池田鉄道
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池田鉄道（いけだてつどう）とは、長野県南安曇郡穂高町（現・安曇野市）の信濃鉄道（現・JR大糸線）の安曇追分駅から長野県北安曇郡池田町の北池田駅を結ぶ鉄道路線を有していた鉄道事業者である。
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[編集] 概要
信濃鉄道の路線は安曇追分～信濃松川間では高瀬川左岸地域に建設されたため、これに取り残された右岸地域の都邑である池田町の住民主導により設立・敷設された。資本面では信濃鉄道の子会社で、当時、信濃鉄道が電化されていたことから、これに合わせて電気動力を使用し、電力についても信濃鉄道から受電、また電車についても信濃鉄道と同形の電車を導入した。このように、実態は信濃鉄道の支線であった。
しかし開業後の経営は芳しくなく、世界恐慌に伴う不況下で四十雀（＝始終空）電車の異名を取るほどの苦境を強いられた。費用節減のため電気動力を廃止して気動車運行に置き換えるなどの合理化を図ったが効果が薄く、1937年に信濃鉄道が路線を国に買収され解散したことで経営が更に困難となった。信濃鉄道同様に国有化を希望したものの断られ、最終的に1938年6月6日には全線が廃止された。
逢染駅～南池田駅間では道路を東西に横切っていた。
[編集] 路線データ
[編集] 運行形態
1933年9月15日改正当時
- 旅客列車本数：一日約20往復（なお当時、すべての駅で列車交換は行われていなかった）
- 所要時間：全線14分
- 参考リンク 1933年9月15日改正当時の池田鉄道線時刻表 [1]
[編集] 歴史
- 1926年9月21日 池田鉄道が安曇追分駅 - 北池田駅間を開業する。当初より電気動力（直流1500V電化）。
- 1931年10月22日 ガソリン動力併用認可。実際の気動車導入は1936年下期。
- 1937年6月1日 信濃鉄道が国家買収により国鉄大糸南線となる。これに伴い安曇追分駅も国鉄の駅となる。
- 1937年8月 全線の電気運転を廃止。
- 1938年6月6日 全線を廃止する。
[編集] 駅一覧
- 安曇追分駅：当線の始発駅。信濃鉄道→国鉄大糸南線（現・JR大糸線）と接続。
- 十日市駅：安曇追分駅起点1.5km。
- 会染駅：安曇追分駅起点3.0km。
- 南池田駅：安曇追分駅起点5.1km。
- 信濃池田駅：安曇追分駅起点6.0km。当鉄道の本社が駅の隣にあった。
- 北池田駅：安曇追分駅起点6.9km。当線の終着駅。
[編集] 接続路線
- 安曇追分駅：信濃鉄道→国鉄大糸南線（現・JR大糸線）
[編集] 車両
開業の際には電車2両（デハ1・2）を準備した。日本車輌製造で新製した木造ボギー電車である。信濃鉄道の主力電車であるデハ1形と同形の片側3扉の大形電車であり、直通運転をも考慮した措置であった。
しかし長引く経営不振から電気代の支払いにも事欠くようになり、1936年には電車を2両とも信濃鉄道に譲渡して負債の一部整理に充てた。そして内燃動力への切り替えで合理化を図り、電車売却代金の一部で日本車輌製の半鋼製2軸ガソリンカー2両（キハ1・2）と加藤製作所製のガソリン機関車1両（1）を新製した。逼迫した実情の伺われる陣容である。
電車売却後もしばらくは電化設備を残し、多客時には信濃鉄道から電車を借り入れ運転することを目論んでいたが、実際にはそこまでの活用には至らず、ほどなく1937年6月に電気動力廃止を申請、8月1日付で電気動力を廃止した。気動車2両は廃線後、金名鉄道（後の北陸鉄道金名線、1987年廃線）および相模鉄道（現・JR相模線）に1両ずつ売却された。
貨車は自社では保有せず、国鉄から直通させていた。
[編集] 遺構
終点北池田駅の駅舎は近くに移設され、別目的で使用されている。
[編集] 関連項目と外部リンク
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