盲ろう者
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盲ろう者(盲聾者、もうろうしゃ)とは、盲ろう(英:deafblindness、deaf-blindness、deaf/blindnessとも)である人のこと、つまり視覚と聴覚の重複障害者のことを指す。「視聴覚二重障害者」「ろう盲者」と呼ばれることもある。
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[編集] 盲ろうの分類
盲ろうという障害は、その程度に応じて次の4種類に大別することができる。
- 全盲ろう(まったく見えず、聞こえない)
- 盲難聴(まったく見えず、聞こえにくい)
- 弱視ろう(見えにくく、聞こえない)
- 弱視難聴(見えにくく、聞こえにくい)
また、各障害の受障歴によって、以下のように整理されることもある。
- 先天盲ろう(先天的に、あるいは、乳・幼児期に視聴覚の両方に障害を受けた場合)
- 盲ベース盲ろう(もともと視覚障害者であった人が、その後、聴覚に障害を持った場合)
- ろうベース盲ろう(もともと聴覚障害者であった人が、その後、視覚に障害を持った場合)
- 中途盲ろう(もともと視覚・聴覚に障害がなかった人が、その後、視覚聴覚の両方に障害を持った場合)
- 加齢にともなう盲ろう(老人性難聴や老人性白内障など、加齢にともなう疾病によって盲ろう(多くの場合弱視難聴)となる場合)
障害の程度と受障歴による障害像の多様性が、盲ろうという障害の大きな特徴のひとつである。
[編集] 盲ろう者人口
日本に盲ろう者が何人いるかについて、2005年4月現在、正確な統計は存在しない。
社会福祉法人全国盲ろう者協会の推計によれば、全国に盲ろう者は約20,000人いるとされる。
[編集] 盲ろう児・者の教育
(準備中)
[編集] 盲ろう者のコミュニケーション手段
盲ろうとなる経緯や障害の程度、生活環境によって、盲ろう者のコミュニケーション方法は多様である。
日本で用いられているコミュニケーション手段は、以下のように大別して整理できる。
- 点字を応用したコミュニケーション方法
- 点字による筆談
- 指点字
- ブリスタ
- 手話・指文字を応用したコミュニケーション方法
- 触読手話(触手話)
- 弱視手話
- 五〇音式指文字
- ローマ字式指文字
- 墨字を応用したコミュニケーション方法
- 手書き文字(てのひら書き)
- 筆談・要約筆記・拡大文字要約筆記
- パソコン要約筆記
- 音声を応用したコミュニケーション方法
- 音声通訳
盲ろう者のための教育やリハビリテーション制度が未整備であるため、特に1990年代までの日本国内では盲ろう者のための「共通の」コミュニケーション方法は作り出されず、そうした試みも失敗している。 したがって、各地の盲ろう者個人やその家族・周囲の支援者の努力と工夫によってそれぞれのコミュニケーション方法を生み出し、ルール化していったといってよい。
現在、盲ろう者のコミュニケーション方法として知られる上記の手段は、そうした「個人(とその周囲)によるルール化」が、1990年代以降活発化した盲ろう当事者・支援者らの交流によって普及していったものである。 また、複数のコミュニケーション手段を状況や相手に応じて使い分ける盲ろう者も少なくない。
インターネットの普及に伴い、電子メールやチャットも、盲ろう者の貴重なコミュニケーション手段となっている。
[編集] 盲ろう者の有名人
- ヘレン・ケラー
- 福島智