HELLSING
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『HELLSING』(ヘルシング)は平野耕太の漫画作品。少年画報社の月刊漫画雑誌「ヤングキングアワーズ」に連載中。
目次 |
[編集] 概要
本作は吸血鬼と吸血鬼ハンターの戦いを描いたバトルアクション漫画作品である。「平野節」と呼ばれる作者独特の過激かつ冒涜的な台詞回しも特徴の一つとして評価される。
2001年にゴンゾ・ディジメーションによってテレビアニメ化された。その後、2005年にサテライトによってOVA化される。
題名の「ヘルシング」はブラム・ストーカーの恐怖小説『吸血鬼ドラキュラ』の登場人物エイブラハム・ヴァン・ヘルシング教授に由来する。ヘルシング教授の子孫が、主人公の一人インテグラである。
なお、『吸血鬼ドラキュラ』のヴァン・ヘルシング教授の名前の綴りは“Van Helsing”の為、作品名“HELLSING”は“hell”(地獄)にかけたものと推定される。
作者は大のビデオゲーム好きで、各話の副題はそれぞれ有名ビデオゲームの作品名に由来している。
2006年にアメリカで、英訳単行本7巻が大手出版業界関係とNBCの協力で行われる「クィル賞」の「読者が選ぶベスト本」ベスト・グラフィックノベル部門にNARUTOと並んで選ばれた程海外の方で人気が高い。しかし本国のほうが出版スピードが遅い為人気を保てるかは未知数である(米国では2003年から一気に刊行された)。
単行本の発売は作者自身が1年に1冊出すことを目標にしているが、多少遅れ気味ではある。
2006年は「日本のメディア芸術100選・マンガ部門」参考において名だたる名作を押さえ22位に選ばれた。ただしインターネットによる投票のため幅広い層の支持とはいえないが、前述のとおり海外での人気は高い。
[編集] ストーリー
大英帝国の王立国教騎士団、通称「ヘルシング機関」の当主サー・インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング(周囲からはインテグラと呼ばれる)、ヘルシング機関の切札であり、当主インテグラに服従する不死身の吸血鬼アーカード、アーカードによって吸血鬼となった新米吸血鬼の元婦警セラス・ヴィクトリア、以上3名がこの作品の主人公である。
基本となるストーリー展開は、吸血鬼VS吸血鬼ハンターというブラム・ストーカーの作品に沿ったもので、王立国教騎士団と吸血鬼・喰屍鬼(グール)の戦闘が中心となっている。ただしアーカード、セラスは吸血鬼でありながら、吸血鬼狩りを本業としている。
物語の初期は、英国本土内で頻発する吸血鬼による事件にヘルシング機関が対処して、局地的な戦闘が繰り広げられるのみであったが、途中から吸血鬼事件の黒幕が明らかになっていき、人外の軍隊同士が血みどろな戦いを繰り広げる混迷を極めた展開となっている。ヒトラーの命を受けて南米に逃れていたナチスの残党、最後の大隊「ミレニアム」が登場し、1000人の吸血鬼部隊を率いて再び英国本土を空襲、これにヴァチカン教皇庁の第九次空中機動十字軍3000人が加わり、ロンドンは第二次世界大戦以来の破壊と混乱に陥っている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
[編集] ヘルシング機関(王立国教騎士団)
大英帝国と英国国教会(プロテスタント)を反キリストの化物から護る為に組織された王立国教騎士団。吸血鬼アーカードを攻勢の要としており、主な吸血鬼退治は殆ど彼に行わせていたと思われる。他にも専門の特殊部隊を擁していたが、ミレニアムの手がかかった吸血鬼、バレンタイン兄弟がグール部隊を率いてヘルシング家を襲撃し、ヘルシング家が擁する部隊はバレンタイン兄弟の部隊の前に全滅。その後は、生き残りの執事ウォルターやアーカード、セラス等にベルナドット率いる傭兵部隊「ワイルドギース」を加えた組織となった。しかしそれもロンドン空襲において壊滅し、現在の残存勢力は僅か3名となっている。
- ヘルシング家当主にして英国国教騎士団局長にして円卓会議の一人。通称インテグラ。10年前、父親の死に乗じてヘルシング機関を牛耳ろうとした叔父を殺し、ヘルシング家及びヘルシング機関、そしてアーカードの主人としての権利を継承した。常に葉巻を咥えているが、火が着いているとは限らない。処女である。女性であるにも拘らず「サー」(ナイトの称号の事)の敬称で呼ばれているが、理由は作中では特に明かされていない。最初のアンデルセンとの対峙や、その後の英国強襲中等で見られるように武器としては剣を使う。アンデルセンの一撃を受け止めたり、吸血鬼を倒したりと、腕前はそれなりに立つようである。
- エイブラハム・ヴァン・ヘルシングを祖に持つ由緒正しき吸血鬼狩りの一族の末裔。作中ではブラム・ストーカーの小説が存在しているので、作中劇としての「ドラキュラ」は実話を元にしたフィクションという形を取っていると思われる。
- アーカード 声:中田譲治
- 真の正統な吸血鬼。作中ではヘルシング機関に敵対する化物に対する鬼札(ジョーカー)と表現されている。なお、名前のアーカード (Alucard) は、ドラキュラ (Dracula) の逆綴りである。別名が元となる名前のアナグラムで構成されるといった「元の身分に縛られる」という設定はドラキュラの祖とも言われるカーミラにも見ることができる。
- 通常は、拘束制御術式(クロムウェル)と呼ばれる封印をかけ力を制限している。
- 普段は黒い長髪に長身の青年の姿を取るが、若き日のウォルターとコンビを組んでいた時には黒髪長髪の少女の姿を取っていたり、拘束制御術式第零号開放時には鎧にマントに髭という「伯爵」の姿を取る事から、外見に関してはほぼ変幻自在と思われる。
