郵便趣味

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

改名：この記事のタイトルを、「郵趣」に変更することが提案されています。詳しくはこの項目のノートをご覧ください。

郵便趣味(ゆうびんしゅみ)とは、郵便を対象とした趣味の総称。

[編集] 分野

切手収集

通信販売によって自宅で収集する人が多数存在している。また、趣味の範囲も日本国内の切手から世界各地の切手まで様々である。詳しくは切手収集を参照。

消印収集

世界各地の郵便事業で使用されている消印を収集する趣味である。風景印に特化した人もいる。また、郵便だけではなく、定額小為替などの消印（為替印）を収集するケースもある。

なお、切手および消印は自宅で収集することも可能であるが（郵頼）、日本各地の郵便局を実際に訪問して切手や消印を収集する人もいる。実地に郵便局を訪問することを郵便局巡りと呼ぶ。

[編集] ファンの存在と民営化後への懸念

郵便局に関しては、多様な趣味が存在する。郵便業務については切手収集、葉書収集、消印収集(記念印や風景印など)、貯金業務については旅行貯金やそれから派生した郵貯ラリー、タカラ印収集などがあり、郵便局訪問自体を目的とした郵便局巡りも含まれる。郵便業務関連の趣味を「郵便趣味(郵趣)」と総称したりもする。

これら趣味に身を置く郵便局ファンの多くは、当然ながら郵便局に愛着を抱いており、強硬に郵政民営化を推し進める小泉純一郎首相(当時)に反発を覚える者も少なくない。なおこれら意見はどちらかと言えば政治的次元とは別の心情的なもので、「政策そのものは納得がいくものの、あの強引さは我慢ならない」と語るファンもいる。郵便局そのものは国家的機関だが、全国で約24,000局という高い普及度から地方での風物詩と捉えられることもあり、強硬な政策と局数削減への懸念から「地方文化の破壊」と映るのであろう。

ファン以前に、高齢化の進んだ地域や銀行が支店を設置していない地域などでは、郵便局は貴重な金融機関として地元で親しまれている。それだけに、これら地元では「いざ民営化になったら、前言を翻して局削減を断行するのではないか」との住民の不安は尽きないようだ。実際、簡易郵便局では「民営化になれば閉局する」としている局もある。

前述したブーム自体を「郵便局のイメージ戦略」と指摘する声もあるが(特に郵貯ラリーにはその声が高い)、1980年前後に貯金業務がオンライン局とオフライン局で混在していた頃、旅行貯金したにも拘らず郵便局名のゴム印押印を拒否されたとの証言もあり、必ずしも郵便局側が一貫してファンに協力的だったとは言えない。