第23師団 (日本軍)
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第23師団（だいにじゅうさんしだん）は、大日本帝国陸軍の師団の一つ。昭和13年4月に第21・第22師団と共に中国戦線向けに編成された師団であるが、満州に派遣され、ノモンハン事件に遭う。昭和19年からフィリピンに渡り、同地で終戦を迎える。師団の勇戦に対し感状が送られている。
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[編集] 戦歴
[編集] ノモンハン事件で壊滅
昭和13年4月熊本で編成された師団は当初中国戦線の投入を予定していたが、満州北部のハイラルに駐屯していた騎兵集団が中国戦線に転用された事から代わりに第23師団が満州へ向かう。満州で師団はハイラルの警備に当っていたが、昭和14年5月11日に満州と外蒙古の国境地帯であるノモンハンでソ蒙軍による越境事件が起こる。所謂ノモンハン事件の始まりで、師団長の小松原道太郎中将は関東軍の方針によって師団の一部兵力からなる「東支隊」（支隊長：捜索第23連隊長附東八百蔵中佐）を編成してこれに派遣した。支隊が到着した時にはソ蒙軍は撤退後で、その為支隊が帰還すると再びソ蒙軍は姿を現すという有様だった。師団はこれに対し先の東支隊に歩兵第64連隊（連隊長：山県武光大佐）を加えた「山県支隊」（支隊長：山県武光大佐）を編成し再度派遣した。この戦闘で先の東支隊長であった東八百蔵中佐は戦死し、山県支隊もまた後退する。関東軍は戦車第3連隊及び戦車第4連隊を増派し、歩兵第64連隊を編合して「安岡支隊」（支隊長：安岡正臣中将）を編成、第23師団本体もまた投入される。7月2日の総攻撃で日本の戦車部隊は壊滅し、7月4日師団参謀長の大内孜大佐が戦死する。8月20日ソ連側の攻撃によって日本側はほぼ壊滅する。第23師団は1万1958名にも及ぶ死傷者を出し、8月26日に歩兵第71連隊長森田徹大佐が戦死、8月29日には歩兵第64連隊長の山県武光連隊長が自決し野砲兵第13連隊長の伊勢高秀大佐が戦死、続く30日に歩兵第71連隊附将校の東宗治中佐が戦死する。9月16日にソ蒙軍との間で停戦交渉が纏まるが、その前日9月15日には歩兵第72連隊長酒井美意雄大佐が自決する。7月4日に戦死した大内参謀長の後任参謀長岡本徳三大佐もまた戦傷により死没する。動員兵力の凡そ8割を失った事から「悲劇の小松原兵団」と呼ばれる。
[編集] フィリピンに派遣
師団はノモンハン事件最中の昭和14年8月4日大陸命第334号を以って編成された第6軍の隷下に編入されており、事件後に再建された後も引き続き満州に駐屯していた。昭和15年8月1日に編成された第8国境守備隊（後の第119師団）と共に国境付近の警備を担任していたが、昭和19年になり師団の台湾派遣が決まる。然し、台湾へ移動中に派遣先がフィリピンに変わり、昭和19年12月にフィリピンへ進出。第14方面軍隷下に加わる。昭和20年1月からルソン島に上陸を試みる米軍とリンガエン湾で交戦する。同年3月頃から飢餓状態に陥りボコド陣地に後退、防御戦闘の最中終戦を迎える。比島決戦に参加した将兵は2万9636名であったが、生還したのは5千128名に過ぎない。
[編集] 師団概要
[編集] 師団長
- 小松原道太郎 中将：昭和13年7月7日 - 昭和14年11月6日
- 井上政吉 中将：昭和14年11月6日 - 昭和16年3月1日
- 西原貫治 中将：昭和16年3月1日 - 昭和17年11月10日
- 及川源七 中将：昭和17年11月10日 - 昭和19年1月7日
- 西山福太郎 中将：昭和19年1月7日 - 終戦
[編集] 参謀長
- 大内孜 大佐：昭和13年7月7日 - 昭和14年7月4日（戦死）
- 岡本徳三 大佐：昭和14年7月6日 - 昭和14年9月11日（後に戦傷により死去）
- 木村松二郎 大佐：昭和14年9月11日 - 昭和15年8月1日
- 川俣雄人 大佐：昭和15年8月1日 - 昭和16年10月15日
- 松田巌 大佐：昭和16年10月15日 - 昭和17年8月1日
- 高津利光 大佐：昭和17年8月1日 - 昭和19年3月1日
- 吉川浩 大佐：昭和19年3月1日 - 昭和19年11月17日（戦死）
- 高津利光 大佐：昭和19年11月27日 -
[編集] 高級副官
- 亀川良夫 中佐：昭和13年7月15日 - 昭和14年8月1日
- 高畑洋平 中佐：昭和14年8月1日 - 昭和15年9月16日
- 青山清 中佐：昭和15年8月16日 - 昭和15年12月2日
- 立花啓一 中佐：昭和15年12月2日 -
- 三好勇 少佐：
[編集] 兵器部長
- 近沢義美 大佐：昭和13年7月15日 - 昭和14年7月3日
- 金子時之助 中佐：昭和14年7月3日 - 昭和15年8月1日
- 高畑洋平 中佐：昭和15年8月1日 - 昭和16年8月1日
- 大橋彦四郎 大佐：昭和16年8月1日 -
[編集] 経理部長
- 渦川正義 主計大佐：昭和13年7月15日 - 昭和15年3月9日
- 今田章 主計中佐：昭和15年3月9日 - 昭和16年10月15日
- 三浦日出雄 主計中佐：昭和16年10月15日 -
- 伊知地俊雄 主計中佐：昭和19年10月31日 -
[編集] 軍医部長
- 村上徳治 軍医大佐：昭和13年7月15日 - 昭和15年3月9日
- 樋口四郎 軍医大佐：昭和15年3月9日 -
- 倉原玉記 軍医中佐：
[編集] 獣医部長
- 松尾義夫 獣医中佐：昭和13年7月15日 - 昭和15年3月9日
- 石坂九郎治 獣医中佐：昭和15年3月9日 - 昭和17年11月9日
- 慶家星 獣医中佐：昭和17年11月9日 -
[編集] 隷下部隊
- 師団司令部
- 第23歩兵団
- 第23歩兵団司令部
- 歩兵第64連隊
- 歩兵第71連隊
- 歩兵第72連隊
- 捜索第23連隊
- 野砲兵第13連隊
- 工兵第23連隊
- 輜重兵第23連隊
- 師団衛生隊
- 師団通信隊
- 制毒訓練所
- 兵器修理所
- 病馬収容所
- 防疫給水部
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