鍾ヨウ
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鍾繇（しょうよう、151年－230年）は、魏の政治家・書家。字は元常。豫州・穎川郡長社県（現在の河南省許昌周辺）の出身。鍾皓の曾孫、鍾迪の孫、鍾演（演義では“鍾進”）の兄で名門出だった。先祖は楚漢戦争で項羽の右腕と言われた鍾離昧だと言われている。曹操の下で雍州の内政と治安の維持に当たった。書家としても、巧みな小楷の書法でその名を残している。
[編集] 略歴･人物
最初は後漢の朝臣として皇帝に仕えていたが、献帝が曹操の庇護を受けるようになると、同郷であった荀彧の推薦で曹操に仕えるようになる。その後は長安方面の統治や治安など、内政面において張既と共に大いに功績を挙げ、魏の相国（宰相）にまで昇進した。219年の魏諷の反乱に際しては、彼が仕官する際に推挙したのが鍾繇であったことから、連座となって一時免職された。曹丕の皇帝就任後に太尉として復帰した。 だが、離縁した妻と復縁することを曹丕に命じられ、憤激して自害しようと山椒を目一杯喰らって咽喉に支障を来し、口が利けなくなったと言われている。
『演義』では、馬超の侵攻から長安の守備を務めつつも破られ、弟の鍾進（正史では鍾演）が龐悳に討たれる。また、曹叡に先に左遷された司馬懿の登用するように進言するなど、有能な参謀として描かれている。
後に魏の末期に活躍した長男の鍾毓・末子の鍾会がいる。また、郭援（袁尚の武将）は甥（姉の子）である。
鍾繇は隷書と行書に巧みであった。楷書が特に有名であるが、三国時代には楷書という言葉がなく、後世の書家によって楷書に当てはめられたものであり、隷書と楷書の中間のような書体である。これを「鍾繇体（しょうようたい）」という。鍾繇の楷書は、書聖王羲之をはじめ非常に多くの書家が学んでおり、現代でもよく学ばれている。
