玄椿
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『玄椿』(くろつばき)とは、漫画家の河惣益巳が描く漫画のシリーズ名である。「月刊メロディ」掲載。
[編集] 概要
主人公は祇園甲部の芸妓(げいこ)、「胡蝶」。舞いの天才として生を受けた彼女を取り巻く人間模様が描かれる。
[編集] 登場人物
- 結花
- 祇園甲部の置屋「清白屋(すずしろや)」に所属する芸妓。芸妓としての名前は「胡蝶」。父親は歌舞伎俳優の北浜京次郎(死亡)で、母親は同じく清白屋所属の芸妓だった「相模」(死亡)。夫は恵慈。姉芸妓は「乙女」。京舞井上流の舞いの達人。夫を深く愛しているが、自分の芸を受け継がせる子供を産む為、各界の舞踊の名手を愛人に持つ。金剛流の仕舞の名手でもある。芸妓名は椿の品種「胡蝶侘助」より。
- 若宮虹之助
- 若手歌舞伎俳優で結花の愛人の一人。恵慈の弟分。恵慈に認められて「胡蝶」の後継者の為の種を提供することになった。
- 若宮虹四郎
- 歌舞伎俳優。結花の愛人の一人。虹之助の父。
- 天倫
- 清白屋の先代の女将。現在は引退して夫とともにハワイ在住。若くして逝った二人の娘(英勝・相模)の忘れ形見たちを気にかけている。芸妓名は椿の品種「天倫寺月光」より。
- 乙女
- 本名千津。元清白屋所属の芸妓で、現在は清白屋の女将。西陣の染め屋の娘であったが家が破産・廃業した際に清白屋の先代の女将だった「天倫」に引き取られた。姉芸妓は相模。バイタリティ溢れる女性で、恵慈が中学生だった頃に童貞を強奪したこともある。芸妓名は椿の品種「乙女」より。
- 相模
- 本名不明。清白屋所属の芸妓で舞いの名手であったが早死にした。祇園にある辰巳大明神の境内に捨てられていた所を「天倫」に拾われ、養女となる。姉芸妓は「英勝」。芸妓名は「相模侘助」より。
- 英勝
- 本名不明。清白屋所属の芸妓であったが早死にした。「天倫」の実の娘。芸妓名は「英勝寺佗助」より。
- 唐糸
- 本名不明。清白屋所属の舞妓。もともと井上流を習っていたが両親の海外赴任に伴い清白屋に入って舞妓となる。姉芸妓は「胡蝶」。芸妓名は「菱唐糸」より。
- 太郎
- 本名は摩歩。清白屋所属の舞妓。高校では陸上選手としてインターハイ優勝を経験したが、女らしさに乏しい自分にコンプレックスを抱いていた時に「胡蝶」に出会い、芸妓を志す。姉芸妓は「胡蝶」。芸妓名は「太郎冠者」より。
- 夏世
- 清白屋の裏にあった置屋「芙蓉」の一人娘。京都大学医学部を出た後、アメリカでの勤務医を経て実家を医院に改装して開業。乙女の中学校の同級生で恵慈や清白屋の芸妓・舞妓たちの良き姉貴分。
- 魔王尊
- 鞍馬寺の本尊の一柱。胡蝶の舞いのファンで、しばしば物語に絡む。
- 阿吽
- 鞍馬寺の毘沙門天が清白屋に用がある際に使わす二匹の虎。恵慈の料理が大好物。
[編集] その他
胡蝶ら清白屋の芸妓・舞妓たちの師匠は五世井上八千代であるが、この女性の夫の九世観世銕之亟は成田美名子の漫画『花よりも花の如く』の監修者で、作中に登場する相羽匠のモデルである。