- 怪力と超常の不死性を誇り、武器としてはランチェスター大聖堂の銀十字錫を溶かして作った.454カスール炸裂徹鋼弾を用いる大型拳銃(後に13mm拳銃「ジャッカル」を併用)を持つ。また、1944年ワルシャワを舞台とした外伝『THE DAWN』では、ドラムマガジン付きのトンプソンM1928を使い、拘束制御術式第零号開放時は長剣を使っている。
- 大英帝国女王とも対等に振舞う傍若無人な性格。高級な吸血鬼である彼にとっては、日光は天敵ではなく、単に嫌いなだけである。主食は人血であるが、普段は輸血用の血液パックをストローで飲み、また同属である吸血鬼の血を吸う事もある。稀に夢を見る事があり、その際には血の涙を流している。
- かつては串刺し公ヴラド・ツェペシュを彷彿とさせる恐怖の王であったが、100年前にエイブラハム・ヴァン・ヘルシングに敗れて以降、ヘルシング家に服従することとなる(正確にはブラム・ストーカーの原作小説同様、アーサー・ホルムウッド、キンシー・モリス、ジャック・セワードを含めた4人のチームに敗れている、敗れるまでの経由もおそらく原作小説の通りだと思われる)。
- この事や、拘束制御術式零号開放時のアーカードをインテグラが「伯爵」と呼んでいる事、ワラキア公国軍を率いる事、吐き出した亡者の行った殺害方法が悉く串刺しである事などから、アーカードはドラキュラ伯爵その人であると思われる。
- セラス・ヴィクトリア 声:折笠富美子
- 元婦警。本作品冒頭部の「チェダース村事件」でアーカードに吸血鬼化された。「チェダース村事件」とはチェダース村に赴任していた牧師(吸血鬼)によって起こされた大量殺人事件であり、この時人質に取られた彼女を、牧師ごと撃ち倒したアーカードが血の契約を行ったことにより吸血鬼になった。書類上ではここで殉職となっている。
- アーカードに血を吸われてからはアーカードの下僕としてヘルシング機関の一員になる。血を吸うことに嫌悪感を持ち、血を吸わないが、激昂すると爆発的な戦闘力を発揮し、並の吸血鬼やグールなどは敵ではなくなる。吸血鬼の超体力と怪力から常に重武装を義務付けられている。通常武装は20mm対戦車ライフル、後に30mm対化物用カノン砲ハルコンネン。ミレニアムが英国を空襲した際には巨大な弾倉を背負った30mm半自動カノン砲ハルコンネンIIで迎撃した。続くゾーリンブリッツ戦では、彼女の武器によって重傷を負うも、虫の息のベルナドットの遺言に従い彼の血を飲んだことで一人前の吸血鬼へ成長、切り落とされた左腕が翼になり空を飛べるようになるなど、主であるアーカードに近い存在となっている。
- ウォルター・C(クム)・ドルネーズ 声:清川元夢
- ヘルシング家の執事(バトラー)。先代ヘルシング卿の頃よりヘルシング家に仕える片眼鏡の老人。69歳。現当主であるインテグラの事は「お嬢様」と呼んでいる。「死神ウォルター」の異名を持ち、あらゆる物を切断する極細の鋼線を自在に操る。その殺傷力にはアーカードも一目置く。ヘルシング機関のゴミ処理係と呼ばれていた55年前の若き日には、アーカードと二人でナチスの吸血鬼部隊およびアンデッド研究機関を壊滅させた。この時ミレニアムの少佐らと最初の闘いを繰り広げている。
- バレンタイン兄弟がヘルシング機関ロンドン本部を襲撃した際には、セラスと共にヤンを迎え撃ち武装したグールを一掃するなど往時の活躍を見せた。
- ミレニアムの大尉とは、因縁浅からぬ仲である。第二次ゼーレヴェ作戦によって火の海と化したロンドンで、半世紀ぶりに大尉と再度戦うことになるが、老齢からか敗北し、拉致されてドクの少々手荒な施術を受け吸血鬼化。若返った姿で現在はミレニアム側についており、第九次空中機動十字軍の武装ヘリが少佐を捕捉する寸前に銅線で切断し窮地を救い、少佐の為によく練ったバーホーデンココアを淹れるなど少佐の執事として仕えている。また、斬り掛かってきたイスカリオテ機関の由美江を瞬殺するなど、若返ったその実力はまさに死神の異名に相応しいものである。しかし、緊急かつ強引な施術だった為、身体中に拒絶反応が発生、吸血鬼化と同時に余命約一日と「短命化」している。
- アイランズ卿はアーサーが死亡した際にインテグラの身辺警護をウォルターに一任していたが、インテグラが襲われた事件当日ウォルターは不在であった。この事から円卓会議の中の内通者はウォルターであり、55年前のワルシャワ時から裏切っていた可能性を示唆している。しかし、吸血鬼化した後もアーカードに命令「見敵必殺」を下すのを躊躇するインテグラに対し決断を促す台詞を放つなど、その真意は未だ不明であるが、今までの言動からするに、「どのようなリスクを背負ってでも、生きている内に、一度でもいいから全身全霊全開の力でアーカードと闘いたかった」と、俗に言う「生きている内に悔いは残したくはない」と思われる(ウォルターが少年の時にアーサーは、ナチスの吸血鬼部隊を壊滅させた後、アーカードを封印させ(理由は不明)、それからインテグラがアーカードを復活させるまでの間、アーカードと闘う機会を与えられないまま老いてしまった)。
- 余談ではあるが、平野氏の過去の作品に登場する執事の名前もウォルターである。
- ピップ・ベルナドット 声:平田広明
- バレンタイン兄弟の襲撃によって全滅したヘルシングの兵の補充のために雇われた傭兵部隊の隊長。左眼に眼帯をしている。主な武器はAK-74やコルトSAAなどの銃火器。
- 10代前から代々傭兵稼業という家の出で、父親もコロンビアで戦死している。ゾーリンブリッツとの戦いでセラスを危機から救出したが、まもなく死亡。セラスは彼の血を吸い、本物の吸血鬼として目覚めた。
- 元々は『COYOTE』の主人公。続編である『ANGEL DUST』にも年老いた姿で登場。
- アーサー・ヘルシング声:大塚周夫
