自由党 (日本)
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現在、日本において「自由党」の名称を持つ政党は存在しない。（政治団体としては存在する）
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[編集] 自由党 (日本 1881-1884)
板垣退助らが結成した日本最初の近代政党。明治14年（1881年）、国会開設の詔が出たことを受けて、国会期成同盟が発展して結党された。初代総理（党首）は板垣。フランス流急進主義の影響が強く、一院制、主権在民などを主張した。自由民権運動の担い手として全国に組織を広げるも、自由党急進派は貧農とむすびついて（激派）、様々な事件を起こす。明治15年（1882年）の福島事件、加波山事件や秩父事件が有名。これらの事件で政府と衝突し弾圧された。執行部は地方の急進派を押さえきれず解散した。
[編集] 自由党 (日本 1890, 1890-1898)
明治23年（1890年）、大井憲太郎らが第1回衆議院議員総選挙にそなえて創設した政党。同年5月に愛国公党、大同倶楽部と庚寅倶楽部を作り、9月15日に九州同志会が合流、「立憲自由党」を結党した。
立憲自由党は、明治24年（1891年）に星亨が板垣退助を総裁に迎えて「自由党」に改称。明治31年（1898年）、進歩党と合同して憲政党を結成。
[編集] 自由党 (日本 1945-1955)
昭和20年（1945年）、太平洋戦争終了後の政党の復活から昭和30年（1955年）の自由民主党結成まで存在した日本の保守政党。
[編集] 日本自由党 (1945-1948)
昭和20年（1945年）10月、旧立憲政友会（正統派）系の鳩山一郎が結成。昭和21年（1946年）、総選挙で自由党が第1党となり、鳩山の大命降下（組閣指示）が確実であった。しかし、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）より公職追放命令が出たため鳩山は吉田茂に後継総裁への就任要請し吉田は受諾。吉田は第1党の総裁として大命降下を受け内閣総理大臣に就任した。
[編集] 民主自由党 (1948-1950)
昭和23年（1948年）、前年暮れに日本社会党との連立政権に反対して離党した元民主党議員からなる民主クラブと野党であった自由党と合同して民主自由党を結成した。
[編集] 自由党 (1950-1955)
昭和25年（1950年）、前年の総選挙で与党となった民自党は、民主党と合流し自由党を結成した。
昭和29年（1954年）、吉田退陣後に緒方竹虎が総裁となる。しかし首班指名選挙で日本民主党が率いる鳩山に敗れる。昭和30年（1955年）、日本民主党と合同（保守合同）して自由民主党を結党。
[編集] 歴代総裁
（日本自由党→民主自由党→自由党）
| 自由党総裁 | ||
| 1 | 鳩山一郎 | 昭和20年（1945年）10月-昭和21年（1946年）5月 |
| 2 | 吉田茂 | 昭和21年（1946年）5月-昭和29年（1954年）12月 |
| 3 | 緒方竹虎 | 昭和29年（1954年）12月-昭和30年（1955年）11月 |
[編集] 党勢の推移
[編集] 衆議院
| 選挙 | 当選/候補者 | 定数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| （結党時） | 46/- | 466 | 公職追放-30 |
| 第22回総選挙 | ○140/485 | 466 | 追加公認+8 |
| 第23回総選挙 | ●131/326 | 466 | 離党-5、追加公認+3 |
| 民主自由党 | |||
| 第24回総選挙 | ○264/420 | 466 | 追加公認+5 |
| 自由党 | |||
| 第25回総選挙 | ●240/475 | 466 | 追加公認+4、離党-2 |
| 自由党（吉田派） | |||
| 第26回総選挙 | 199/316 | 466 | 追加公認+3 |
| 自由党（鳩山派） | |||
| 第26回総選挙 | 35/102 | 466 | |
| 自由党 | |||
| 第27回総選挙 | ●112/248 | 467 | 追加公認+2 |
[編集] 参議院
