砂の薔薇

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日本の漫画作品

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『砂の薔薇』（デザート・ローズ、Desert Rose）は、新谷かおるの漫画。

[編集] 概要

1989年「月刊アニマルハウス」8月号より連載、月刊アニマルハウスから「ヤングアニマル」に誌名変更・リニューアル後も連載は継続。単行本は全15巻。

マリーは C・A・T （米国に所属する半軍半民の反テロリズム専門部隊）の凄腕女性司令官。薔薇の形に見える傷跡から「薔薇のマリー」と呼ばれる。夫と子をテロ活動により失った過去を持ち、テロ壊滅に命をかける。世界中テロのあるところにはどこにでも出向く。ここにも『エリア88』等の戦場物を得意とする独特の新谷ワールドが健在する。

[編集] 登場人物

真理子（マリー）・ローズバンク（旧姓：森永真理子、ディビジョンM指揮官）: シドニー空港にて夫（ハロルド・ローズバンク）と子供のティミーを爆弾テロで失った女性。自らも胸元に薔薇の形に見える傷跡を負う。その後、 CAT に入隊し、テロリスト撲滅に執念を燃やす。 CAT 内ではトップクラスの成績を誇るチーム、ディビジョンMを率いる女性指揮官。過去の実績、指導力などからほぼ全ての隊員から絶対的な信頼を受けている。連載開始当初は「真理子・ローズバンク、ニックネームはマリー」と名乗っていたが、途中から「マリー・ローズバンク」と名乗るようになり、偶然再会した学生時代の友人に困惑された。連載開始当初は暗い過去を引きずる陰のある女性だったが、物語が進むに連れて明るい性格になってゆき、中盤以降は明るく優しく有能な、理想的な指揮官として描かれている。日本には父と姉たちがおり（母は小さい時死亡）、自分が CAT にいることを家族には内緒にしている。
ヘルガ・ミッターマイヤー（ディビジョンM副官）: 旧東ドイツ出身。タス通信の東ベルリン支局に勤務中、ふとしたきっかけでアメリカ人男性と恋に落ちるも、相手の男性がスパイだったため、同様に容疑をかけられた女性。東ドイツに嫌気がさし、ベルリンの壁の検問所を越えて西側に亡命（亡命中に重傷を負って流産）した。 CAT 入隊後、訓練所でマリーと同期となり、訓練の末、無二の友人となる。ディビジョンMでマリーをファーストネームで呼ぶのは彼女だけである。過去の経歴もあり、本来とてもストイックな性格だが、マリーの影響でかなり緩和されていると思われる。訓練所卒業後、マリーとは別の部隊に配属されていたが、マリーが隊長に任命された直後に副官として異動して来た。マリーが他の隊員と離散・負傷した時、2回ほど作戦指揮権が副官であるヘルガに移った事があった。1回目は、隊員同士とのイザコザを起こしそうになったが、2回目は、臨時の指揮官として的確にこなした。
アイリーン・サンダーズ（第一分隊・突撃班分隊長）: 以前はアメリカ海兵隊の航空部隊に勤務していた女性。給料の高さにつられて CAT に入隊するも、子供を巻き込んだあるテロ事件をきっかけに心底テロを嫌悪するようになり、その撲滅に力をそそぐ。 CAT 入隊当初、問題のある隊員が多く所属する、クィンシー隊長率いるディビジョンQに配属された為、Qの解隊後、ディビジョンMへ異動してもしばらく周囲と打ち解けられなかった。しかし、マリーの優しさ、部下への信頼に接するうちに彼女に対して絶対の信頼を置くようになった。過去の海兵隊所属経験から、ヘリコプター、小型航空機など、あらゆる航空機の操縦を得意とする。デライラとの会話から、断続的に交際している男性が居て、しかも時折相手が変わっている様である。
デライラ・カンクネン（第二分隊・後方支援班分隊長）: 通称デラ。スウェーデン出身の元ファッションモデルの女性隊員。常にサングラスを掛けており、細身ながら非常に長身の為、威圧感がある。アイリーンとは無二の仲であり、一見仲が悪そうに見えるものの、実は互いに信頼し合っている。ディビジョンM配属以前からアイリーンと同じディビジョンQに所属しており、ディビジョンMへの異動も同時。異動した当初は孤独癖があり、昼間からウォッカを暗い酒場であおりながらスタンダールを読むなど、アイリーン同様、問題児扱いされていた。現在では、「マリーに対して銃口を向ければ大統領であれ射殺する」というセリフが示すように強い信頼を置いている。アイリーンとの会話から、男性関係は希薄なようである。