- 先代ヘルシング卿。インテグラの実父にして先代ヘルシング機関当主。アイランズ卿とはオックスフォードからの同窓生で盟友。1944年9月、ドイツ占領下のワルシャワにおいてアーカード、若き日の執事ウォルターらを派遣しナチスの吸血鬼部隊およびアンデッド研究機関を壊滅させる。英国国教騎士団局長に就任後の1969年、アーカードをヘルシング機関ロンドン本部地下に何らかの理由で封印している。アーサーは20年後の1989年に死亡(享年・死因共に不明)するが、実弟であるリチャード・ヘルシングが死に乗じて弱冠13歳のインテグラを亡き者にしヘルシング機関を掌握しようとした為、インテグラに殺害されている。この時、リチャードの放った拳銃により創傷を負ったインテグラの人血によりアーカードは復活している。
[編集] 大英帝国円卓会議
英国王室に忠誠を誓う12人の政財界の重要人物である政治家、貴族、軍人などにより構成された組織。インテグラもこのメンバーの一人。
- ヒュー・アイランズ卿 声:水野瀧司(TV版)/堀勝之祐(OVA版)
- 円卓会議議長で中心人物の老人。先代ヘルシング卿(インテグラの父親)とはオックスフォードからの同窓で、アーサーと呼ぶなど仲が良かったと同時に、アーサーの余りに破天荒な性格に苦労していた。尚、少佐の宣戦布告時に「邪魔をしないでくれ若造」と軽くあしらわれている。
- 円卓会議の1人で英国海軍中将。単行本第5巻では英国安全保障特別指導部本営の将軍として本営を構える。
- 第二次ゼーレヴェ作戦によってロンドンに侵攻した吸血鬼の武装親衛隊に部下達と防戦した。最期は本営内に突入してきた吸血鬼達を巻き込んで自爆。ペンウッド卿は人外の多い本作品において、最も端的に描かれた人間の一人である。
- バレンタイン兄弟による円卓会議強襲時には、弱音を吐きながらも拳銃を構え円卓会議の一員としてヤンを迎撃している。吸血鬼侵攻の際には「自分以外の者は全員脱出しろ」と震えながら発言するも結果的には多くの部下達が留まり、共に任務を果たしていることから、部下から慕われてはいたことが伺える。円卓会議の中の内通者として疑われていたが、「無能ではあるが卑怯ではない」と自身を評しているように臆病者ではあるが裏切り者ではなかった(アイランズ卿曰く「裏切る前に自殺してしまうだろう」)。
- アイランズ卿達円卓会議のメンバーも「無能だが男の中の男」と彼の人格を評している。
- ロブ・ウォルシュ中将
- 円卓会議の参議でアイランズ卿、ペンウッド卿とは共通の友人。
[編集] イスカリオテ機関(法王庁特務局第13課)
ヴァチカンの法王庁特務局第13課、通称「特務機関イスカリオテ」。作中で一般にヴァチカンには十二使徒の名を冠した12の課が置かれていることになっているが、イスカリオテは13番目の課としてその存在を公表されていない。 裏切者イスカリオテのユダの名を冠した、ヴァチカンの保有する唯一にして最強の戦力であり、カトリックの地上における神罰代行者として、悪魔、化物、異教、異端の殲滅を存在目的とする。英国国教の守護者であるヘルシング機関とは対立していたが、第二次世界大戦時の法王庁の不始末を認めて、ミレニアムに対抗するために、呉越同舟の共同戦線を張る。しかし、第九次空中機動十字軍を率いる局長マクスウェルは土壇場で英国を裏切った(ただし、アンデルセンはマクスウェルの命令を無視する)。 アーカードの拘束制御術式零号“死の河”開放により第九次空中機動十字軍は壊滅し、マクスウェルは死亡する。アーカードとの激戦を繰り広げたアンデルセンも敗北し消滅、由美子はウォルターに殺害された為、現在の残存勢力はハインケルと僅かに残った武装神父隊のみである。これにより第九次十字軍遠征熱狂的再征服(レコンキスタ)は完全に壊滅し、 事実上イスカリオテ機関も壊滅したものと思われる。
- エンリコ・マクスウェル 声:田中秀幸
- イスカリオテの局長。司教から後に大司教へ昇格。傲慢な性格で、カトリックの絶対性を疑わない狂信者。単行本の巻末に収録されている短編『CROSS FIRE』にも別キャラとして登場する。その頃の容姿はむしろインテグラに近かった。
- 名前の由来は、他に「シュレディンガー」がいることから、同じく大物理学者のエンリコ・フェルミとジェームズ・クラーク・マクスウェルから取られたものと思われる。
- アンデルセン神父の上司であるが、手綱を執りきれず暴走させてしまうこともしばしば。ミレニアムが第二次ゼーレヴェ作戦を進行させる中、第九次空中機動十字軍を率いてロンドンに現れ英国もミレニアムも死刑と判決を下し無差別な殲滅を指示する。この時少佐に「やれば出来る子」と評されている。十字軍と武装親衛隊が戦禍を繰り広げる中で、アーカードの開放した"死の河"により護衛ヘリを失い地上に落下し負傷する。硬化テクタイト複合強化ガラスに保護され油断していたのも束の間、アンデルセンの放った銃剣により打ち砕かれ"死の河"の亡者達に飲み込まれ孤独な最期を迎えた。ただし、アンデルセンは神罰を下した直後に「どうしようもないあの馬鹿が!相も変わらず意気地のない弱虫めが!」と言葉を放っている点から、二人の関係が精神的に深い所で繋がっていた事が伺い知れる。
- 妾の子として生まれ、そのために両親に見放されてアンデルセンの勤める孤児院で過ごすことになる。そのために両親及び社会を恨んでいる節があり、大司教昇格時の台詞にもそれが現れている。
- イスカリオテ機関所属の対化物用の鬼札。「聖堂騎士(パラディン)」「銃剣(バイヨネット)」「天使の塵(エンジェルダスト)」「殺し屋」「首切り判事」など数多くの称号を持ち、その正体は判然としない。推定年齢は60歳とされる。
- 普段は眼鏡をかけた優しげな神父で、孤児院の子供たちの世話をしている。喧嘩を仲裁するなどの一面もあり、子供からは慕われているが、その実の顔はマクスウェルに輪をかけた狂信者であり、言動の端々に狂信が伺える。
