R-16
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『R-16』(あーるじゅうろく)は、週刊ヤングマガジンに隔週連載されている漫画作品。原作佐木飛朗斗、漫画桑原真也。キャッチフレーズは「焦げつく魂、横浜無敵伝説」。隔週刊雑誌ヤングマガジンアッパーズ2002年NO.21より連載開始。同誌2004年NO.21の休刊に伴い、ヤングマガジン2005年NO.14に掲載誌を移籍した。現在単行本は9巻まで発刊、売り上げは150万部。
目次 |
[編集] 概要
物語は主人公達の中学時代を描いた「夏の14歳」編(1巻~2巻)、「冬の15歳」編(3巻~4巻)、「春の13歳」編(5巻)、そして現在連載されている「高校生」編(6巻~)に分かれている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
横浜市立本牧中学に通う14歳の少年「鳴海純弥」。ある日突然、幼馴染の先輩「猪瀬英樹」から「タイマン命令」が言い渡される。そのタイマンの相手は同じ幼馴染の親友「真希央」だった。思春期の葛藤、そして「強い生き物」に成るため少年達は苦闘する。
[編集] 登場人物
[編集] メインキャラクター
鳴海純弥
- 本作の主人公。音楽が大好きな銀髪の少年。仲間意識が強く、仲間の悪口を最も嫌う。自由を愛し、「自分の手の届くものは戦って守ること」が信条。爆麗の総長仕様のZⅡに乗っているため様々な人間に狙われ波乱が絶えない。幼いころに実の母親を亡くしており、高校生の現在は父親の再婚相手の静枝とその娘の義理の妹加奈子との3人暮らし。また童顔のためか女性にモテるが、本人はまったくその気はない。中学二年の夏にひょんなことから猪瀬に爆麗のステッカーを譲り受ける。この出来事が後の彼の運命を大きく左右することとなった。志曜館高校一年生。
- 愛車はヨシムラの直管をつけた日章カラーのカワサキ・750RS(ZⅡ)
門倉真希央
- 純弥の同級生で幼馴染でオランダ人のクォーター。そのため瞳の色が灰色で髪の毛が赤い。それ故、昔はよく峰夫達にイジメられていたが、「春の13歳」編のゼンジ達のイジメによって「支配者の資質」に目覚め、不良グループのトップに。家はお金持ちで銀行家の父親と病弱の母親がいる。自分の欲しい物は全て純弥が手に入れてしまうため(本人にその自覚はない)純弥にコンプレックスを持ち敵視しているが心の底では今でも純弥を慕っている。中学の頃から幹部候補として爆麗の集会に参加。高校生になってついに幹部昇格を果たした。赤い髪と髑髏のピアスが目印。
- 蓮之葉学園高校一年生。
- 愛車はCB400SFと猪瀬の乗っていた真紅のZ750FX
安斉輝男
- 純弥の同級生で幼馴染の一人。通称「テル」。単純な性格で誰とでも気軽に話ができ、周囲にすぐ打ち解けられる。在日韓国人で本名は「アン・キジョン」。両親はテルに本名で生きることを望んでいるが、本人にその意志はなく、「安斉輝男」の名前にも誇りを持っているという理由で日本名を名乗る。同じ在日韓国人であるハンスに誘われ民族学校に進学したが、他の仲間に受け入れられず、真希央のいる蓮之葉学園に編入した。しかしここでも差別に遭い居場所を無くしつつある。純弥の妹、可奈子に好意を持っているが相手にされていない。偶然千尋のいる解体屋にあった単車を見つけ「小さな自由」を手に入れた。奇しくもそれは猪瀬の乗っていたあのドリーム50だった。
- 愛車はホンダ・ドリーム50
鳴海可奈子
- 本作のヒロイン。純弥の一つ年下の義理の妹で静枝の娘。いつも純弥に世話を焼いていて、喧嘩の度に説教しているため純弥からは煙たがられている。彼には兄妹の以上の感情を抱いていて、いつ自分達の前から居なくなってしまわないか常に心配している。学校では大人しい優等生タイプ。真希央とは相思相愛だが付き合っているかは不明。本牧中学校三年生。
猪瀬英樹
