辰野隆
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辰野 隆（たつの ゆたか、1888年3月1日 - 1964年2月28日）は東大教授、フランス文学者。
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[編集] 経歴
東京生まれ。東京駅などの設計で知られる建築界の大物、辰野金吾の長男。府立一中・第一高等学校を経て1913年に東京帝国大学法科大学仏法科を卒業。文学を志し、再び同大の仏文科に入学し、1916年卒業後は大学院に進み、講師になった。1921年に東京帝大の助教授となり、2年間フランスに留学。1923年の帰国後教授に昇任し、1948年に定年退官するまでフランス文学の主任教授を務めた。（東大仏文科初の日本人教授だという）。以後、中央大学仏文科教授。
東大での教え子からは、 三好達治・渡辺一夫・伊吹武彦・小林秀雄・河盛好蔵・今日出海・中島健蔵・淀野隆三・井上究一郎・中村光夫・森有正ら文学・評論で活躍した人物を輩出した。
[編集] その他
- 父・金吾は国技館（初代）の設計者でもあり、大の相撲好きで、中学時代に隆を相撲部屋に入門させた。隆も1950年、横綱審議委員になった。
- 谷崎潤一郎とは府立一中以来の友人。
- 『さ・え・ら』『あ・ら・か・る・と』など軽妙なエッセイでも知られた。漱石や谷崎らを取り上げた『忘れ得ぬ人々』は人物エッセイの名著とされる。
- 二・二六事件の際には「よくやった！腐敗した人間どもを良くぞ殺した！もっと殺せばいい!」と叫んだ。
- 戦前に鈴木信太郎と共著でかかれた「信天翁の目玉」は、日本初の本格的フランス文学紹介であり、数々の学生が仏文にすすむきっかけとなった。
- 第二次世界大戦後の1949年2月、サトウハチロー・徳川夢声と共に皇居へ参内。天皇との会見録である『天皇陛下大いに笑う』が「文芸春秋」に掲載された。
- 息子の辰野高司は薬学者、日本薬史学会副会長、理化学研究所名誉研究員。
[編集] 著作
- ボオドレエル研究序説（1929）
- 忘れ得ぬ人々（1939）
- ふらんす人（1941）
- 佛蘭西文學（1943）
[編集] 評伝
- 出口裕弘『辰野隆 日仏の円形広場』（新潮社）