- 単行本第8巻の扉絵には幼いころのマクスウェル、由美子、ハインケルとともに笑顔で接するアンデルセンの姿があることから、おそらく彼らはアンデルセンの孤児院の出自であろうことが推測される。
- 生物工学の粋を凝らした自己再生能力(リジェネーション)と回復法術により、頭を銃で吹き飛ばされても瞬時に再生する。だが、拘束制御術式第零号を開放したアーカードのジャッカルに撃たれた際は腕が千切れるなど、その再生能力は無限ではない。
- 主な武器は祝福法儀式を施された銃剣と、恐らく聖書のページと思われる護符。ヘルシング機関との最初の戦いに際しては、これらを武器にセラスとアーカードを苦しめた。また、大量の銃剣を鎖に括り付けた「爆導鎖」という武器を使っている。
- 第二次ゼーレヴェ作戦によってロンドンに上陸したミレニアムを、ハインケルや由美江、先遣武装神父隊らと共に迎撃し結果としてインテグラを救う行動を取る。その後、第九次空中機動十字軍を率いてロンドンに現れた大司教マクスウェルの神の力を信仰した暴走に激怒し、神に仕える者として神罰を下す。
- やがてリップヴァーンウィンクル中尉を倒し、空母と友に帰還した"黒渦"アーカードと見える事となり、聖遺物エレナの聖釘により茨(イエス・キリストが十字架に磔にされた時に頭に付けられたのも茨の冠である)の化物へと変貌を遂げた。
- アーカードと激戦を繰り広げ、一度は彼の世界を燃やすほどに追い詰めるも、最後には心臓を握りつぶされて敗北。地獄で再びあうことを約束し塵と散る。
- なお、過去の彼を主人公にした作品として『ANGEL DUST』(2006年時点で単行本未収録)がある。
- ハインケル・ウーフー
- 単行本1~3巻に収録された短編『CROSS FIRE』に登場する神父の格好をした女性。『CROSS FIRE』3話表紙にてマクスウェルが「女性だったのですか」と驚いている場面がある。
- しかし、ぱふ2005年12月号の平野氏のインタビューでは
- 平野「そうですね。変わらないです。ハインケルも女じゃないし。」
- --ハインケルは女ではない?
- 平野「ふたなりはロマンですよ。」
- と言う発言をしている為、『HELLSING』作中内では両性具有という可能性もある(冗談だったのかもしれないが)。また厳格なカトリックは異性装を禁じているので、神父服姿のハインケルも『HELLSING』作中では男性に変更された可能性もある。
- 由美子とコンビを組んでいる。二人は依頼を受けると必ず任務を遂行するが、過激な言動から甚大な被害をもたらすため疫病神扱いされている。主な武器は銃火器。
- 単行本6巻でイスカリオテ機関の先遣武装神父隊と共に本編に登場した。由美江がウォルターに殺された直後、大尉に頬を撃ち抜かれた挙句に応急処置キットを渡され、敗残兵扱いされた事に激怒し、由美江の仇を討つため、負傷した身のまま復讐に向かったが…。
- 高木由美子/由美江
- 単行本1~3巻に収録された短編『CROSS FIRE』に登場するシスター。大人しい“由美子”と、狂戦士の“由美江”の人格を持つ多重人格者として描かれている。メガネの有無でどちらの人格が目覚めているのかがわかる(メガネ無しが由美江)。単行本6巻でハインケルと並んで本編に登場した。『CROSS FIRE』では直毛だったが、『HELLSING』では癖毛に変わっている。島原抜刀流の使い手で、主な武器は長尺の日本刀。なお、技の名前はいずれも大戦中の日本の戦闘機の名前から来ている。
- イスカリオテ機関の先遣武装神父隊と共に本編に登場した。最期はアンデルセンの亡骸を踏み躙った“死神”ウォルターの行為に激昂し斬り掛かるも逆に鋼線で胴体を切断され死亡した。
- 武装神父隊
- 第二次ゼーレヴェ作戦によってロンドンに上陸したミレニアムの殲滅を目的としてヴァチカンより遣わされたイスカリオテ機関所属の神父達により構成された部隊。先遣部隊の統率者はアンデルセンであり、構成員の神父達は普通の人間である。神父服に身を纏い、両手には聖書と拳銃を持ち、聖句を詠唱しながらミレニアムの吸血鬼部隊と戦闘を繰り広げた。辛うじて吸血鬼部隊を殲滅するも、この戦いで構成員の過半数を失っている。その後アンデルセンがアーカードと戦う際、ヴァチカンを守る為に帰還を命じられているが、アンデルセンの窮地を救う為にハインケル、由美江らと共に戻り戦った。
- 尚、神父達の身体にはプラスチック爆弾が巻かれており、アーカードの「亡者の軍隊」との闘いの際には、自らの意思と判断でピンを抜いて亡者を巻き込んで爆死している。
[編集] ミレニアム
アドルフ・ヒトラーの命令により第三帝国(ナチス)の残党が南米に逃れて結成した「最後の大隊(ラスト・バタリオン)」。創設者はモンティナ・マックス少佐で構成員1000名。全員が吸血鬼である。世界を再び戦争の火で覆うために、吸血鬼部隊による第2次ゼーレヴェ(あしか)作戦を発動し、飛行船の旗艦デウス・ウキス・マキーネを駆って英国本土を再度空襲する。「ミレニアム」の名は「千年王国」「千年紀」の意味を持つ。
- 少佐 声:飛田展男
- ミレニアムの指揮者。「総統代行」とも呼ばれる、肥満体の小男。本名はモンティナ・マックスとされる。物語の半世紀前にナチスのもとで吸血鬼部隊を指揮した。部隊は一度アーカードと若き日のウォルターによって壊滅させられるが、南米に逃れ、「ミレニアム」を再編してヴェアヴォルフを筆頭とする吸血鬼部隊を指揮する。自身も吸血鬼であるらしく、60年前と比べてまったく老化が見られない。
- 名目上は、後から入り込んできたナチ残党の大佐らがミレニアムの上層部に就き、少佐はその下に従う立場であったが、のちに上官を粛清して少佐が名実ともにミレニアムの頂点の座に就いた。目的のために手段は選ばないという君主論を上げた上で、「手段のために目的は選ばない」と証するほどの戦争狂であり、最早その造作は狂気と狂喜の沙汰である。