| 選挙 | 当選/候補者 | 非改選 | 定数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| （結党時） | -/- | - | - | 参議院は存在せず |
| 第1回通常選挙 | ○38/73 | - | 250 | 第1回のみ全員選挙、追加公認+6 |
| 第2回通常選挙 | ○52/136 | 24 | 250 | 追加公認+1 |
| 自由党（吉田派） | ||||
| 第3回通常選挙 | ○46/93 | 47 | 250 | 追加公認+1 |
| 自由党（鳩山派） | ||||
| 第3回通常選挙 | ●0/9 | 2 | 250 | |
（参考文献：石川真澄（一部山口二郎による加筆）『戦後政治史』2004年8月、岩波書店・岩波新書、ISBN 4-00-430904-2）
- 当選者に追加公認は含まず。追加公認には会派に加わった無所属を含む。
- 第22回総選挙の定数には、選挙を実施できなかった沖縄選挙区（定数2）含む。
- 第22回総選挙では、他に法定得票不足で定数を満たせなかった選挙区の再選挙で当選者1。
[編集] 鳩山自由党
昭和28年2月28日の吉田首相のバカヤロー発言後、首相懲罰動議採決で欠席した自由党鳩山派は、その後の内閣不信任案の採決前に可決させんがために自由党を離党し結成。正式名は分党派自由党だが、鳩山が党首であるので一般に鳩山自由党と呼ばれる。
総選挙後に鳩山を含む大半は吉田自由党に復党したが、三木武吉や河野一郎ら8名は復党せずに日本自由党を結成。
[編集] 自由党 (日本 1994)
平成6年（1994年）、細川護熙内閣の退陣に際して、後継総理として野党・自民党の渡辺美智雄を擁立しようという動きに伴い、渡辺の側近であった柿沢弘治、新井将敬、山本拓らが先行して自民党を離党、無所属だった（後の山本の妻）高市早苗が合流し結成した政党。党首は柿沢。最終的に渡辺は離党を断念したが、羽田孜内閣で柿沢は外務大臣に就任した。同年12月、新進党結成により解散した。しかしその後、所属していた議員全員が新進党を離党、自民党に移籍した。この自由党は「柿沢自由党」として区別されることもある。
[編集] 自由党 (日本 1998-2003)
（平成10年（1998年）1月6日 ‐ 平成15年（2003年）9月26日）平成期における保守政党。
平成9年（1997年）12月27日の新進党解散に伴い、平成10年（1998年）、小沢一郎を中心とした議員が結成した。スローガンは「日本一新」。
平成15年（2003年）、民主党への合流に伴い解散。
[編集] 概要
闘う政策集団
- 政策的には、小沢の著書「日本改造計画」、新進党の政策「日本再構築宣言」を基に、小さな政府・規制緩和・市場主義といった経済的新自由主義と、教育基本法見直しなどの政治的保守主義をとり、自由民主党政治に対抗する改革を呼びかけた。
- 国際的には、自由主義インターナショナルにオブザーバー参加した。
- 当初は民主党と共闘していたが、平成11年（1999年）1月から自民党の小渕恵三内閣に連立参加して与党となり、副大臣制度の導入や、衆議院議員定数削減などを実現した。しかし、公明党が連立に参加すると（自自公連立）次第に自由党の主張が取り入れられなくなったとして小沢は連立離脱を決断するが、党内の連立残留派が平成12年（2000年）に保守党（後の保守新党）を結成し分裂したため、党勢が後退した。
- 国政選挙では小沢のキャラクターを前面に出し毎回現有勢力に上積みしたが、自民党に対抗する勢力を結集するため、平成15年（2003年）に民主党と合併して解散した。民主党ではベテラン議員を中心に旧民社党系の民社協会（川端達夫グループ）、若手議員は一新会（小沢グループ）に所属している。
[編集] 資金疑惑
2004年の衆議院予算委員会で、自由民主党および公明党所属の議員により、自由党解散直前の資金の流れについての疑惑が提起された。自民公明の政権与党両党の議員による調査では、民主党は、合併2日前に自由党に3億円を寄付し、さらに解散当日、自由党は、所属国会議員の政治資金団体などに合計 13億円超を寄付をしているとされた。
この調査結果について、自公両党の議員は、「不透明な行動であり、政党解散に伴い国庫に返還しなければならない政党助成金の残金の返還逃れと見られても仕方がない」として現・民主党を批判した。なお、民主党では、「旧自由党の会計は外部監査などでも適正であり、銀行への借り入れも完済されている」などととして、与党議員の指摘を否定している。
