鬼切丸
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鬼切丸 | |
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ジャンル | 少年漫画 |
漫画 | |
作者 | 楠桂 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー増刊号 |
連載期間 | 1992年 - 2001年 |
巻数 | 20冊 |
『鬼切丸』(オニキリマル)は、楠桂の少年漫画作品。1992年から2001年まで「週刊少年サンデー増刊号」で連載されていた。コミックスは少年サンデーコミックスより全20巻出ており、2006年11月より文庫が出版される予定である。
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注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
鬼の屍から産まれた名前を持たない少年は、鬼切丸と呼ばれる日本刀を携えて鬼を斬り続ける。全ての鬼を斬り殺せば人間になれると信じて…。
[編集] 登場人物
- 鬼切丸の少年
- 鬼切丸という刀を携え、全ての鬼を斬り殺せば人間になれると信じ、同族殺しと責められながらも鬼を斬り続ける少年。その外見は高校生くらいの少年であり、現代では学ランに身を包んでいる。昔もそれぞれの時代に合わせた衣装を着ていた。N県の鬼鳴里村(きなさむら)で角を持たずに産まれてきた。戦国時代に目覚めたとされるが、正確な誕生時期は不明。鬼に対して容赦は無く、鬼切丸で塵に返すが、自身の境遇からも鬼の悲哀をよく理解している。
- 後藤紗英(ごとう さえ)
- 自称心霊ルポライター。登場当初はフリーだったが、後半は雑誌社に所属していた。鬼に関する怪奇現象を追う中で鬼切丸の少年と出会い、彼と信頼関係で結ばれていく。物語の途中で鬼切丸に斬られ、それ以来鬼の刃が届きにくい身体となった。
- 結城七郎(ゆうき しちろう)
- 戦国時代の結城影継(かげつぐ)に端を発する結城一族の嫡男。結城一族の他の男がそうであったように一七歳の誕生日を迎えた後、「鬼おとし」の能力を授かる。その忌まわしい能力のために自分を見失い数多くの女性を鬼に落とすが、自らの呪われた血を断つために炎の中で眠る。だがその後、裏僧枷の寂影に傀儡にされてしまい、自らの意志に反して鬼おとしをし続けた。
- 良子(りょうこ)
- 明治時代に鬼切丸の少年が出逢った少女。伊秋院家にメイドとして雇われていた。憎しみや妬みを持たない無垢な少女であり、それ故に鬼を受け容れてしまう。鬼切丸の少年との出会いは短かったが、会話の中でお互いの中に似たものを感じ取っていた。鬼切丸の少年は彼女のことが印象に残っており、鬼魅香に誘惑された際も彼女のことを思い出していた。
- 覚丹(かくたん)
- 明治時代から現代まで活躍した、鬼をも調伏すると言われてきた偉大な法力僧。明治中頃に鬼切丸の少年と出会っており、その出会いに大きな意味を感じていた。彼に名前をつけて呼んだ恐らく唯一の人物であり、最後は彼に看取られて逝く。
[編集] 裏僧枷
- 幻雄(げんゆう)
- 裏僧枷の一人。外見は20代後半の男性。不動明王呪を使用する。現代社会にとけ込んだ服装をしており、僧具は身につけていない。拳銃を持ち、不動明王を表す梵字が刻まれた弾丸を撃ち鬼を調伏する。鬼を追う中で後藤紗英と出会い、後に同居する。
- 寂影(じゃくえい)
- 裏僧枷唯一の女性。軍茶利明王呪を使用する。裏僧枷になった直後、他の修行僧から命を狙われた際に弟・聖行を殺されており、激しい憎悪を持っている。物語後半では結城七郎を傀儡とし、鬼を作っては食べる自給自足の狩りを行っていた。
- 宗賢(しゅうけん)
