となってしまったジェームズが、二人の子供やドロレスと逃亡生活を送りながら、一家の大黒柱として冷え切った親子関係を修復しようと奮闘する様をコミカルに描き、中盤から後半にかけては、ドロレスをめぐるバフラムとの死闘や軌道エレベータをめぐる攻防をハードに描いている。
[編集] 登場キャラ
- ジェイムズ・リンクス （声：玄田哲章）
- ドロレス （声：桑島法子）
- オービタルフレーム「イシス」に搭載されたAI。
- レオン・リンクス （声：宮本充）
- ノエル・リンクス （声：日高奈留美）
- ピート
- レイチェル・リンクス （声：榊原良子）
- ナフス・プレミンジャー（ラダム・レヴァンズ） （声：子安武人）
- ドロレス・ヘイズ(ドリー) （声：
- レベッカ・ハンター （声：中西裕美子）
- アクセル （声：鉄野正豊）
- ラリー （声：岸尾大輔）
- ヤン （声：鈴木泰明）
- ヤン （声：稲田徹）
- ヤン （声：松本大）
- ニコライ(ヤン) （声：関俊彦）
- シンディ・フィオレンティーノ （声：落合るみ）
- パーン・ドルフォーム （声：長島雄一）
- サメジ （声：立木文彦）
- バジリコ・バジリスク （声：
- ミリンダ・ガーゴイル （声：
- ミッチャム・セルバンテス （声：
- ライアー・スターフィールド （声：塩屋浩三）
- ケティ （声：
- ヴァイオラ・ギュネー
- リドリー・ハーディマン(ノウマン) （声：中田譲治
[編集] 関連ゲームタイトル
- ANUBISに自機ビックバイパーをモチーフにした変形型LEVが登場する（オービタルフレームのジェフティと互角の戦闘を行う程の高性能な機体のためOFと記述されることが多いが、公式設定ではLEVである）。変形機構は大部分のバーニアスラスターを背面集中させることによりOFに迫る機動力を得ている、理にかなったデザインをされている。三機が製造され、ANUBISで前作Z.O.Eの主人公レオが駆るビックバイパーは零（ゼロ）。「グラディウス」のオリジナル・ビックバイパーよろしくオプション、レーザー、リングレーザー(リップルレーザー)といった多彩な攻撃を効果音まで忠実に再現している。また、おまけゲームとして「グラディウス」を模した3Dシューティングゲーム「ゾラディウス」が収録されている。
- 家庭用移植版に欧州版ANUBISのテーマソング「Beyond the Bounds (Mitsuto Suzuki 020203 Mix feat.Sana) 」が収録され、主人公ディンゴとヒロインのケンが登場する。
- 「ADA」がカードとして登場。使用するとテーマソングと共にジェフティ起動シーンのムービーが数秒再生される。