[編集] 党史
- 平成9年（1997年）
- 平成10年（1998年）
- 1月6日 自由党結成
- 7月12日 第18回参議院議員通常選挙で6議席を獲得。
- 平成11年（1999年）
- 1月15日 自由民主党と連立政権(小渕内閣第1次改造内閣)。閣僚1名(自治相 野田毅)を輩出。
- 10月5日 自由民主党と連立政権(小渕内閣第2次改造内閣)。閣僚1名(運輸相 二階俊博)を輩出。
- 平成12年（2000年）
- 4月1日 連立政権から離脱。野田毅らが離党し、保守党を結成して連立継続。
- 6月2日 第42回衆議院議員総選挙で22議席を獲得。
- 平成13年（2001年）
- 7月29日 第19回参議院議員通常選挙で6議席を獲得。
- 平成15年（2003年）
[編集] 歴代の自由党常任幹事会・執行部役員表
| 党首 | 幹事長 | 政策調査会長 | 国会対策委員長 | 参議院議員会長 | 最高顧問 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小沢一郎 | 野田毅 | 井上喜一 | 二階俊博 | 平井卓志 | |
| 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 扇千景 | |
| 〃 | 〃 | 藤井裕久 | 中西啓介 | 〃 | 海部俊樹 |
| 〃 | 藤井裕久 | 〃 | 藤井裕久 | 田村秀昭 | |
| 〃 | 〃 | 〃 | 山岡賢次 | 〃 | |
| 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 西岡武夫 |
[編集] 自由党の政権ポスト
（）内は入閣直前の党役職
平成11年（1999年）1月14日・小渕第1次改造内閣 （国務大臣） 自治大臣兼国家公安委員会委員長・野田毅（党常任幹事会幹事長） （政務次官） 外務政務次官・東祥三 防衛政務次官・西村眞悟 - 西川太一郎【平成11年（1999年）2月交代】 経済企画政務次官・小池百合子 平成11年（1999年）10月5日・小渕第2次改造内閣 （国務大臣） 運輸大臣兼北海道開発庁長官・二階俊博（党国会対策委員長） （政務次官） 外務政務次官・東祥三 防衛政務次官・西川太一郎 経済企画政務次官・小池百合子
[編集] 党勢の推移
[編集] 衆議院
| 選挙 | 当選/候補者 | 定数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| （結党時） | 42/- | 500 | 第42回総選挙前には18（保守党分裂のため） |
| 第42回総選挙 | ○22/75 | 480 |
[編集] 参議院
| 選挙 | 当選/候補者 | 非改選 | 定数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| （結党時） | 12/- | - | 252 | |
| 第18回通常選挙 | ○6/21 | 6 | 252 | |
| 第19回通常選挙 | ●6/31 | 2 | 247 |
（参考文献：石川真澄（一部山口二郎による加筆）『戦後政治史』2004年8月、岩波書店・岩波新書、ISBN 4-00-430904-2）
- 当選者に追加公認は含まず。追加公認には会派に加わった無所属を含む。
- 『戦後政治史』にない追加公認は２ 国会議員会派別議員数の推移（召集日ベース）（衆議院）、(2) 参議院（2002年まで）(2) 参議院（2004年まで）にある、選挙直後の国会召集日の会派所属者数から判断した。
[編集] 自由党議員一覧
[編集] 衆議院議員
| 結党時（43名） | |||
|---|---|---|---|
| 〇小選挙区（27名） | |||
| 達増拓也（岩手1区） | ※1佐々木洋平（岩手3区） | 小沢一郎（岩手4区） | ※1岡島正之（千葉3区） |
| ※1西川太一郎（東京14区） | 藤井裕久（神奈川14区） | ※2河村たかし（愛知1区） | ※1青木宏之（愛知2区） |
| ※1吉田幸弘（愛知3区） | ※1三沢淳（愛知4区） | ※1青山丘（愛知7区） | ※1江崎鉄磨（愛知10区） |
| 中井洽（三重1区） | ※3谷口隆義（大阪5区） | ※1西田猛（大阪9区） | ※3石垣一夫（大阪10区） |
