遊☆戯☆王
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『遊☆戯☆王』(ゆうぎおう)は、週刊少年ジャンプ(集英社刊)に連載(1996年~2004年)された高橋和希による少年漫画作品、もしくは、それに基づいたテレビアニメ作品を指す。単行本は全38巻。英語版表記は「Yu-Gi-Oh!」。
目次 |
[編集] あらすじ
いじめられっ子のひ弱な少年・武藤遊戯が、祖父から貰った、千年パズルと呼ばれる誰も解いたことのないパズルを遂に解いた。そのとき彼は闇遊戯と呼ばれる大胆不敵なもう一つの人格と、あらゆるゲーム(遊戯)のスペシャリストという技能を手に入れ、世の中にはびこる悪を、負ければ精神破壊等の恐ろしい罰ゲームが待っている過激なゲームを駆使して退治していく闇の番人となった。だが、海馬瀬人ら宿敵達とのカードバトルマジック&ウィザーズ対決を経るうちに、闇遊戯は次第に自分の正体が「千年パズルに封印されていた、古代エジプト代18王朝のファラオの魂」であることに気付いていく…
[編集] DEATH-T編
かつて遊戯にデュエルで敗北した海馬瀬人が復讐のため、DEATH-T(死のテーマパーク)計画を実行。自分の会社を使ってテーマパークを建設し、遊戯達を卑怯なアトラクションで殺そうとする。が、ことごとく失敗に終わり、ついに最終セクション、マジック&ウィザーズで決着をつけることに。海馬は財力に物を言わせて強引に収集した、強力な攻撃力を持つレアカード「青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)」を3枚使用して遊戯を追い詰める。圧倒的な破壊力に成す術のなくなった遊戯だが…
[編集] VS獏良 モンスターワールド編
不思議な雰囲気を持つ転校生・獏良了(ばくら りょう)は、千年アイテムの一つ千年リングを持っていた。遊戯の千年パズルと同じように、千年リングにももう一つの人格が宿っているのだが、その人格は邪悪そのもので、獏良を乗っ取り、苦しめた。何も知らない遊戯達は「もう一人の獏良」に招待されるがままにTRPGゲームモンスターワールドを開始するが、それは闇のゲームで、ライフがなくなったり獏良に逆らえばプレイヤーの魂がゲームのコマに永遠に封印されるというものだった。次々と仲間が封印されていく中、遊戯がとった手段は…
[編集] 以降のストーリー
以降のストーリーは、遊☆戯☆王デュエルモンスターズを参照。
[編集] 概要
- 初期はひ弱な少年、武藤遊戯がクライマックスで千年パズルによって闇遊戯(古代エジプトのファラオの魂が宿った状態)へと変化し、悪辣な不良や暴力団、イカサマを使うテレビマンや悪徳名士などの悪党を次々と過激なゲームで叩きのめしていた。しかし、劇中に「マジック アンド ウィザーズ」というカードゲームを登場させてから、その凝った設定が人気を呼び、当該カードゲームを再現した『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ』がコナミより発売されたのを機に大ブームを呼ぶ。
このカードゲームの人気は単なる漫画作品のキャラクターグッズという枠を超えて突出した人気となり、様々なゲームを駆使して悪を討つという本来の設定が路線変更を余儀なくされ、カードゲームに秘められた古代エジプトの神秘の力を巡る戦いへと変遷し、中盤以降はカードゲーム専従の物語が展開するようになり、テレビゲームをはじめとした関連商品も数多く発売され一時代を築いた。また、表人格の武藤遊戯が、裏(闇)人格である遊戯や親友の城之内克也達との友情を通じての、成長物語としての側面も持つ。 - アニメ化に際し、カードゲームの名称が実在するトレーディング・カードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』に酷似していることから、アニメおよびキャラクター商品においては名称をコナミ版と統一しデュエルモンスターズとした(そもそも本作品に登場するカードゲームは『マジック:ザ・ギャザリング』がモデルであり、『週刊少年ジャンプ』誌上でもブレイク前「あのカードゲームは実在する」として紹介したことがある。)。
コナミを中心に原作に登場する複数のオリジナルゲームが商品化された。またその中でもカードゲームはトレーディングカードゲームとして商品化され、世界中で人気を博している。アメリカでは『ポケモン』を凌ぐ人気となった。 - 1998年にはテレビ朝日系で東映アニメーション制作による『遊☆戯☆王』、2000年にはテレビ東京系でASATSU-DK系列のNAS制作による『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』、2004年には同じくテレビ東京系でNAS製作による『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』と三度にわたりアニメ化されている。テレビ朝日版とテレビ東京版はそれぞれ初代/リメイクの関係になるが、『遊戯王デュエルモンスターズGX』については主人公や設定が一新されている。
