田斉
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田斉（でんせい）とは、紀元前672年に陳から斉へ亡命してきた陳の厲公佗（れいこう・た）の子、公子完の子孫である田氏が紀元前386年に太公望の子孫が公位を継承してきた斉を滅ぼして新たに立てた国。春秋時代の姜姓呂氏の斉と区別して田斉と呼ぶ。戦国七雄の一つに数えられる国で、戦国時代中期には、湣王の頃に東帝を称するまでになるほど強盛を誇った。首都は、姜斉の時と変わらず臨淄（りんし）である。
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[編集] 斉への亡命から諸侯になるまで
田氏は、斉の景公の時、田釐子乞（きし・きつ）が税を徴収する時に小さな斗（ます）を使用し、粟を民に配給する時は大きな斗を使用して、民の気持ちをつかみ、また、景公が亡くなった時の公位継承争いで悼公陽生を立てた。釐子が亡くなると成子常（せいし・じょう）が跡を継いだ。父の釐子とともに悼公を立てた鮑牧が仲違いを契機に悼公を殺害すると、簡公壬が立てられ、監止とともに大臣となったが、二人は並び立つことができず、勢力争いをすることになる。監止の陰謀を知った成子が先手を取り、監止に続いて簡公を殺して、平公を立てた。その後は、田氏が斉の政治を事実上支配し、太公和（か又はわ）の時、姜斉の最後の君主康公貸を海浜に移して、姜斉を事実上滅ぼし、紀元前386年に、周の安王により諸侯に立てられた。これが田斉の成立である。太公和は在位2年で亡くなった。後述する威王まで侯剡の治世を入れて、桓公午を太公の孫とする説と子とする説の2つがある。
[編集] 田斉の全盛～威王と宣王の治世
田斉3代目威王は「鳴かず飛ばず」の逸話で有名な君主で、独創的な政策で国勢を高めた。軍事面では孫臏を登用し、紀元前341年の馬陵の戦いで魏を破った。また学問も盛んになり、首都・臨淄の稷門に集められた学者たちは稷下の学士と呼ばれ、学府として栄えた。代表的な人物に淳于髠・荀子などがいる。
威王の子宣王が紀元前334年に魏の恵王とともに王号を称した。
その後も国勢は高くなり、東の斉・西の秦の二大国時代を作った。5代湣王は秦の昭襄王とともに王より高い称号である帝を名乗り、東帝と名乗った。しかし、諸侯の反感を恐れてすぐに王に戻した。この時期には孟嘗君が宰相となり国政を見ていたが、湣王は自分よりも孟嘗君の名声が高くなるにつれて、次第に孟嘗君が疎ましくなり殺そうとしたので、孟嘗君は逃亡した。
[編集] 滅亡の危機と再興
更に湣王は宋を滅ぼした。しかしその裏では、楽毅主導による諸国連合の策謀があった。紀元前284年、楽毅に率いられた燕・秦・趙・魏・韓の連合軍により斉の軍は大敗。楽毅により首都臨淄が陥落させられ、湣王は亡命先で殺された。
楽毅により滅亡寸前にまで追い詰められるも、田単の活躍により襄王が即位し、何とか斉は復興した。とはいえ国力は激減しており、かつてのように秦と天下を争うのは無理になった。
[編集] 斉の滅亡
その後、斉は秦によって滅ぼされてゆく他国を傍観する政策を取った。確かに、この政策により短い間の平和を手に入れることができたが、その結果最後には全く味方がいない状態で秦と向かい合うことになった。紀元前221年に秦王政に派遣された将軍王賁により最後の王建が捕らえられ、斉は滅亡した。
[編集] 斉の復興と滅亡
趙高によって秦が衰退すると、かつて秦に滅ぼされた田氏が反乱軍に参加する。そして秦滅亡後の項羽の封建によって、田氏である田都が斉王となり斉を復興した。だが不満を持つ同じく田氏の田栄が田都を殺害し反乱が起き、項羽が斉討伐に向かうことになった。この戦いで項羽により田栄は敗北、庶民に殺害されると田広が斉王となり抵抗する。この時項羽は多数の斉の捕虜を生き埋めにして殺害していたために、斉は必死になって抵抗し攻め落とすことができなかった。この時に劉邦が蜀から挙兵し、関中と彭城を手にしたために項羽は斉を倒すことができずに反転し、劉邦軍と戦うことになった。
その後、劉邦配下の韓信による諸国征伐が開始するが、劉邦の配下酈食其が斉との同盟を結ぶ使者として訪れ劉邦と斉が同盟する。だが、韓信はそれを無視して斉を攻撃してきたために斉王である田広は怒り、酈食其を釜茹での刑にして殺し、韓信軍と戦うことになるが韓信軍に敗北し続けたため、項羽より斉の援軍として竜且が20万人もの兵士を送ったものの、韓信の嚢沙の計（水計）により20万人の軍は壊滅。田広はたまらず逃げ出すものの捕まり、韓信によって処刑され斉は滅亡し、韓信が代わりに斉王となった。
