長野久義

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長野　久義（ちょうの　ひさよし、1984年 12月6日）はホンダに入団予定の外野手。右投右打。身長178㎝、体重83㎏。

[編集] 経歴

佐賀県三養基郡基山町出身。小学１年の時に基山バッファローズに入団。6年生の時に主将を務める。筑陽学園高等学校卒業。高校時代は平成14年の春季九州地区高校野球大会ベスト4進出が最高。卒業後、東都大学野球連盟に所属する日本大学へ進学。

高校時代から安定感よりはツボにはまった時のパンチ力に魅力があったバッターで、大学2年生までは三塁手だった。打撃力を生かすため（守備負担の軽減も兼ねている）3年生の春季1部リーグ戦から外野手に転向。転向初年度の平成17年度春季1部リーグ戦は34打数 6安打 7打点 1本塁打の.176と精彩を欠き、秋季1部リーグ戦は出場試合数5と激減し、16打数 5安打 3打点 0本塁打の.313^[1]と、転向の効果はなかったかと思いきや、翌シーズンに大爆発。春季1部リーグ戦では47打数 23安打 9打点 2本塁打の.489で初の首位打者とベストナイン（満票で選出）を獲得。秋季1部リーグ戦でも52打数 21安打 12打点 5本塁打の.404で連続首位打者およびベストナイン（満票で選出）を獲得した。もとより肩の強さ・足の速さも兼ね備えており、打撃で結果を残したことにより、一躍プロの注目を浴びることとなった。

注

↑ 東都大学野球連盟平成17年度秋季1部リーグ戦：対駒澤大学1回戦のみ個人成績が確認できなかったため、確認できるものだけで集計している。

ただし、選手としての評価は決して高評価とはいえない。平成18年度は春秋連続首位打者とはいえ、実績を残しているのはこの1シーズンのみ。守備も外野手転向2年目ということで課題も残している。また、個人としては連続首位打者として成長を見せた秋季1部リーグ戦ではあったが、主将として束ねたチームは最下位に沈み、入替戦では専修大学に破れて19シーズン振りの2部降格。自身も8打数0安打と全く精彩を欠いてしまった（もっとも、秋季は投手陣が打ち込まれ過ぎたことが最下位となった原因であること、入替戦は打撃陣が全体的に不調だったことは加味しておくべきだろう）。加えて2006年大学･社会人ドラフト会議で日本ハムに4巡目指名された際の本人及び日大野球部監督の対応の不味さ（後述）が、彼の選手としての評価に影を落としている感は否めない（問題の多くは監督にあると思われるが）。本人は巨人入りを熱望し、態度を保留していたが、巨人入りの意思が固く日本ハムの入団を拒否し、ホンダ入りが決定した。

[編集] 2006年ドラフト会議での対応

[編集] ドラフト会議前

元々長野は将来の右の大砲候補として巨人が大学2年の時より注目していた。しかし長野がドラフト指名対象となった2006年のドラフト会議では、巨人はチーム事情から希望枠及び3巡目では投手を指名する事となり、仮に長野を指名する場合3巡目以降の指名が濃厚とされていた。

一方日本ハムは長野への着目は巨人より遅れるものの、直前の編成会議では亜細亜大・糸数、シダックス・森福とともに3・4巡目指名の候補としてリストに残しドラフト会議に挑むこととなった。

長野側は大学2年より目を着けてくれていた巨人を意中の球団とし、「意中の球団以外なら社会人行き」の意思を表明していた。

[編集] 日本ハムが4巡目指名

ドラフト会議では4巡目、逆ウエーバー順で巨人より先に指名できる日本ハムが長野を指名した。長野とともに3・4巡目指名の候補となっていた糸数は日本ハムが3巡目で指名、森福はソフトバンクが4巡目で指名した。

この指名を受けて長野は「頭が真っ白。（日本ハム入団は）考えていない」とコメント。続いて日大野球部の鈴木監督が「（前日及び当日朝までに）指名の挨拶がなかった。指名後に連絡を取ろうとしたが携帯電話の電源が入っていない。着信拒否された」と言った上で「長野は日本ハムが嫌いだった（日本一嫌い発言）」と長野本人の拒否反応を伝えると「一切会わない」と入団はおろか交渉の席に着かない意思を表明した。

当日夜、日本ハムスカウト陣が日大野球部寮を訪問するも面会すら叶わなかった。

[編集] 日本一嫌い発言を受けて日本ハム側の反論

長野側の日本一嫌い発言を受けて日本ハム側は真っ向から反論。指名の挨拶は日大・鈴木監督が「前日も当日も一切ない」と言ったのに対し「前日にマスコミに発表した、とし、着信拒否の件も編成担当全ての携帯電話を調べた上で該当する時刻に電源が切れていた携帯はなく、該当する着信履歴も一切ないと鈴木監督の発言を否定。また、鈴木監督はドラフト指名順が3巡目と4巡目の折り返しで日本ハムが連続指名できたことに触れ「どうして3巡目ではなく4巡目なのか、誠意が感じられない」と発言していたがこれに対しても「3と4でも差はない」と評価に差がないことを強調した。

[編集] 長野の姿勢の軟化と監督の謝罪

ドラフト会議から2日後のアジア大会日本代表の合宿では一転して態度は軟化。報道陣の問いに「（日本ハムは）ファンと一体になっている良い球団。評価してもらってとても感謝している」と入団に前向きとも取れる発言をした。

これを受けて日本ハム側は「まだ分からないが、来てくれたらありがたい」とコメントし、12月5日に予定する新人選手入団会見も回答期限とはせずに粘り強く交渉を継続していく事を再度表明した。

そして当初怒り心頭だった日大・鈴木監督も長野と面談し、長野の意思を尊重した上でアジア大会終了後の12月10日に日本ハムとの入団交渉の席に着くことを確認した。また、当初長野本人が「日本ハムが一番嫌い」と言ったことについても鈴木監督が「とっさの事で言葉が浮かばず、つい口走ってしまった。長野本人は言っていない」と前言を撤回。日本ハムにも謝罪してドラフト会議以来一連の騒動はひとまず収束することになった。