- 「諸君 私は戦争が好きだ」に始まる大演説(16ページの連載のうち13ページを費やした)を行い、『HELLSING』の登場人物中において圧倒的な存在感を持つ。この演説は大人気を博し、合衆国大統領演説バージョンなど相当数のパロディが作られた。
- 吸血鬼でありながら射撃の腕はとてつもなく下手であり、運動能力的なものは高くないと思われる。
- 元々は『COYOTE』全編を通して登場する悪役キャラ。続編である『ANGEL DUST』では、サイボーグ化され長髪美形キャラとなって再登場している。
- ※モンティナ・マックスという名前は、4巻41P(背景の文字の中に名前が見られる)5巻表紙カバー裏側(挿絵の身分証に名前が書かれている)に出ているが本編では「少佐」「総統代行」等の名称でしか呼ばれていない。
- 大尉
- 常に少佐らの傍らにつき従う、寡黙で無表情な軍人。襟を立てた軍服と帽子が特徴。階級からいっても恐らくヴェアヴォルフの中でも上位にあると推定されるが、前半はほとんど行動をとることがなく、正体は伏せられていた。ミレニアムにおける最強戦力とされる。
- かつてアーカードとウォルターがミレニアム殲滅作戦に出た当時、若かりしウォルターと渡り合っている。その正体は正真正銘の人狼(ヴェアヴォルフ)である。サーベルと見紛うほどの長銃身を持つモーゼルM712(メーターモーゼル)が愛丁。
- ※平野耕太の過去作品『砂漠の用心棒』の登場人物から、ハンス・ギュンシュという名前であるとも推測される(4巻41P)が、本編では単に「大尉」としか呼ばれていない。
- 博士(ドク)
- ミレニアム所属のマッドサイエンティスト。本名は不詳。ナチス時代から吸血鬼製造に携わっており捕虜に対して人体実験を繰り返していた。当初は失敗作のグールしか作れなかったが、その後50年近い年月をかけて吸血鬼製造を実現させている。少佐に褒められるのが好きで、外伝では手料理(ザワークラウトや腸詰)を作って少佐をもてなしていた。
- 血塗れの白衣と多重レンズ付の眼鏡と言う外見は、1944年9月のワルシャワを描いた外伝『THE DAWN』登場時より老化が見られない。
- ※作中に名前は出てこないがモデルは『イカす総統天国』に登場したお抱え術士ベルクマンではないかと推測される
- ゾーリンブリッツ中尉
- 右半身に奇怪な紋様を刻んでおり、その力で幻術を使える。名前の由来は恐らく刃物の名産地ゾーリンゲンから。異様に巨大な鎌を持つ。死亡報告を聞いた少佐が「バカな小娘だ」と発言していることから、女性らしい。
- 第二次ゼーレヴェ作戦で斬り込み部隊を率い、セラスと激闘を繰り広げる。傭兵部隊を全滅させ、幻術を使用してセラスの心の傷を暴き戦意を削いだ上で左腕を鎌で切断。挙句、ベルナドットを殺害した。だが、ベルナドットを愚弄したことに怒り、彼の血を吸い真の吸血鬼として覚醒したセラスに壁で頭を磨り潰されて倒される(頭の一部が辛うじで残るくらいまで削られ、巻末のおまけページでは「死因はもみじおろし」と評されている)。独断で先行して兵を失ったため、最期には少佐たちからも見限られる。
- リップヴァーン・ウィンクル中尉
- 旧式のマスケット銃を必殺の武器とする眼鏡を掛けた女性ヴェアヴォルフ。ホーミング能力を持ち、対象に命中したのちも運動エネルギーを失わず、複数の獲物を仕留めることのできる呪力を持った魔弾を発射する。このため、少佐から直々にウェーバーの歌劇にもなったヨーロッパの伝説を元に「魔弾の射手」の称号を与えられた。
- 名前は、ドイツの伝説にあるリップ・ヴァン・ウィンクル伝説(ワシントン・アーヴィングの短編にもある。日本でいう『浦島太郎』にあたる)の主人公から取られた。
- 作中では英国の空母を乗っ取り、ハーケンクロイツを染め抜いた旗艦「アドラー」に仕立て上げるが、高高度高速度偵察機SR-71改を操り、狩りの魔王ザミエルの如く現れたアーカードに自身のマスケット銃を心臓に突き立てられて倒される(本来、刺せる物ではないが、アーカードが怪力で突き刺した)。外伝でアーカードと対峙した時もアーカードの棺桶に一蹴されている。
- なお、アーカードの拘束制御術式零号“死の河”開放時、トバルカインとともに亡者の一人として復活し、最後の大隊と十字軍を攻撃した。
- シュレディンガー准尉
- ヒトラーユーゲントを思わせる格好をした猫耳の少年。ヴェアヴォルフの一人で、頭を吹き飛ばされてもそのまま消え、何事もなかったかのように再登場する。「僕はどこにでもいて、どこにもいない」の科白にあるように、存在位置を確率的にしか決定できないという能力を持っていると推測される。少佐にも憎まれ口を叩く大胆さだが、大尉だけには弱い。
- 名前の由来は量子力学の基礎を築いた理論物理学者エルヴィン・シュレーディンガーであるが、直接には彼の提唱したシュレーディンガーの猫のパラドックスを応用して、「不確定性原理によって半死半生の猫→生死を超越した存在」と解釈したものであろう。猫にシュレディンガーの名を冠して特異能力を持たせる類例は、他作品でも多数見られる。
- トバルカイン・アルハンブラ
- 「伊達男」の異名をとる吸血鬼。4巻末のキャラクター説明によると、階級は中尉らしい(ただ、ネタと電波で構成された巻末ページの情報を鵜呑みにしてもよいものか)。ペルシア的な風貌で、無限枚数のトランプ(カード)を武器とする。カードでアーカードを切り刻むものの、結果は惨敗。アーカードに「血」から情報を引き出された挙句、体内の機械によって燃え尽きた。
- 名前の「トバルカイン」は、旧約聖書に出てくる人物で、アダムから数えて七代目の子孫。鍛冶屋の先祖とされている。「アルハンブラ」は、スペインのグラナダにあるアルハンブラ宮殿にちなんだものか。あるいは、『リップ・ヴァン・ウィンクル』を著したアーヴィングに『アルハンブラ物語』という紀行文学があることから、ここから取られた可能性もある。
