松橋慶季
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松橋 慶季（まつはし よしき、旧名:義喜（よしき）、秀康（ひでやす）1934年1月10日 - ）は、昭和中期から末期（1950年代後半-1980年代）のプロ野球選手、プロ野球審判員。元セントラル・リーグ審判員。、長野県長野市出身。
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[編集] 来歴・人物
長野北高校(現：長野高校)→阪急ブレーブス→国鉄スワローズ（現役時代は捕手。元国鉄の外野手で、1955年セ・リーグ本塁打王の町田行彦氏とは高校の同級生である）を経てセ・リーグ審判員。セ・リーグ袖番号は26（1988年のみ。またこの番号は、事実上永久欠番となっている）。阪急から国鉄に移籍したのは、長野に母を一人残しているので、長野から遠い西宮でプレイするのを好まなかったからである。国鉄時代は、大エース金田正一と同学年（松橋は早生れ）バッテリーを組んでいたこともあり、公私ともよく面倒を見てもらっていた。
1965年、31歳にして日本シリーズ出場を果たし、1976年の日本シリーズ第7戦で球審を務めるなど着実にキャリアを積み重ねたが、1988年に一塁塁審をつとめていた時にミスジャッジを犯してしまい、審判員としての限界を感じたため、定年まで1年を残して引退。通算試合出場数は3162、オールスターゲーム8回、日本シリーズ8回出場。大きなお腹、まん丸な顔に大きな目がトレードマークで、「松っちゃん」の愛称で選手からも親しまれた。現在は少年野球教室などで活躍中。趣味が「ゲテモノ・グルメ」という変りものであり、グラウンド外では故三浦真一郎元審判とよくつるんで悪さをしていた。また、岡田功元審判部長、三浦とは近所住まいだったため、三人でよく一緒にゴルフに行く仲だったらしい。
ストライクコールが独特であり、高々と手を上げて手を回す仕草が特徴であった。後年インサイドプロテクターに変更してからは、右打者の時は右手、左打者の時は左手でジャッジするという凝りようだった。
オールスターの出場も多く、1986年の第二戦（7月20日・大阪球場）で阪神の川藤幸三がレフトオーバーの打球に鈍足を飛ばすもあえなくタッチアウトとなった場面で、二塁塁審として、笑みを浮かべながらアウトのコールをしていた。
[編集] 長嶋監督とのエピソード
- 後楽園球場での試合での事。松橋氏が球審をしていて際どいコースを「ボール！」と判定したところ、1塁側ベンチに座っていた読売ジャイアンツ・長嶋茂雄監督が「何処見てんだ出目松！」と野次ると、松橋球審はタイムを宣告し1塁側ベンチへ。しばらくベンチ内を見渡してヤジの主である長嶋監督を見つけるないなや、「なんだチョースケ！」と野次り返す。これを聞いた長嶋監督は、「いやいや、すまんすまん」と参った様子で松橋球審をホーム方向へ向けるとそのままポンと背中を押した。すると松橋球審は、「ヨッ！」と歌舞伎役者が「たたら」を踏む感じで元の場所へ戻った。これを見た観客達から拍手喝さいを受けた。
- 同じような場面で「何か文句あんのか、チョーゴロー！」と言ったこともある（本人は目が飛び出ている容姿にコンプレックスを感じていて、審判仲間はもちろん、選手・監督・コーチはその事を口にするのをタブーにしていた。）。
- 長嶋茂雄の引退試合と、息子・長嶋一茂（当時長島一茂）の公式戦初試合で、ともに球審を務めていた。松橋本人は、一茂がデビューした1988年引退である。
[編集] 背面投げに驚く
- 1969年に中日ドラゴンズの小川健太郎が前代未聞の背面投げを披露しているが、松橋氏は小川投手からこれを投げると予告されていたのだそうだ。これは本人が引退した翌年に書いた自著「プロ野球審判の大逆襲」の中で明かしているがそれによると・・・・。
（小川） 「背中から投げたらどうします？」
（松橋） 「さぁ～・・・どうだろうねぇ～」
（小川） 「実際に投げたらどうしますかね？」
（松橋） 「別に・・・どうってことはないんじゃないか？」
（小川） 「へへへへへ・・・・・」
小川本人の予告に松橋氏は「まさかやるはずがない。」と懐疑的になっていたがいざ塁審として小川のピッチングを見るや「ありゃ!!やりやがったぁ!!!!」と仰天してしまったのだ。
[編集] ヤクザが謝りにきたという話
自著「プロ野球審判の大逆襲」にはこんなエピソードがある。
あるゲームでやたらでかい声で野次を飛ばす客を見た松橋審判は「うるせぇぞこの野郎!!!!」と怒鳴りつけ黙らせたが審判仲間から「やめてくださいよ…」と止められた。松橋審判は何故だと聞くと、
「あれは○○組系○○一家の大幹部ですよ。」
すなわち野次の主はヤクザの大幹部であったというわけである。主がヤクザの大幹部だから下手をすれば半殺しの憂き目に会うなんて事が考えられるから松橋審判はう～んと考え込んでしまったがそのうちに主たるヤクザの大幹部が「おい」と松橋審判の目前に!「でたぁ!!!」と一瞬固まった。しかしヤクザの大幹部が発した言葉は…
「顔見ておどけるな。さっきは悪かった。なかったことにしてくれ。」
すなわち謝りにきていたのである。このエピソードは松橋審判のみなのはご存知の通りだ。
