足利氏
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足利氏（あしかがうじ）は、清和源氏の一族の河内源氏の流れを汲み、室町時代には嫡流が足利将軍家として天下人となった。
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平安時代に河内源氏の棟梁、源義家（八幡太郎義家）の三男源義国（足利式部大夫）は下野国足利荘(栃木県足利市)を領有、子孫は足利氏を称する。新田氏とは同祖の関係である。血筋では、源義経兄に始まる阿野氏に劣ったが、源氏最大の勢力であった。
義国の次男・源義康(足利義康)は鳥羽上皇の北面武士となり、保元の乱においても平清盛・源義朝と共に戦う。藤原季範の娘（実は季範長男範忠の娘＝源頼朝の母の姪）を妻にしている。その子足利義兼は1180年の源頼朝挙兵に参加して、治承・寿永の乱、奥州合戦などに参加し、頼朝の側近として鎌倉幕府の有力御家人としての地位を得、源氏一門＝御門葉として源氏将軍家に次ぐ地位にあった。 義兼が頼朝の妻北条政子の妹を妻に迎えたのをはじめとして、鎌倉時代に北条氏と縁戚関係を結ぶ。足利義氏以降のことと思われるが、上総・三河の守護職を務める。また細川氏、斯波氏、渋川氏、一色氏、畠山氏、吉良氏、今川氏などの庶流を分出し、一族は全国に広がった。
源氏将軍家滅亡後も北条氏とは婚姻や偏諱を通じて良好な関係を維持してきたが、4代足利泰氏は幕府に無断で自由出家（一説では、謀反の疑いがあったとされるが真偽は不明である）・引退し、5代足利頼氏と上杉重房の娘の間に生まれた6代足利家時は霜月騒動に関連して自害したと言われている。7代足利貞氏は正室である北条一族金沢顕時の娘釈迦堂殿との間に長男足利高義をもうけたが、高義は早世して重房の子上杉頼重の娘上杉清子との間にもうけた足利尊氏（高氏）が足利氏を継いだ。清子との間には尊氏と並んで両将軍と呼ばれた足利直義ももうけている。 尊氏は1333年に後醍醐天皇の挙兵に応じて鎌倉幕府を倒す。尊氏らは後醍醐の建武の新政から離反した後に光明天皇を擁立して京都に室町幕府を興し、征夷大将軍に任じられた。
[編集] 室町将軍家
3代将軍足利義満は南北朝合一を達成、明徳の乱、応永の乱などで有力守護大名を挑発しては討伐してその勢力をそぎ、また中国の明朝から「日本国王」として冊封を受けて天皇に迫る権威を確立する。
義満没後には足利義持が義満の政策を否定し、6代将軍足利義教は義満路線に戻そうとするが嘉吉の乱で暗殺される。8代将軍足利義政の跡継ぎなどをめぐって起こった応仁の乱にかけて政治力を失い、10代将軍足利義材（義稙）が将軍職を追われた明応の政変で、将軍は実権を奪われて名目的存在となる。15代将軍足利義昭が織田信長に追放されて室町幕府は終焉を迎えた。
また、尊氏の子で関東に依拠した鎌倉公方足利基氏の子孫足利国朝は、室町幕府滅亡後、豊臣秀吉に足利氏再興を許され、下野国喜連川に領地を与えられて喜連川氏を称し、その子孫は江戸時代には禄高5000石ながら10万石格の国主大名待遇の家として存続し、明治以後足利氏に復した。喜連川氏系最後の当主であった足利惇氏が1983年に死去して以降は平島公方系の子孫が足利氏の祭祀を継承している。
なお、源姓足利氏に先立って、藤原姓足利氏が足利荘を根拠としていたが、1181年（養和元年）に藤原姓足利氏の足利忠綱が源頼朝の叔父源義広（志田義広）と結んで頼朝を討とうとしたため、頼朝により滅ぼされた。
[編集] 歴代棟梁
[編集] 系譜
凡例 太字は室町幕府将軍職、太線は実子、細線・二重線は養子 義国 ┣━━━┓ 義重 義康 ┏━━━┫ 義清 義兼 ┃ ┣━━━┳━━━┓ 義実 義純 義助 義氏 ┃ ┏━━━╋━━━┓ 義季 長氏 泰氏 義継 ┏━━━┳━━━╋━━━┳━━━┓ 家氏 義顕 頼氏 相義 公深 ┃ 家時 ┃ 貞氏 ┏━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 高義 尊氏1 直義 ┏━━━┳━━━┻━━━━━━━┓ ∥ 直冬 義詮2 基氏 直冬 ┏━━━┫ ┃ ┣━━━━┓ 義満3 満詮 氏満 冬氏 宝山乾珍 ┏━━━╋━━━┓ ┣━━━┳━━━┳━━━┓ ┣━━━━┓ 義持4 義嗣 義教6 満兼 満貞 満直 満隆 義尊 義将 ┃ ┏━━━╋━━━┳━━━┓ ┣━━━┓ ∥ 義量5 義勝7 義政8 政知 義視 持氏 持仲 持仲 ┌───┨ ┣━━━┓ ┣━━━┳━━━┳━━━┓ 義視 義尚9 茶々丸 義澄11 義久 安王丸 春王丸 成氏 ┃ ┏━━━┫ ┏━━━┫ 義材10 義晴12 義維 政氏 顕実 ∥ ┣━━━┓ ┏━━━╋━━━┓ 義維 義輝13 義昭15 高基 義明 基頼 ┣━━━┓ ┃ ┏━━━┫ ┣━━━┓ 義栄14 義助 義在 晴氏 晴直 義純 頼純 ┏━━━┫ ┏━━━┫ 藤氏 義氏 国朝 頼氏 ┏━━━┫ 氏姫 梅千代王丸