- なお、アーカードの拘束制御術式零号“死の河”開放時、リップバーンとともに亡者の一人として劇中に復活し、最後の大隊と十字軍を攻撃した。
- 兄ルークと弟ヤンの吸血鬼兄弟。武装したグールの群れを率いてヘルシング機関本部を襲い、職員の殆どを殺害した。とことん外道で傍若無人な性格。兄弟共にミレニアムの監視下にある。ルークは一人でアーカードに挑むも拘束制御術式を開放したアーカードの黒犬獣の前になすすべなく喰われる。ヤンは情報を漏らして発火装置で灰と化すという自殺同然の最期をとげた。
- しかし作者のお気に入りらしく、巻末のおまけ漫画では主役を張っている。
- ルークはアーカードに喰われたが、“死の河”開放時に登場しなかったのは吸血による絶命ではなかったためと思われた。しかし、アワーズ12月号においてウォルターによって両断された黒犬獣の中から復活、再登場を果たした。ウォルターに身体中に鋼線を打ち込まれ、ルークを介して黒犬獣ごと「操り人形」と化したが、結局アーカードにとどめを刺されている。少佐からは「たしかバレンタイン兄弟の兄の方」くらいでしか覚えてもらえなかったらしい。
- 2007年1月号にて、ドクのセリフからルークの階級は「准尉」であったことが判明。
- 彼女
- 外伝であるTHE DAWNに登場。全身を隙間なく包帯で巻かれた上、ベルトや鎖などで雁字搦めに拘束されている。1944年9月のワルシャワにおいて、吸血鬼の人工製造機関の研究所に幽閉されている。少佐らは彼女をヒロインと称し、彼女を模倣する事で吸血鬼を作ろうとしている。
[編集] 用語集
- 吸血鬼
- 文字通り人の生き血をすする存在。『HELLSING』作中における吸血鬼の設定は、ほぼオリジナルに忠実で、不老不死の肉体と、普通の銃弾では死なない生命力、常人をはるかに凌駕する怪力を持つが、日光を浴びる事が出来ず、銀の弾丸や祝福された武器に弱く、流水に触れたりその上を越える事も出来ない。
- アーカードやヴェアヴォルフなどにとっては、日光や流水は致命的な弱点にはならず、そのような上位種はそれぞれに異なる超常の能力を持つ事がある。
- 作中において男の吸血鬼は「ドラクル」、女の吸血鬼は「ドラキュリーナ」と呼ばれる。処女・童貞が吸血鬼に血を吸われた場合は吸血鬼となる、と定義されている。
- ただし、ミレニアムの吸血鬼は、人為的な方法によるものであるため、例え血を吸った相手が処女・童貞であってもグールになってしまう。逆にミレニアムの手による吸血鬼化ならば、処女・童貞でなくとも吸血鬼になれる上、若返る事すら出来るらしい。
- グール
- アンデッド。リヴィングデッド。吸血鬼に血を吸われた者が、非処女・非童貞であった場合、人の死体を好んで喰らう食屍鬼となる。ゾンビに近い。
- 1944年9月における少佐らによる人工吸血鬼製造の研究は、このグールを人為的に製造するところまで進んでおり、これを組織的に投入する事で戦線を混乱させようとした。
- ヴェアヴォルフ
- 「狼男」を意味するウェアウルフ/ワーウルフのドイツ語読み。バルカン半島のあたりに伝わる伝説の狼男で、しばしばヴァンパイアと同一視される。本作においては、吸血鬼の中でも特別な能力を持った、ミレニアムの幹部連を指す。
- その能力は生体改造の所産であるとされるが、大尉は改造前から人狼であり、またリップバーンの"魔弾"は吸血鬼化する前から備わっていた可能性があるなど、必ずしも人為的な能力とは限らない。
- 元々は大尉一人にのみ使われる名称であった事が『THE DAWN』にて語られている。
- 第二次世界大戦時の1945年、敗色濃いドイツにおいて、SS将校ブリュッツマンが「狼人部隊」ヴェアヴォルフとして、ヒトラーユーゲントの少年などをよせ集めて戦闘や工作に動員し、成果を過大に宣伝したという史実がある。
- 拘束制御術式
- 「クロムウェル」という当て字が振られる。複数の段階に分けてアーカードに施されている能力抑制・制御のための封印。これを開放すると(「××のための限定使用開始」という詠唱がある)アーカードは複数の眼や腕を持ち蝙蝠や狼に姿を変える不定形の姿となる。リップヴァーンウィンクル戦では航空機、更に彼女を倒した後は空母と同化するなど、その能力は幅広い。第3号・第2号・第1号、更に零号の四段階の封印がある。
- 契約者であるインテグラの認証を受け、拘束制御術式零号(劇中では“死の河”と呼ばれる)を開放されると、これまでにアーカードが血を吸った相手が死人として(そしてアーカードの下僕として)召還される。その数はロンドンの街中を埋め尽くすほどである。それと同時にアーカードは人間だった頃の姿となる。しかしそれは同時に無限に近い蘇生力を使いきってしまい、その時だけカテゴリーAクラスのヴァンパイア=「ただ一人のドラキュラ」となってしまい、倒される確率が高くなるというリスクを負う事にもなる。
- .454カスール
- アーカード専用装備の拳銃。銃自体に名前はつけられていない。
- 全長約39cm、重量4kg。形状はジャッカルとほぼ同じ。ランチェスター大聖堂の銀十字を鋳溶かして作った.454カスール(13mm)爆裂徹鋼弾を使用。モルゲンクルノデウム鉄鋼で作られており、硬くて頑丈。ジャッカルが登場する以前から使っており、ジャッカル登場後は二挺拳銃として併用する。場面によってはジャッカルより目立っている。
- グール程度なら一発で破壊する(人間も当然一撃)という凄まじい威力を誇るが、アンデルセン神父に対しては些か威力不足だったと見え、後にジャッカルが作られる事になる。
- ジャッカル
- アーカード専用装備の拳銃。正式名称は対化物戦闘用13mm拳銃ジャッカル。