- 純弥達の一つ年上の本牧中学の先輩で幼馴染のリーダー格。重度のシンナー中毒で売人からもシンナーを盗んでいたため、一部の人間からは「パク猪」と呼ばれていた。母子家庭で家は愛川金融から借金をしていた。爆麗の南雲道清と面識があり、薬を止めるという条件で幹部候補に指名されたが結局シンナーを止めることが出来ず、最後は鷺山の児童公園で警察の追尾を振り切るため逃走、誤って柵から転落死した。死ぬ間際に島田ゆかりとの間に息子を残している。息子の名前は「英樹」。様々なキャラと接点があり彼の遺物は純弥達が受け継いでいるため本作の最重要人物の一人と言っても過言ではない。
- 愛車はZ750FXとドリーム50
[編集] 志曜館高校
- 純弥達の通う高校で女子はお嬢様が多く、規律に厳しい。それに対して男子は2・3年生を初め「遊魂境」や「蛇破美会」のメンバーが名を連ねている模様。純弥達の学年は寿の影響でおよそ半数が善楽中出身者で占められている。通称は「シカン」。
[編集] 生徒達
山咲千尋
- 志曜館高校の二年生。本牧中学時代からの主人公達の先輩。男性的でさばさばした性格。純弥に好意を持っていて、「冬の15歳」編では一緒に走るためにデートに誘うがすっぽかされてしまう。以来音信不通(ただし千尋は携帯を持っていなかった)だったが、今は仲直りして共に行動することが多い。メカいじりが好きで整備工のバイトをしている。初期はヘルメットをかぶっていたが今はノーヘル。さらさらのロングヘアだが一度だけショートカットにしたことがある。
- 愛車はホンダ・CBX1000
美加
- 志曜館高校の二年生で中学時代からの寿の彼女。元々猪瀬と付き合っていたが、薬をやめられない猪瀬に見切りをつけ、寿に乗り換えた。背中には羅生門の鬼の刺青がある。しかし、これはタトゥーペーパーで寿もこの事を知っている。家はお金持ちで政治屋の父親が連れてくる相手と頻繁にお見合いをしているようだ。
美濃原亜久里
- 志曜館高校の二年生だが滅多に学校に来ないようで、生徒はおろか教師にも恐れられている。ヤクザの息子で黒人のハーフ。喧嘩の強さは相当なもので寿や爆麗の幹部達も一目置く存在。猪瀬の後輩である純弥が爆麗のZⅡに乗っていることを知り、学校に乗り込んで純弥とタイマンを張った。ビリヤードが得意。
- 愛車はホンダ・CB750Fボルドール
メグミ
- 志曜館高校の二年生。ソバカス顔の女の子で美加の連れ。家は中流家庭でカズトという弟がいる。表向きはお嬢様だが裏では援助交際や愛川興業に薬を売ったりして小遣いを稼いでいる。入矢に一目惚れし、恋をした。
名梨
- 純弥のクラスメイト。純弥とは明神小学校からの同級生。かなりの女好きでかわいい女の子はほとんどチェックしている。昔はゼンジ達と行動していたが現在は純弥と行動を共にし、ポストテル的存在。美加に惚れている。
ひろみ
- 純弥の同級生でクラスメイト。さつきと共に席位置は中学の頃から同じらしい。純弥に好意を持っているが気づいてもらえず中学三年間ずっと片思いだった。しかも純弥は名前すら覚えていなかった。「夏の14歳」編では一コマだけ登場している。髪の分け目につけているヘアピンがトレードマーク。
さつき
- ひろみの中学の同級生。ひろみ同様「夏の14歳」編で一コマだけ登場している。
[編集] 寿會
- 恩田寿が発足した組織。寿本人は特攻服なるものを着ているが暴走族かどうかは定かではない。善楽中の人間を中心にかなりの数を有している。
恩田寿
- 志曜館高校の一年生で横浜最強の善楽中学から来た最凶の男。背中に渡辺綱の刺青を彫っていて、遊魂境や蛇破美会の連中にも恐れられている。同い年はおろか、2つ、3つ年上の人間も眼中にない。独特の観念を持っており「強さ」への執着からか喧嘩の強さは常軌を逸している。また自らは他者を支配しようとせず、「記号」や「単位」ではなく、境界線のない全部を手に入れ全てを統治し君臨すると豪語している。同い年にも関わらず純弥が気になるようで周囲の仲間に話をしていたようだ。純弥には出会う度に自分の観念を説いている。中学時代から爆麗の忌部に幹部候補に推薦され次期特攻隊長に目されていたが徐々にその気持ちは薄れていき、真希央が幹部に選ばれるほぼ同時期に単独で「寿會」を結成。爆麗党にその意向を示した。家には父親しかおらず、母親は故人。しかもその出生に衝撃的な事実が隠されていた。