- 金剛夜叉明王呪を使用する。寂影と行動を共にし鬼を食らって生きてきたが、心底では自分を止めてくれる鬼切丸を待ち望んでいた。
- 聖行(じょうあん)
- 大威徳明王呪を使用する。寂影の弟。裏僧枷になった直後、仲間であったはずの僧枷に殺される。
- 哲童(てつどう)
- 降三世明王呪を使用する。裏僧枷になった後、絶望から自殺を試みたが死ねず、激しい生への執着から鬼よりも醜悪でありながら鬼ではない異形の生物となった。
[編集] 鬼
- 鈴鹿御前(すずかごぜん)
- 奥州の鬼・悪路王の妻であり、後に坂上田村麻呂の妻となった鈴鹿御前本人(生まれ変わりではない)。人間としての名前は「小山内鈴香」(おさないすずか)。経緯は不明だが、人間の生活を愛したために鬼としての記憶を封印し、女子高生として生活を送っていた。復活を目論む悪路王に家族を殺されるが、鬼切丸の少年のおかげで記憶を取り戻す。
- 鬼の絶対加護を持ち、常に影の中には強力な鬼が控えており守護者となる。一般の鬼では彼女を傷つけることは出来ない。大通連(だいつうれん)と呼ばれる日本刀を出すことが出来、それを武器として使う。
- 鬼魅香(きみか)
- 他人の美しさを妬む感情から産まれた、とても美しい鬼。男女を魅了する美しさを持つが、髪の中には醜い鬼の顔がある。
[編集] 用語
[編集] 鬼切丸
鬼切丸の少年のことを指す場合もあるが、通常は少年が持つ日本刀を指す。少年と共に誕生し、少年の角であり一心同体である。鬼の天敵であり、これで斬られた鬼は塵となる。特殊な力を備えており、人間の目の前で鞘に入れることで、その人間が一時的に鬼を見えるようにすることが出来る。 歴史上では、酒呑童子を倒した四天王の一人である渡辺綱が持っていた刀としてその名が伝えられている。
[編集] 本作品における「鬼」
一般的に伝わる鬼と外見などは同様であるが、独自の要素が追加されている。
- 人間が激しい憎しみなどの感情を抱くと鬼になる。またそういった感情から、何らかの物質に鬼が宿ることもある。
- 人間は鬼になるが、鬼は人間にならない。但し人間から鬼になった場合、鬼切丸で斬ることで人間に戻ることもある。
- 鬼の雌は存在せず、人間の女性が鬼女となっても子を宿す能力はない。
- 鬼が人間の女性の体内に鬼を寄生させ、人間の魂や感情をエサに繁殖させることがある。この場合、人間が行う検査では兆候は発見できない。
- 供養されないままの死体は、8年が経過すると鬼になる。
- 人間に暗示をかけることが出来る。
[編集] 裏僧枷
鬼を調伏する修行を積んだ結果、人間ではないものに変化してしまった僧のこと。誕生時期は不明であるが、明治時代に既に誕生していたような言動もある。物語中では五人存在する。 裏僧枷は鬼を調伏すると、その鬼を勾玉に変化させ、その勾玉を食べることで浄化を行う。勾玉を食べなければ飢えに苦しむため、鬼を調伏して食らい続ける。その肉体は不老不死に近く、鬼を食べなくても飢えるだけで死にはしない。幻雄、寂影を見る限り、各自が何らかの方法で人間に暗示をかけることが出来ると思われる。
[編集] 鬼おとし
結城一族直系の男のみが持った能力。16歳になると能力が目覚める。業を持たない人間でも、女性ならば鬼におとすことが出来、そのようにして生まれた鬼は結城に服従する。
[編集] 鬼鳴里村
N県にある鬼発祥の地。「きなさむら」と読む。この土地は鬼気に満ちているため、鬼が死んでも死体として残り、鬼となった女が子どもを産むことが出来る。
[編集] アニメ
OVAが1994~5年にビデオとして発売された。1999年、同作品がDVDとして発売された。全4話。
[編集] キャスト
いずれも声の出演
- 鬼切丸の少年:草尾毅
(第一章 小角の章)
(第二章 大嶽丸の章)
(第三章 般若の章)
(第四章 怨鬼哀歌の章)
[編集] スタッフ
[編集] 作品リスト
- 第一章 小角の章
- 第二章 大嶽丸の章
- 第三章 般若の章
- 第四章 怨鬼哀歌の章