清濁
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清濁(せいだく)とは、中国音韻学上、清音と濁音を総称する。清音は、全清と次清に分けられ、濁音は全濁と次濁に分けられる。清濁の分類は声母(音節頭子音)について言及したものである。狭義として韻図では次濁のことを清濁と呼んでいる。
主として中古音の五音三十六字母の体系において用いられる。また日本語の仮名や朝鮮語のハングルの分類にも用いられることがあった。
[編集] 中古音と現代中国語の清濁と声調の関係について
現代中国語(普通話)では、中古音にあった無声音(清音)と有声音(全濁)の対立はなくなり、全濁は無声音化した。
また四声の入声は消失し、母音で終わる音節となり、それぞれの声調に分配されたが、だいたいにおいて全濁は全清(無気音)第2声、次濁は第4声となっている。
平声は無声音(全清・次清、いわゆる陰平)が第1声、有声音(全濁・次濁、いわゆる陽平)が第2声となった。また全濁は次清化している。このため普通話における次清第2声のほとんどが中古音の濁音である。
上声、去声はそのまま第3声、第4声となることが多いが、全濁の上声・去声はともに全清の第4声となった。
中古音 | 普通話 | ||
---|---|---|---|
全清 | 平声 | 全清 | 陰平(第1声) |
上声 | 上声(第3声) | ||
去声 | 去声(第4声) | ||
入声 | それぞれ | ||
次清 | 平声 | 次清 | 陰平(第1声) |
上声 | 上声(第3声) | ||
去声 | 去声(第4声) | ||
入声 | それぞれ | ||
全濁 | 平声 | 次清 | 陽平(第2声) |
上声 | 全清 | 去声(第4声) | |
去声 | 去声(第4声) | ||
入声 | 陽平(第2声) | ||
次濁 | 平声 | 次濁 | 陽平(第2声) |
上声 | 上声(第3声) | ||
去声 | 去声(第4声) | ||
入声 | 去声(第4声) |