| ※1西野陽（大阪13区） | ※1中村鋭一（大阪14区） | 西村真悟（大阪17区） | ※1松浪健四郎（大阪19区） |
| ※1井上喜一（兵庫4区） | ※1小池百合子（兵庫6区） | 塩田晋（兵庫10区） | ※1中西啓介（和歌山1区） |
| ※1二階俊博（和歌山3区） | 西岡武夫（長崎1区） | ※1野田毅（熊本2区） | |
| 〇比例区（16名） | |||
| 鰐淵俊之（比例北海道） | 笹山登生（比例東北） | 菅原喜重郎（比例東北） | 二見伸明（比例北関東） |
| 武山百合子（比例北関東） | 東祥三（比例東京） | 米津等史（比例南関東） | 一川保夫（比例北陸信越） |
| 鈴木淑夫（比例東海） | ※1安倍基雄（比例東海） | ※3久保哲司（比例近畿） | ※3西博義（比例近畿） |
| ※3佐藤茂樹（比例近畿） | ※1加藤六月（比例中国） | 西村章三（比例四国） | 権藤恒夫（比例九州） |
| 移籍（2名） | |||
| ※1海部俊樹（愛知9区） | 岩浅嘉仁（徳島3区） | ||
| 第42回衆議院議員総選挙時（22名‐小選挙区4名・比例区18名） | |||
| 〇新人（元職）・小選挙区 | |||
| 黄川田徹（岩手3区） | |||
| 〇新人（元職）・比例区 | |||
| 工藤堅太郎（比例東北） | 高橋嘉信（比例東北） | 石原健太郎（元・比例東北） | 山岡賢次（元・比例北関東） |
| 土田龍司（元・比例南関東） | 樋高剛（比例南関東） | 都築譲（比例東海） | 中塚一宏（比例近畿） |
| 佐藤公治（比例中国） | 藤島正之（比例九州） | 山田正彦（元・比例九州） | |
| 〇落選 | |||
| 二見伸明 | 岩浅嘉仁 | ||
※1は保守党、※2は民主党（合流前）、※3は公明党に各移籍。
[編集] 参議院議員
| 結党時（12名） | ||||
|---|---|---|---|---|
| 高橋令則（岩手） | 都築譲（愛知） | ※平井卓志（香川） | 阿曽田清（熊本） | ※扇千景（比例） |
| 木暮山人（比例） | 田村秀昭（比例） | 永野茂門（比例） | 平野貞夫（比例） | ※星野朋市（比例） |
| ※泉信也（比例） | 戸田邦司（比例） | |||
| 第18回参議院議員通常選挙時（6名‐選挙区1名・比例区5名） | ||||
| 〇新人（元職）・選挙区 | ||||
| ※鶴保庸介（和歌山） | ||||
| 〇新人（元職）・比例区 | ||||
| ※入沢肇（比例） | 渡辺秀央（比例） | ※月原茂皓（比例） | ||
| 〇落選 | ||||
| 都築譲 | ||||
| 第19回参議院議員通常選挙時（6名‐選挙区2名・比例区4名） | ||||
| 〇新人（元職）・選挙区 | ||||
| 平野達男（岩手） | 森裕子（新潟） | |||
| 〇新人（元職）・比例区 | ||||
| 西岡武夫（比例） | 広野允士（比例） | 大江康弘（比例） | ||
※は保守党移籍。
[編集] 新自由党・自由党 (日本 1998?-)
新自由党（しんじゆうとう）とは高橋妙子が党総裁、石川八郎が党副総裁を務めて各種選挙に立候補し続けていた政治団体。平成10年（1998年）に党名を自由党と改めて石川が総裁に就任、この年の第18回参議院議員通常選挙に出馬した。
小沢一郎が党首を務めた自由党とは関係ない。参院選では2つの自由党が並立したため、一部の報道で混同があった。政党要件を満たしていないため、小沢自由党を「政党」、石川自由党を「その他の政治団体」と区別した。
[編集] 青年自由党
青年自由党（せいねんじゆうとう）とは東日本ハウス社長である中村功が党首を務めた保守系の政治団体。無所属で衆院選に当選し、「自民党・自由国民会議」の一員として活動した中村力（功党首の息子）は事実上ここの推薦候補とも言えるものであった。母体は企業経営者の政治学習組織漁火会。かつて漁火会は青年会議所、松下政経塾等と並ぶ政治家養成組織として知られた。
映画「プライド 運命の瞬間」「ムルデカ17805」の製作を指揮し、上映について物心両面で支援していた。
「ムルデカ」興行失敗など、党首の事業失敗により活動が先細り、所属議員・候補者は自民党や維新政党・新風などに移籍。現在は機関紙「漁火新聞」を発行するのみである。