- 2004年には全米公開用に制作されたオリジナル長編映画『Yu-Gi-Oh! The Movie』(邦題:『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ劇場版「光のピラミッド」』。なお日本では英語表記部分等を日本語に補正した改訂版が制作されたがロードショー公開はされず、関係者と招待客向けに限定上映され、その後TV放送された)が全米2411館で公開され、週間興行ランキング4位のヒットとなった(日本映画の全米トップ5入りは、『ポケモン』以来)。Box Officeの2004年年間全米興行収入ランキングでは1976万ドルで年間100位。日本の劇場用アニメ映画では歴代3位の興行成績である。
- 『週刊少年ジャンプ』での連載終了後、『Vジャンプ』にて監修・高橋和希として『遊☆戯☆王R』『遊☆戯☆王GX』を連載中。
[編集] カードゲーム
劇中に登場した架空のカードゲーム「マジック&ウィザーズ」を実際の商品としてコナミが発売するトレーディングカードゲーム。詳細は「遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ」参照。
[編集] カードゲーム以外のゲーム
何かにつけてカードゲームのみに注目が行ってしまうが、劇中にはその他のオリジナルゲームも登場した。 これらはコナミ等のメーカーから実際に商品化されたが、カードゲーム程人気を得ることは出来なかった。
- モンスターファイト
- 取っ手の付いたモンスターの人形を、対戦相手の人形と連結して戦うゲーム。
- カプセルモンスターチェス
- チェスに似たゲーム。コマにカバーが付いていて、対戦するまで中のモンスターが解らないというもの。コナミから劇中に登場したものを再現したゲーム盤とコマが発売されたほか、後にPS、GBC、PS2でコンピュータゲーム版も発売された。
- DDD(ドラゴン・ダイス&ダンジョンズ)
- 中にモンスターが収められた、開閉して展開する特殊なサイコロを使用して進める、ボードゲームとTRPGの掛け合わせのようなゲーム。コナミから『ダンジョンダイスモンスターズ』として、劇中に登場したものにアレンジを加えて商品化したもの(ゲームボードとコマ、ダイスのセットキット)が発売されたほか、後にGBAでコンピュータゲーム版も発売された。製品版のモンスターは、ほとんどがカードゲームのモンスターの流用である。逆にこのDDDに登場した「速攻の黒い忍者」がOCG化され、「ゴッドオーガス」もアニメに登場した。
[編集] アニメ第1作「遊☆戯☆王」
1998年4月4日~10月10日にテレビ朝日系(ただし福井放送は除く)で放映された最初のアニメ化作品。全27話。アニメーションの老舗東映が制作を担当。基本的に原作の展開をなぞっているものの、原作の持つブラックな雰囲気を子供向けに緩和したことや、東映がアニメ版『ドラゴンボール』等で盛んに行った、進展調整のためのオリジナルサイド展開等を多く行ったために(中にはまったく違う話に変えられたものもある)原作ファンが離れてしまい、さらに裏番組に人気番組があったため視聴率が思うように延びず、半年の放送で打ち切られてしまった。遊戯や城之内ら主要メンバーに、原作では1話限りのゲストキャラとして登場した野坂ミホがレギュラーとして加えられている。劇中のカードバトルゲーム「マジック アンド ウィザーズ」が「デュエルモンスターズ」と改称されたのは本作からであるが、カード裏面のデザインは原作や商品版とは異なる(原作のマジック アンド ウィザーズの名残で、「MW」という絵柄だった)。
[編集] キャスト
- 武藤遊戯:緒方恵美
- 真崎杏子:かかずゆみ
- 城之内克也:森川智之
- 本田ヒロト:置鮎龍太郎
- 野坂ミホ:野上ゆかな
- 海馬瀬人:緑川光
- 海馬モクバ:三輪勝恵
- 獏良了:柏倉つとむ
- シャーディー:塩沢兼人
- 武藤双六:青野武
[編集] 主題歌
- オープニング:『渇いた叫び』 作詞・作曲:小松未歩 歌:FIELD OF VIEW
- エンディング:『明日もし君が壊れても』 作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 歌:WANDS
[編集] スタッフ
- 原作:高橋和希(集英社「ジャンプコミックス」刊)
- 企画プロデューサー:梶淳(テレビ朝日)・渡辺哲也(電通)・西沢信孝(東映動画)
- 製作担当:本間修
- シリーズ構成:井上敏樹
- 脚本:井上敏樹、小林靖子、金巻兼一、千葉克彦
