武村正義

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武村正義（たけむらまさよし、男性、昭和9年（1934年）8月26日 - ）は、日本の政治家。元衆議院議員（4期）。滋賀県八日市市（現・東近江市）出身。

[編集] 概要

[編集] 環境政治家

滋賀県立八日市高等学校を経て、名古屋大学工学部に入学し、その後、再受験し東京大学教育学部に入学。その後同大学新聞研究所をへて経済学部学士入学、経済学部卒業。1962年、自治省に入省する。愛知県、埼玉県に出向。

1971年郷里の八日市市市長に立候補し当選。1974年、滋賀県知事選に立候補し、当選する。滋賀県知事時代は県民との対話を重視し、住民運動を先取りした県政との高い評価を受けた。実績としては、琵琶湖の汚染を防ぐために、全国最初の合成洗剤追放条例（滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例）や、風景条例の制定など、全国的に注目を集めた環境保全条例の制定があげられる。また、1984年には国際湖沼環境会議を大津市で開催した。県知事には無投票で1978年に再選、1982年に三選された。

[編集] バルカン政治家

1986年、第38回衆議院議員総選挙（衆参同日選挙）に自由民主党公認で立候補し、国政へ進出。自民党では、福田赳夫派－安倍晋太郎派－三塚博派（清和会）に所属する。政策集団・「ユートピア政治研究会」を三塚派若手を中心に作り、金のかかる政治に対する改革を訴えた。

1993年 6月、宮澤喜一内閣不信任案可決に伴う衆議院の解散（いわゆる「嘘つき解散」、ただし武村自身は不信任案に対して反対票を投じている）を機会に、10人の議員とともに自民党を離党、新党さきがけを結成し、党代表となる。7月の第40回衆議院議員総選挙で13議席を獲得。知事時代から親しい関係にあった細川護煕の日本新党と、院内統一会派「さきがけ日本新党」を結成し、細川とともに共同代表となる。衆院選後の政局でキャスティングボートを握り、後藤田正晴を中心とする自民党内政治改革推進派と提携しようとするが、8月、新生党の小沢一郎代表幹事の工作によって、細川を首班とする非自民連立政権が誕生し、武村は内閣官房長官に就任した。連立政権の中では、細川の女房役として、連立政権のキーパーソンに一躍浮上した武村は、「ムーミンパパ」の愛称でソフトなイメージを出し、政治改革やコメ自由化などで細川政権を支える一方で、与党代表者会議を主宰する小沢一郎と対立することで自分を際だたせることに成功するしたたかな面を見せ、三木武夫以来の「バルカン政治家」とも称された。但し自分の意見が通らないとマスコミに対し細川との不和を漏らすなど、結果的に政権の不安定要因を作り出した。細川は、当初、連立内閣を小沢と武村のバランスに立って運営していたが、次第に小沢に傾斜し、国民福祉税構想発表の際は、武村は、「過ちを改めるに憚ることなかれ」と発言し、細川との間は急速に冷却化していった。細川辞任後、「さきがけ日本新党」は解消され、日本新党とさきがけの合同は構想だけで終わった。

1994年 4月の羽田孜内閣の成立に当たっては、閣外協力に転じ、院内会派「改新」には参加しなかった。この間、水面下で自民党、連立から離脱した社会党と交渉を重ね、6月24日自社両党と連立を組み、村山富市自社さ連立内閣を成立させる。武村は大蔵大臣に就任、1995年の村山改造内閣でも留任する。蔵相としては、消費税率の引き上げなどの税制関連法案の制定や、住宅金融専門会社の処理問題に当たった。同年9月フランスの核実験再開に当たり、タヒチでの抗議集会に参加した。一方阪神大震災の住民支援策に関し「日本は私有財産制国家なのだから、住民は行政に頼るのではなく、生活再建は自己責任で行なうべき」と発言し、反発を招いた。

さきがけの代表幹事、鳩山由紀夫との間に新党構想をめぐり対立、鳩山や菅直人らは離党し、民主党を結成した。1996年 8月、代表を辞任し、井出正一が後任の代表となる。民主党の結成に対しては入党を希望したが、鳩山の構想では自身の影響力を保持できないと反発、結果として入党すら拒まれて四面楚歌に会う。仕方なく1998年 5月に代表復帰、さきがけは閣外協力の形で自民党政権を支えたが、党勢の退潮に歯止めが効かず埋没、10月に党名を「さきがけ」に改称し事実上解党する。

2000年、第42回衆議院議員総選挙に無所属で立候補するも、落選。2001年 3月、さきがけを離党し民主党に入党した。同年10月の衆議院補欠選挙では立候補に意欲を見せるも、病気の悪化などがあり断念し、事実上の政界引退となった。2004年に旭日大綬章を受章。現在は、病気を克服してかつて非常勤講師を勤めていた龍谷大学にて客員教授として再び教檀に立っている。