- 愛車は無く、二輪、四輪も操れるが専ら徒歩。
イサオ
- キチジと共に善楽中のナンバー2で狂走コンビと呼ばれていた寿の舎弟。キチジと寿を追いかけて志曜館高校へ進学。
キチジ
- イサオと同じく寿の舎弟だが、ほとんど美加と一緒にいることが多い。美加に不満を持っていて過去に二度反旗を翻そうとしたがその度美加に丸め込まれている。舌にピアスをしていていつも舌を出している。またイチャついたカップルが嫌いで見かけると必ず絡む。
ヨシミツ
- 寿の舎弟の一人。それなりの力を持っていて、南雲の顔も知っていた。
ヨシユキ
- 寿の舎弟。スキンヘッド。美濃原にアゴを砕かれた男。
タカオ
- 寿の舎弟。髪型はモヒカンリーゼント。
[編集] 蓮之葉学園高校
- 横浜の最低最悪の高校で通称「パーガク」。生徒のほとんどが爆麗のメンバーで三年には幹部の土橋がいる。一年生は真希央を初めゼンジや峰夫達が在籍している。
[編集] 生徒達
沢野ゼンジ
- 本牧中時代からの真希央の舎弟。真希央に次ぐ地位だったが峰夫が登場してからその地位を峰夫に奪われてしまった。少し変わった髪型をしている。
- 愛車はホンダ・ライブディオZX
ユーゴ
- ゼンジのグループのメンバー。
貞夫
- ゼンジのグループのメンバー。
峰夫
- 港葉中出身の三人組の一人。真希央とは小学校が同じでよくイジメていた。中二の夏に再び三人で脅しをかけたが逆に反撃され自分のナイフで口を裂かれてしまった。それ以降、真希央恐怖症だったが、いつの間にか舎弟になっていた。真希央に一番忠誠を尽くしていて、真希央のためなら何でもする。
蓮司
- 港葉中三人組の一人。金髪。
良和
- 港葉中三人組の一人。ドレッドヘアー。
[編集] 主人公達と接点・関わりのある少年達
入矢由紀男
- 純弥達の小・中学校の同級生。中学生編では「春の13歳」編のみ登場。横浜の暴走族「泥眼」のメンバー。レスポールというギターのレプリカを持っていて、そのつながりで純弥と親友関係に。猪瀬や島田ゆかりと同じ団地に住んでいて、父親は無職。「団地の万引き少年」と世間に噂され自身も盗んだCDを売りさばいて生計を立てていたがそこを泥眼に付け入られ金蔓にされてしまう。次第に要求がエスカレートしていき最終的には純弥に助けを求めたが、その直後自分は夜逃げをしてしまった。三年後純弥と再会を果たすが入矢はすでに自分の過去に支配され、自分に万引きをさせていた泥眼のメンバーになっていた。さらに純弥が自分のギターを持っていることを知り反発。お互い確執が生じてしまった。
- 音楽の才能がありギターとバイオリンを弾くことが出来る。
- 愛車はヤマハ・マジェスティ
島田ゆかり
- 純弥達と同い年で16歳の少女。中学二年の時に猪瀬の子を身ごもり、15歳で一児の母に。それが原因で両親からは勘当されてしまい地元のスーパーで働きながら生活している。猪瀬は彼女を気に入っていて、お医者さんごっこする程の仲だった。猪瀬の母親に名前を聞かれとっさに父親と同じ名前の「英樹」と命名。現在は子育てに奮闘中である。
ハンス
- テルと同じ在日韓国人。テルから純弥の話を聞き、呼びつけ喧嘩を売るが敗れる。テルを仲間に引き入れようとした。
ゴキエ
- 可奈子の友達で純弥のファン。本名は五島。
ミユキ
- 可奈子の友達でゴキエと同じく純弥のファン。
[編集] 横浜神音天道會爆麗党
- 横浜の暴走族で通称「爆麗」。横浜では絶対的な権力を持っており、他チームからも別格扱いされている。その力は他県にも及ぶ。現在は十一代目で総長は南雲道清。元々弱小チームだったが南雲に代替わりしてからはヤクザも恐れる武闘派チームに変貌した。
南雲道清
- 県下最強の暴走族「爆麗党」の総長。国道(R-16)の支配者。かつて、他のチームがヤクザにシノギを支払う中、彼はそれを拒否。日本刀を片手に単身滑沢の所に乗り込み愛川興業を壊滅させた。しかし、無敵の看板を代償に自身も足を潰されて現在は車椅子生活を余儀なくされている。以後後悔と自責の念に駆られ今もなお苦しみ続けている。猪瀬に幹部仕様のステッカーを渡し、彼亡き後は純弥に自分の単車を与えた。純弥を気に入っていて、その気があるなら彼を次期総長にしようと考えているようだ。
