酸ヶ湯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

酸ヶ湯（すかゆ）は、青森県青森市（旧国陸奥国）南部にある八甲田山系の火山起源の温泉。湯はその名の通り強い酸性を示す。すかゆは鹿湯（しかゆ）が変化したもの。

酸ヶ湯温泉
泉質	酸性硫黄泉
主な効能	神経痛、リューマチ、冷え性、胃腸病、婦人病、皮膚病

[編集] アクセス

鉄道：東北本線青森駅からJRバス東北十和田北線で約1時間。

[編集] 泉質

酸性硫黄泉（含石膏、酸性硫化水素泉）

[編集] 温泉宿

酸ヶ湯温泉旅館（2006年10月）

八甲田山中の一軒宿であるが、豊富な湯量と各種効能から宿泊客が多いこともあり、宿の規模は大きい。またその効能から湯治客も多く、一般客向け以外に湯治用宿泊棟が設けられている。

名物は千人風呂。総ヒバ造りの体育館のような巨大な建物で、大きな浴槽2つ（高温の「熱の湯」、ややぬるめの「四分六分の湯」）と打たせ湯がある。脱衣所は男女別だが中は混浴。ただしまったくの混浴というわけではなく、大浴槽は中央半分に目印があり、そこで男女が区切られている。四分六分の湯は飲用可能で飲むとレモン水のような味がする(注：2005年10月現在、飲用の猪口等撤去された模様)。八甲田登山の帰りに立ち寄る登山客も多い。近辺は奥入瀬から続く紅葉の名所。

アメダスが設置されており、日本の中では気温の上がりにくい場所である。また、2005年 3月4日には、観測史上最高の積雪・501cmを記録。2005年 4月1日現在、観測を行っている全アメダス観測所の中でももっとも多い積雪である。積雪の多い年は、6月上旬頃まで雪が残ることがある。

過去、夏期にも30℃の真夏日を観測したことがない。最高気温の極値は、2000年 7月31日に観測された28.9℃である。

[編集] 歴史

江戸時代前期の1684年（貞享元年）の開湯と伝承される。非常な山奥にもかかわらず、古くから湯治場として訪れる者が多かった。

1954年（昭和29年）、四万温泉、日光湯元温泉と共に国民保養温泉地第一号に指定されている。

一軒宿は前述の混浴の千人風呂が有名であるが、混浴マナーの低下から、女性客の苦情が多くなり、2004年6月には目印の辺りに間仕切りが設置された。しかし今度は間仕切りに対する苦情が増え、同年10月に撤去。その後、2005年4月に常連客が中心となって「混浴を守る会」が発足、三浦敬三が男性側の代表に就任した。一軒宿の中に看板を設置するなど、混浴マナーの維持活動が行われている。