S/T/R/I/P/P/E/R

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

S/T/R/I/P/P/E/R
沢田研二のアルバム
リリース	1981年 6月10日
ジャンル	J-POP
レーベル	ポリドール
プロデュース	加瀬邦彦
チャート順位
13位 (オリコン)
売上枚数
累計売上11.0万枚(オリコン)
沢田研二年表
G.S.I LOVE YOU (1980年)	S/T/R/I/P/P/E/R (1981年)	A WONDERFUL TIME (1982年)

S/T/R/I/P/P/E/R（ストリッパー）は日本の歌手、沢田研二の16作目となるオリジナルアルバム。

1981年 6月10日にポリドール（現ユニバーサルミュージック）からLP盤でリリースされた。

その後CD化され、1991年と1996年に東芝EMIから、また2005年にはユニバーサルミュージックから再リリースされている。

[編集] 解説

沢田が日本の音楽界に残したパイオニアとしての功績は多々あるが（初めて全国ツアーを開催した、初めて演歌歌手以外で紅白の大トリを勤めた、初めてフランスのチャートでBEST10入りした、など）、「初めてソロ歌手が特定のバックバンドを率いるスタイルで活動した」歌手という実績もある。その元祖はPYGから派生した井上堯之バンドであったが、同バンドは1970年代末に解散を余儀なくされた。その後ALWAYS、渚のラブレターバンドを率いるもいずれも短期間に終わり、これらのバンドを母体として生まれた新しいバックバンドがEXOTICS（エキゾティクス）であった。このバンドには後にプロデューサー、アレンジャーとして日本の音楽界を支える吉田建、西平彰が在籍しており、当時まだ若手ながら高度な演奏技術と先鋭性、先覚性を持つミュージシャンが集った優れたバンドであった（詳細はエキゾティクスの項目を参照）。このバンドには沢田もことのほか思い入れが深く、本作からシングルカットされた「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」や後の「晴れのちBLUE BOY」ではバンドメンバーと共にジャケットを飾っており、また「JULIE&EXOTICS」と大きくクレジットするなど「歌手とバックバンド」に収まり切らない一体感を感じさせている。

そして本作はそのEXOTICSを率いての第1弾リリースとなった作品で、早川タケジのデザインによるジャケット写真（タイトルを想起させる、半裸の沢田が横たわる裏表続きのもの）も話題となった。編曲は前作と同様に伊藤銀次が1曲を除いて担当しているが、既に吉田も作曲に参加しており加瀬邦彦、かまやつひろしらベテランと並び立つ活躍を見せている。また他に佐野元春、小田裕一郎も作曲しているが、ここからのシングルリリースが当初予定されていた楽曲（詳細は不明）が沢田の気に入らず、自作の「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」をカットして好評を博したように、沢田本人のソングライティングも従来以上の冴えを見せている。なお本作のシングルリリース曲は「渚のラブレター」と「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」で、共に沢田本人の作曲である。作詞では三浦徳子が大半を手がけた他、近田春夫が1曲提供している。

本作の冒頭には宮川泰の作、編曲による短いインストゥルメンタルが収録されており、他の楽曲はブリティッシュ・ロックンロールのテイストが非常に強い。これはロンドンでレコーディングされたことも影響していると思われ、以後もEXOTICS時代にはソリッドなギターをベースにしたサウンドと、艶のある沢田のボーカルが溶け込んだ、鋭角的かつ妖艶な作品を多く残し、ファンの人気は総じて高い。