- 全長39cm、重量16kg。装弾数6発。純銀製マケドニウム加工弾殻に法儀式済み水銀弾頭、装薬にマーベルス化学薬筒NNA9を用いた専用の13mm炸裂徹鋼弾を使用する。ウォルターがアーカード用にオーダメイドした物で、もはや人類には扱えない代物。銃身に「Jesus Christ is in Heaven now」と刻まれている。「アンデルセンを倒す為に創った銃」という理由でウォルターが製作時に爆弾を仕掛けていたらしく、アンデルセンを倒した後、ウォルターとの戦闘中に博士の遠隔操作によって爆破される。
- ハルコンネンと同じくジャッカルの精が宿っており、語尾に「ウィリス」を付けて喋る。なお、頭髪が薄くサングラスをかけた顔はジャッカルに、タンクトップにパンツ、裸足という扮装はダイ・ハードに出演した際のブルース・ウィリスが元ネタであろう。
- カスールとは段違いの威力を誇るが、実は使用弾薬の口径自体はカスールと同じである。
- 20mm改造対戦車ライフル
- セラスが初期に使っていた武器。一見すると木製銃床を備えた普通のストックだが、口径20mmの対戦車ライフル弾を使用する。マガジンは箱型のものが標準だが、トバルカイン戦ではドラムマガジンを使用した。ハルコンネンIIの登場後、侵入した吸血鬼の口に銃口を突っ込んで以降は使われていない。
- ハルコンネン
- ハルコンネンII
- 正式名称は局点防衛用長々距離砲撃戦装備ハルコンネンII。
- 30mmセミオートカノン(Semi-auto cannon9)二門に砲弾補給用の巨大なコンテナボックスを繋ぎ合わせた物。射程距離4km、総重量345kgでありながら、人が持ち運び座ったまま使用するように出来ており、コンテナは背負えるようになっている他、「広域立体制圧用爆裂焼夷擲弾弾筒ウラディミール」を発射可能である。この巨大な焼夷擲弾は、作中では一斉射でミレニアムのヒンデンブルク級飛行船「グラーフ・ツェペリン2」を撃墜した。
- 弾倉部分であるコンテナを取り外し、ベルト給弾式にして運用する事が出来る。また、銃身には「VLadimir HALLCONNEN」(ウラディミール・ハルコンネン)と刻まれている。
- 外観は、『機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー』に登場するデンドロビウム(アームドベース・オーキス)をモチーフにしたもの。平野耕太自身も調子に乗りすぎたと発言している。
- 無論人が扱えるサイズ・重量ではなく、人外の体力を持つ吸血鬼セラス・ヴィクトリア専用の武器である。
- なお、後書きよりこれらの銃については「『100万発入りの宇宙銃(コスモガン)』なので細かいこと(弾が切れない、ディテールがおかしいなど)は気にしてはいけない」とのこと。
[編集] 単行本
平野耕太著、少年画報社刊
- 第1巻 :1998年 11月1日初版発行ISBN 4-7859-1870-5
- 第2巻 :2000年 1月15日初版発行ISBN 4-7859-1958-2
- 第3巻 :2001年 1月15日初版発行ISBN 4-7859-2047-5
- 第4巻 :2001年 11月1日初版発行ISBN 4-7859-2125-0
- 第5巻 :2003年 4月1日初版発行ISBN 4-7859-2286-9
- 第6巻 :2003年12月15日初版発行ISBN 4-7859-2373-3
- 第7巻 :2005年2月1日初版発行ISBN 4-7859-2499-3
- 第8巻 :2006年9月1日初版発行ISBN 4-7859-2666-X
[編集] 補足
第二巻以降にはカバーを外すと全く内容と関係無いオマケ絵がある。トライガンからの影響で両者影響しあっている。その他、ビー・バップ・ハイスクール、機動戦士ガンダム、鋼の錬金術師、マスターキートンなどが表のネタになっている。裏はオタクとなった少佐、ドク、大尉の三人がコミケ会場に突入したり、フィギュアを改造したりといった傍若無人振りを発揮している
[編集] 収録されている各話のサブタイトル
括弧入り数字は正確には丸付き数字。
(単行本第1巻収録)
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(単行本第2巻収録)
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(単行本第3巻収録)
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(単行本第4巻収録)
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(単行本第5巻収録)
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(単行本第6巻収録)
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(単行本第7巻収録)
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(単行本第8巻収録)
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[編集] 外国語版
『HELLSING』は諸外国語にも翻訳されており、英語版やドイツ語版等がある。本作は、主人公一団がナチスの残党と闘うストーリー故、翻訳に当たっては国毎に様々な配慮が成されている。
[編集] 英語版
英語版では、原典に忠実に翻訳を行っており、ハーケンクロイツ等も殆どオリジナルのまま残しているが、作者本人の「ナチス好き」発言に付いては、「ジョーク」等の説明が加えられている。
[編集] ドイツ語版
ナチスの過去を持つドイツでは、ハーケンクロイツは別のマークに置き換えられている。「諸君 私は戦争が好きだ」で始まる少佐の大演説は"ICH LIEBE DEN KRIEG"と全文を忠実に翻訳している。