リン（中国名：鈴竜姫）: 幼く見えるそのそぶりや容姿からは想像も出来ないが、香港の暗黒街出身の女性隊員。香港を出て CAT に入隊。過去の経験からか、格闘技や毒物にかけては専門家。 CAT から支給された武器以外にも、髪や体に様々な暗器を隠し持つ。普段は料理好きで、少女趣味の若い女性。ディビジョンM結成当初に新入隊員として配属された生え抜き隊員。ディビジョンMの中では、何故か、ファミリーネーム（名字）に相当するリン（鈴）と呼ばれている。ちなみに故郷の香港には暗黒街で刺姫（女性の殺し屋）をしていた時代から知り合いの同年代の女性がいる。なお、香港を出た後も「おばば」と呼ばれる暗黒街のドンのような老女と親交があり、ディビジョンMの作戦を数回、後方支援的に補佐してもらっている。
コリーン・アンダーソン: CAT 唯一の理系博士号を持ち、15歳で博士課程に進んだ天才的な頭脳を持つ女性メンバー。通常の戦闘にも加わるものの、ジェシカと共に爆発物処理を担当する女性隊員。ありとあらゆる爆発物に関する知識を有し、爆弾解体に関して、技術的にはジェシカに及ばないものの知識では右に出るものはいない。爆薬を解体をした時に性的な快感を感じてしまう。マリーとは、彼女が副隊長を勤めていた頃から同じ部隊に所属し、マリーの前任の隊長が引退した際に多くの隊員が共に除隊する中、彼女とジェシカだけは残留した。「CAT の仕事をしていると、特定の男性とのお付き合いは難しい」という趣旨の発言をしている事から、付き合っている男性はいない模様。リンと年齢が近いのか、ショッピングなどを一緒に楽しんでいる。
ジェシカ・クレアキン: 旧ソビエト連邦陸軍から亡命してきた女性メンバー。コリーン同様、爆発物処理のエキスパートであるが、巨体な為、男性にも負けない力仕事に借り出される事もある。コリーンと共に前の部隊から残留。
キム・ヴァスケス: 米陸軍出身の女性隊員。湾岸戦争において、兵士が残していった武器をおもちゃにして遊んでいた子供を誤って射殺してしまう。軍法会議にて、パトロール中の事故と判決が下り無罪となるも、告発したのが元恋人の男性であった為、一時期男性不信に陥る。ディビジョンM主催の新兵訓練に参加し、入隊後は正式にディビジョンMの配属となる。
ウエルズ隊長: ディビジョンMと並ぶトップチーム、ディビジョンCの女性隊長。マリーよりかなり年配で元女学校の教員。マリーと仲が良く、互いに協力、支援しあっている。
サマンサ・マクミラン: CAT 総合事務局の女性事務員。実戦には参加しないが、後方支援（主に情報提供）で隊員を援護する。実は実戦部隊の訓練を受けたことがあったが、体力不足で失格になってしまった。普段はおとなしい案内県営業担当だがコンピューターに精通しておりネットでの情報を駆使し、様々なバックアップを行うことがある。
グリフォン: シドニー空港にてマリーの夫、ハロルドとその子供ティミーを初めとする大勢の人を殺傷した男性テロリスト。マリーが追い続けている。本名や顔などは、一般には知られておらず、正体が不明である。ちなみにグリフォンとは有翼獅子のこと。神出鬼没であり、直接グリフォン自身が手を下さないにしても、テロを行なっているチームや国を支援・指揮している事もある。

[編集] ディビジョンM

ディビジョンMとは、 CAT のセクションF（女性部隊 = Female Section）の中の1チームの名称。 CAT のディビジョンの名称は、基本的に指揮官のファーストネームの頭文字をつける為、 Mariko の頭文字よりMと呼ばれている。マリーが負傷し、一時的に作戦の指揮が副官のヘルガに移った時、ディビジョンHにするかとの提案があったものの、ヘルガの意向によりディビジョンMのままとされた。

隊員の出身・言語

隊員の出身国はアメリカ以外に、日本（マリー）、香港（リン）、スウェーデン（デライラ）、旧東ドイツ（ヘルガ）、旧ソ連（ジェシカ）など様々。

マリーはアメリカ人の夫と結婚していたため、アメリカ国籍を取得している。他の隊員については不明。
隊員の年齢

おそらく20代後半から40代前半程度と思われるが、詳細は不明。
隊員の在住地

アメリカ国内、おそらくワシントン近郊あたりと思われる。