- キャラクターデザイン:荒木伸吾、姫野美智
- 作画監督:高木雅之、市川慶一、本橋秀之、竹内昭、内山正幸、本木久年、須田正己、進藤満尾、山崎隆生、永樹龍博、桜井木ノ実、山口泰弘
- 美術デザイン:中村光毅、中本功治
- 美術:徳重賢、和田いずみ、芳野満雄、松本健治、坂木功治、松宮正純
- 色彩設計:塚田沼
- 撮影監督:松平高吉(三晃プロダクション)
- 編集:麻生芳弘
- 音楽:葉山たけし
- 音響監督:田中英行
- 音響効果:石野貴久(サウンドリング)
- キャスティングディレクター:角康昭(青二プロダクション)
- 音楽制作/協力:BMF tv asahi music
- 美術進行:北山礼子
- 仕上進行:黒田進
- デジタル合成:東映化学デジタルタック
- プロデューサー補:櫻田博之
- 動画:かぐら、ワイズガイ、メルヘン社
- デジタル色彩:かぐら、ピーコック
- 演出助手:森一敏、池田洋子
- 演助進行:佐藤陽一、浅田信二、岩田弘
- 制作進行:隈幸二郎、和泉明代利
- 録音:池上信照
- 選曲:渋江博之
- 録音スタジオ:タバック
- オンライン編集:TOVIC
- 録音制作:AUDIO・タナカ
- 記録:原芳子
- 宣伝:栗井淳(テレビ朝日)
- プロデューサー:吉川大祐(テレビ朝日)・菅原章(電通)・山下紀彦(東映動画)
- シリーズディレクター:角銅博之
- 演出:角銅博之、池田洋子、新田義方、森一敏、早川啓二、細田雅弘、山田徹、中村哲治、大庭秀昭、勝間田具治、鈴木吉男、明比正行
- 制作協力:電通
- 動画製作:東映動画(放映当時)
- 製作:テレビ朝日・東映
- (C)高橋和希/集英社・テレビ朝日・電通・東映動画
テレビ朝日系 土曜18時台前半(1998年4月~1998年10月) | ||
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前番組 | 遊☆戯☆王(第1作) | 次番組 |
忍ペンまん丸 | まもって守護月天! |
[編集] アニメ第2作「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」
2000年4月18日~2004年9月29日にテレビ東京系で放映。全224話。
「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」を参照。
[編集] アニメ第3作「遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX」
2004年10月6日からテレビ東京系で放映中。 『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の世界観を継承した新シリーズ。
「遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX」を参照。
[編集] 映画
[編集] 遊戯王(映画第1作)
1999年公開。東映が制作した劇場用遊戯王の第1作。テレビ朝日版TVアニメ放送終了の翌年に公開された作品で、スタッフ、キャスト共にテレビ朝日版となっている。物語は最初の海馬戦の後日談となっており、偶然気弱な少年が入手したレアカード「真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)」を巡る遊戯と海馬の再戦を描いている。30分の短編で東映作品らしい健全さが前面に立っているが、絵柄はTV版に比べて原作の設定に近づき、後のテレビ東京版に近いシャープなものとなっているのが特徴(カード裏面のデザインが製品版と同じものに変更されていたり、海馬の髪色がTV版の緑から茶色に変更、デュエル描写も原作に近づく等、テレビ東京版のプロトタイプ的な作品になっている)。このままテレビ朝日版が打ち切られなければ、というifを連想させる作品。劇場版『デジモンアドベンチャー』と同時上映された。
[編集] Yu-Gi-Oh! The Movie(遊☆戯☆王デュエルモンスターズ劇場版「光のピラミッド」)
2004年全米公開。遊戯王デュエルモンスターズのスタッフがアメリカ公開用に製作した劇場版で、もう一つのピラミッド型千年アイテム「光のピラミッド」を巡る遊戯達の戦いを描く。オリジナルストーリーながら映画らしい盛り上がりを持つエンタテイメントとなっている。
日本ではタイトルシーンや劇中のカード描写などが日本語版に改訂編集されたものが日本版キャストにより吹き替えられ、関係者や一部招待ファン向けに上映会が開催されたほか、2005年1月にテレビ放送された。
この映画に登場したオリジナルカードは、一部を除いて市販化されている。上映会に参加した人に配布された、日本語の「ワタポン」のカードは現在でも凄まじいくらいにレートが高く、ネットオークションでも大抵英語版しか出品されていない。