[編集] 中国語版
[編集] アニメ
[編集] テレビ版
2001年10月18日よりフジテレビ、11月より東海テレビで放送され、関西地区は関西テレビではなく独立UHF局のサンテレビで放送。制作はGONZO(ゴンゾ)およびディジメーション(制作当時は同一資本下の別会社で企画部門がゴンゾ、制作部門がディジメーションだった。後に両社合併しGONZOへ社名変更)で全13話。
先行発売されたプレビュー版DVDには少佐とみられる手の描写があったが、アニメ版は海外にも輸出・配給される事から、原作漫画にあるナチス関連の描写は排され、オリジナルの脚本に差し替えられている。脚本は原作の流れを大まかに沿ってはいるが、アンデルセン神父と初戦でアーカードが敗北したり、アーカードやアンデルセン神父が簡単に怯む場面があったり、話の大きなポイントでもあるセラスの人血の飲むシーンも序盤にあっさりと輸血用血液を飲んでいたりと、原作のイメージとはかけ離れている。この為一部の原作読者からは不評を買い、原作者平野耕太も『ヤングキングアワーズ』の目次コメントでアニメとスタッフに対して意に満たない旨の記述が見られた。
- スタッフ
- 原作:平野耕太(少年画報社刊「月刊YOUNG KING OURs」連載)
- エグゼクティブプロデューサー:熊澤芳紀(パイオニアLDC、現・ジェネオンエンタテインメント)、村濱章司 (ゴンゾ・ディジメーション・ホールディングス、現・GDH)、小林洋輔、後藤秀樹(パイオニアLDC/USA、現・ジェネオンエンタテインメントUSA)
- 企画:春名剛生(フジテレビ)、川村明廣(パイオニアLDC)、梶田浩司 (ディジメーション、現・GONZO)
- シリーズ構成:小中千昭
- キャラクターデザイン:村田俊治
- メカニックデザイン:河野悦隆
- 美術監督:片平真司
- 色彩設計:甲斐けいこ
- 撮影監督:武山篤
- 編集:重村建吾、村中龍太
- 音楽:石井妥師
- 音響監督:鶴岡陽太
- アニメーション制作プロデューサー:石川学、坂上貴彦(ディジメーション)
- プロデューサー:川上大輔(フジテレビ)、植田康之(ジェネオンエンタテインメント)、石川真一郎(GONZO)
- 総監督:飯田馬之介
- 監督:浦田保則
- アニメーション制作:GONZO/Digimation
- 製作:王立国教騎士団(Hellsing製作委員会:フジテレビ、ジェネオンエンタテインメント、GONZO)
フジテレビ 木曜26時後半枠 | ||
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前番組 | HELLSING | 次番組 |
パチスロ貴族 銀 | Kanon(アニメ第1作) |
[編集] OVA版
幾度かの延期を経て、2006年2月に「原作そのまま」かつ「原作が終わるまでOVAをリリース」かつ「(アンデルセン神父以外の)主要キャストはアニメそのまま」を謳い文句に「ミレニアム」の章を取り扱うOVA版の製作が決定している。タイトルは"Hellsing Ultimate OVA Series"。アニメ制作は新たにサテライトが担当する事となった。
公式サイトにはアンデルセンの声優が替わった事を知らせる為に(恐らくはネタで)「見敵必殺 強力若本 Brand new Alexander Anderson」とトップに大々的に記されていた。
なお本作は、品質をかなり重視している為、一巻(リテイクした)及び二巻はそれぞれ当初の予定日より発売が延期された。
- スタッフ
- 監督:ところともかず
- 副監督:殿勝秀樹
- 脚本:黒田洋介、倉田英之
- キャラクターデザイン/総作画監督:中森良治
- メカニックデザイン:天神英貴
- プロダクションデザイン:神宮寺訓之
- 音響監督:鶴岡陽太
- 音楽:松尾早人
- プロデューサー:上田耕行
- 制作:サテライト、ジェネオンエンタテインメント
2006年1月22日にはテレビ神奈川で第1話のダイジェスト版(30分用に編集したもの)が放送された。
[編集] OST (original soundtrack)
[編集] Ruins
- 世界最終黎明期
- 葉隠れの和声
- SKY OF GOD MASTER
- 罪作りな憎いヤツ
- SOUL救命隊
- I.B.C.J.包囲網
- 死傷ヶ丘での銃劇戦
- 精神警察捜査課の裏事情
- 原色ジバクラヴソング
- シークレット カルマ セレナーデ
- 桔梗薫るイロハ道
- 真理響
- ねつ造されたBACK GROUND
- 原点回顧 RYTHM NATION
- 真夜中の暗殺者
- ロゴスなきワールド~マルコムXに捧ぐ~
- 罪減ぼしジプシー
- さらばボンコツWORLD
- 666より777
- 大麻の煙が目にしみる
- 鳴呼,青春のエロ魔界
- 予期せぬ出来事
[編集] Raid
- ロゴスなきワールド
- 莫迦越えのニルバーナ~恨みなき厳禁~
- 楽音遊戯 拈華微笑
- 必勝 妙法蓮華曲
- 神々への供養~勝手にやらせてもらいます~
- 官能的誘惑の罠にはまった左足
- ドラキュラ聖徒とR&R
- P.S.南無阿弥陀仏
- カオスの海~創造主の思惑~
- 原罪~処女を守りぬけないがために~
- 大聖堂の菩薩~Featuring 田部井辰雄~
- 仮面神父とチャペルの鐘
- 悪魔の仕業か神業か
- 死成の無垢
- 不誠実な道の上でのサバイバル
- 漠源ドラムの嘆き
- 生(盛)者への鎮魂曲
- 非神経症的捨て曲~オマエライツタイナンナンダ?
- 戦争するなら弓,槍,剣で戦え!
- SHINE(ending edit)(MR.BIG)
[編集] 外部リンク
- アニメ公式サイト・日本語
- アニメ公式サイト・英語
- Encyclopedia "HELLSING"(ヘルシング用語辞典)
- ヘルシング中の聖句