Wine
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開発元: | Wine 開発チーム |
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最新版: | 0.9.25 / 2006年11月10日 |
対応OS: | Linux、BSD |
種別: | Compatibility layer |
ライセンス: | LGPL |
公式サイト: | www.winehq.org |
Wine(ワイン)は、Linux や UNIX 上で Windows API を動かそうと言うオープンソースのプログラム及びプロジェクトの一つ。1993年に立ち上げられた。
Wineは"WINE" Is Not an Emulatorの略で、GNU と同じく再帰的な略称になっている[1]。
ライセンスには GPL ではなく LGPL を採用している。これは、ライセンスの縛りを緩くすることでプロジェクトの円滑化を図るためである。
当初から、Windows のアプリケーションを Windows OS 無しに上で動かす事が試みられていた。そのために UNIX や Linux 上で Windows の API を翻訳し、UNIX が解釈できる形にコンバートするソフトウェアの形式を取っている。Windows のアプリケーションは GUI ベースであるため、コンバートされたプログラムは X Window System 上で動作する。一般的なエミュレータの様に仮想インテルマシンをエミュレーションし、その上で Windows OS を動作させると言う形体は取っておらず。 Windows のプログラムごとに Wine プログラムを実行し、UNIX の実行形式に変換し動作させると言う形式を取る。Wine は、CPU のエミュレーション自体は行っておらず、x86 上の UNIX 及び Linux システム(Sun Solaris/FreeBSD/Linux)をメインの開発環境に据えている。
プロジェクト当初は Windows 3.1 のアプリケーションを UNIX で動かすプロジェクトであったが、現在は Win32 アプリケーションを UNIX/Linux 上で動かすプロジェクトになっている。
プロジェクト自体は困難を極めており、なかなか互換性が高まらないなどの問題があった。特に1990年代は、日本語環境においてアプリケーションが思うように動かせない状況が続いており、Wine のインストールや動作にもそれなりのスキルが必要とされていた。
2000年代に入り、Wine プロジェクトに着目した企業などのサポートがあり、主に商業向けのプロジェクトが進展していく様になる。
[編集] Wineライクな他のプロジェクト
- CodeWeavers - アメリカの会社、Windows 用のブラウザ用プラグインソフトを Linux 上で動作させるCodeWeavers Pluginなどを開発・販売している。Wine ベース。また、Windows アプリケーションを動作させる CrossOver Office と言う製品も出荷している。
- WineX - TransGaming Technologies 社の Wine の改良版プロジェクト DirectX に対応しているのが特徴。主に Windows 用ゲームを Linux 上で動かすことを主目的にしている。
- ReactOS - Windows NT とバイナリレベル・ドライバレベルでの互換性を確保することを目標とした、オープンソースプロジェクト。Wine とも協力して開発を進めている。