- ピアノの腕はプロ級で子供達にレッスンをしていた描写がある。本作の重要人物で影の主役的キャラと言える。
忌部敬一郎
- 爆麗党の特攻隊長。寿の先輩で当初から寿を幹部候補に推薦していたが、候補に真希央が選ばれてしまったため現在は大人しくしている。キチジ曰く「悪ガキの憧れ」。他のメンバーに比べ登場回数が少なく、寿とはほとんど携帯電話で会話しており、直接会話しているシーンはない。
- 愛車は寿が中二の時に貸していた橙の火の玉ZⅡ
久我直哉
- 爆麗党の幹部。忌部と同格だが肩書き不明。中学の頃から真希央の面倒を見ていて、特攻服を貸して自分の単車のケツに乗せたりしていた。かなり陰湿な性格で自分の面子のためなら真希央にも容赦しない。左目の上に傷がある。
- 愛車は幹部のステッカーを貼ったZⅡ
土橋
- 爆麗党のナンバー3で親衛隊のケンメリを転がす南雲の専属運転手。蓮之葉学園の三年生で留年している。どちらかと言えば忌部よりで久我の後輩である真希央を嫌っている。真希央をコゾー呼ばわりしており本人も逆らえない。初登場時は何故か単車に乗っていた。
狩屋
- 爆麗党幹部親衛隊の一人。
[編集] 周囲の大人達
[編集] 愛川興業
- 滑沢達のいる事務所。南雲道清に組織を潰されて以降、その名前は禁句になっている。
滑沢
- 暴力団「愛川興業」の構成員。現在は「あいかわぐるーぷ」の統括部長で様々な事業に手を広げている。そこかしこに登場しており、真希央、美濃原の父親を初め他キャラとは間接的に関わりが多い。(千尋のいたキャバクラやひろみ達のライブハウスなど)ちなみに純弥達を後輩と言っていたことから彼も本牧中学出身であると考えられる。
堂本
- 愛川興業の構成員。猪瀬の家に借金の取立てに来ていたが猪瀬にボコられ、そのケジメとして滑沢にもボコられたかわいそうな奴。遊魂境と蛇破美会のケツ持ちをしているがいまいち抑えきれてない。
沢野一徳
- 愛川興業の構成員で滑沢の専属運転手。ゼンジの兄。ゼンジから「アンちゃん」と呼ばれている。
[編集] 鳴海家
純弥の父親
- 純弥の実の父で可奈子の義父。妻を亡くした後、静枝と再婚したが事業に失敗して自暴自棄に陥り、静枝に暴力を振るっていた。家出をし行方を暗ましていたが、実は静枝に生活費を工面してもらっていることが判明した。
鳴海静枝
- 可奈子の実の母で純弥の義母。純弥の無茶な行動も責めず優しく見守っている。純弥の父親に生活費を渡しているようだがどんな仕事をしているかは不明。かなり若い。
[編集] 門倉家
真希央の父親
- 横浜の町を統べる銀行家で政治家やヤクザ等に幅広いパイプを持つ。門倉家の養子でこのことがコンプレックスになっている。真希央や亜紀子を「出来損ない」や「あれ」と称し蔑んでいる。また自身も真希央からは「豚」と言われ、真希央と亜紀子の話になると錯乱し、その度、滑沢の用意した女性に泣きつき多額の金を落としている。そのため愛川興業のシノギに大きく貢献している。
門倉亜紀子
- 真希央の母親でオランダ人のハーフ。真希央と同じく瞳が灰色で髪が赤い。病弱の為か屋敷に居ることが多く、酒浸りでろくに食事もとっていない。自分にそっくりの真希央を邪魔者扱いしている。入矢に出会ってからは頻繁に外出するようになり、彼と稜一郎を重ね合わせている。
お時さん
- 門倉家の使用人。この人の一言が猪瀬のFXを手に入れるきっかけを作った。
[編集] 安斉家
テルの父親
- 顔の描写はなく、台詞もない。
テルの母親
- テルをいつも心配しているが自身は貧乏のため家計に追われ、かまってやれる余裕がない。
[編集] 恩田家
寿の父親
- 寿と同じく刺青をしていて柄は不動明王。寿と60歳の年齢差がある。
寿の母親
- 故人。寿を産み落とした後死亡。写真だけが登場している。
[編集] 入矢家
'入矢の父親
その他 遠野稜一郎
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