高宗 (宋)
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高宗（こうそう、1107年－1187年、在位は1127年－1162年、趙構）は、南宋の初代皇帝で、北宋の第八代皇帝であった徽宗の九男。実子に趙敷（元懿太子）がいたが、彼は嗣子が無いまま父よりも先立ったという。生母は韋氏。正妻は初めは邢氏。後に呉氏。
北宋時代には康王に叙され、1126年には大元帥にまで抜擢されている。
翌1127年の金軍の侵攻により、父の徽宗と長兄の欽宗、そして愛妻の邢氏が拉致される靖康の変という事変が起きると、彼は南京に逃れた。その上、かつては哲宗の皇后で、皇帝の不興を買って地位を剥奪されて尼となっていたため無事であった孟氏を担ぎ出し、その指名という大義名分を得て皇帝として即位した。これが、南宋の起源である。しかし、この即位に対しては一部の重臣などからは正当性に疑問を持たれて、反乱を起こされることもあったといわれている。また、兄の欽宗を金側が帰国させようと申し出て来た時も、高宗はその正当性が危ぶまれることを恐れて、欽宗の帰国は許さなかったという。一方、彼は愛する邢氏の帰還を誰よりも気長に待ったという。だが邢氏は五国城で病没して、高宗を落胆させたという。後に呉氏を皇后に立てたという。
このような経緯から、即位してからも高宗の基盤は安定せず、内は即位に反対する重臣の反乱、外は金の南下などの内憂外患に苦しめられた。そのため1132年まで各地を転々とした上で、ようやく首都を臨安に定めて体制を固めたのである。
高宗は金軍の南下を恐れ、どちらかというと和平を推進している人物であった。このため1138年、和平派の頭領であった秦檜が宰相となり、同年のうちに金と和睦条約を締結することになったのである。このため主戦派である岳飛と秦檜は対立することとなり、1141年にこの抗争に敗れた岳飛は秦檜によって処刑された。その後は金と再び和睦条約を結ぶ一方で、江南の開発が進められた。
1162年、息子の元懿太子を失っていた帝には嗣子が無かったため、族子（=おい、一族の子）である孝宗を養子にして、譲位して自ら上皇となった。その後、二十余年も長生きして81歳で天寿を全うしたという。
