In vitro
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
in vitro(イン・ビトロ)とは、分子生物学の実験などにおいて、試験管内などの人工的に構成された条件下、すなわち、各種の実験条件が人為的にコントロールされた環境であることを意味する。語源はラテン語で「ガラスの中で」、意味は「試験管内で」。対立する概念はin vivoである。
理想的には、培地や溶液の内容物の種類及び量について全て明らかであり、未知の条件が殆ど無いと言えるケースである。
in vitroとin vivoの区別は研究分野によって多少異なる。個体あるいはその組織・臓器を対象としている生理学などでは、個体を扱えばin vivo、それから取り出した組織等を扱えばin vitroとなる。一方細胞以下のミクロな対象を扱う細胞生物学や分子生物学では、培養した細胞を扱えばin vivo、細胞から取り出した細胞内器官や物質(DNAや蛋白質)を扱えばin vitroということが多い。つまりどのレベルを「生きている」と見るかの違いである。