Il-28 (航空機)
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Il-28とは、ソ連の航空機設計機関であるイリューシン設計局が開発した中型のジェット爆撃機である。NATOのコードネームはビーグル"Bergle"である。
原型機が初飛行したのは1948年7月8日である。数多くの機体が製造され多くの国に輸出されたが、21世紀になった現在でも現役の機体がある。
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[編集] 概要
Il-28は、イリューシンが開発し、1949年にソ連空軍に引き渡された。機体の特徴として、大きなエンジンが主翼に直接埋め込まれた双発レシプロ機のような形状をしていることである。パイロットは胴体上面に張り出したキャノピー部のコックピットに操縦士が搭乗し、航法士と爆撃手は機首部にある風防部分に搭乗していた。このレイアウトは第二次世界大戦中の中型爆撃機と類似していたが、そのほかには様々な技術が導入されていた。
主翼は角度35度の後退翼を取り入れており、エンジンは当初はイギリス製ロールスロイス・ニーンのソ連生産型であったRD-45を初期量産型に装備していたが、量産型はソ連製エンジンを装備した。
爆撃兵装は胴体内の爆弾倉に搭載し標準爆弾搭載量は1000Kgから3000Kgである。
Il-28は世界の多くの国に輸出されていた。ソ連側諸国が結成していたワルシャワ条約機構の加盟国のほか、アフリカ諸国にも輸出されており、中国においてもH-5としてライセンス生産された。
1965年11月11日に中国人民解放軍所属のIl-28のパイロットが台湾に亡命飛行し、乗員1名は追撃機による攻撃で死亡したが、乗員2名は台湾に到着した。かれら2人にたいして台湾当局は「反共義士」として表彰し、2名に金塊35Kgずつを与えたという。
ソ連では、1960年に3000機ほどを生産し終了したが、最近まで中国で継続して生産したため、中国と北朝鮮では戦術爆撃機として少数が現役機である。
[編集] Il-28の活動
- スエズ動乱（1956年）にエジプト空軍のIl-28がイスラエル空軍と戦った。
- キューバ危機（1963年）には、ソ連がキューバにIl-28を供与していた。
- ベトナム戦争では北ベトナムが運用していた機体も遭った。
- ビアフラ戦争ではナイジェリア空軍が戦闘に使用していた。
- イエメンの内戦に参加した機体があった。
- 西側でもフィンランドが1961年から64年にかけて導入し、1980年まで実戦配備していた。
2006年12月の日本のテレビ局のフジテレビの報道によれば、北朝鮮が軍事境界線近くの空軍基地に核弾頭を搭載したIl-28を実戦配備しているのではとする憶測があることを指摘したが、基本設計が1940年代後半の戦術爆撃機が実戦に使用できるかは不明であるといわざるをえない。
[編集] 派生型
- Il-28 ビーグル - 爆撃機型
- Il-28R - 偵察機型
- Il-28T - 雷撃機型
- Il-28P - アエロフロートの航空郵便機
- Il-28U マスコット - 練習機型
- H-5 - 中国のライセンス生産爆撃機
- HJ-5 - 中国の練習機
- H-5Rもしくは(HZ-5): 中国の長距離写真偵察機
- HD-5 - 中国製機体
- H-5 Testbed - 中国製練習機
- B-5 - H-5の海外輸出型
- B-228 - チェコスロバキア空軍における名称
[編集] 使用国
[編集] 民間用
[編集] 軍用機
- アフガニスタン, アルバニア, アルジェリア, ブルガリア, 中華人民共和国, キューバ, チェコスロバキア, 東ドイツ, エジプト, フィンランド, ハンガリー, インドネシア, イラク, モロッコ, 朝鮮民主主義人民共和国, 北イエメン, 北ベトナム, ナイジェリア, ポーランド, ルーマニア, ソマリア, 南イエメン, ソ連, シリア, ベトナム.
[編集] 要目
- 乗員 3名
- 全幅 21,45 m
- 全長 17,65 m
- 高さ 6,70 m
- 翼面積 60,80 m²
- 機体重量 12.890 kg
- 最大離陸重量 21.200 kg
- エンジン クリモフ設計局ＶＫ-1ターボジェット双発
- 推力 2700kg×2
- 最大速度 876km/h
- 巡航速度 770km/h
- 航続距離 2400Km
- 武装 23ｍｍ機関砲3門、兵装3000Kg（最大）
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 爆撃機 | ソ連・ロシアの航空機
