松山省三

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松山　省三（まつやま　しょうぞう(まつやま　せいそう)、1884年 9月8日 - 1970年 2月4日）は、洋画家。実業家。

[編集] 来歴・人物

広島県広島市出身。日本中学校（現日本大学第三高等学校）を経て東京美術学校（現東京芸術大学）洋画科卒業後、白馬会の岡田三郎助に師事、院展などに出品した。パリに憧れ留学が夢だったが、義父が小豆相場に失敗して断念。親友の劇作家・小山内薫に勧められ、美術学校時代の教授だった黒田清輝らに聞かされたパリの「カフェー」のような、文人や画家達が集い議論出来るサロン的な場所を作りたいと1911年3月、京橋日吉町（現・銀座8丁目）に｢カフェー・プランタン｣を開業した。

日本で初めて「カフェー」と名乗り、珈琲やサンドイッチなど、さらに食事も出来て、たくさんのお酒も揃えた。このためこういう形態の店としての日本で第1号とされる。職業画家としては筆を置き大成できなかったが、日本の「事始め」や「飲食文化史」に名前を残すこととなった。小山内が、仏語で春を意味する「プランタン」と命名し、制度の理解を得るため会費50銭で維持会員を募り会員制とした。会員には森鴎外、永井荷風、谷崎潤一郎、岸田劉生、岡本綺堂、北原白秋、島村抱月、市川左團次 (2代目)ら錚々たるメンバーが名を連ね大いに賑わった。店の壁は彼らの落書きで埋まり、店の名物になったという。またフランスのカフェにはいない女給、今でいうウェイトレスが人気を得たため、この後、女給を「売り」にするカフェーも登場した。

1923年9月、関東大震災でカフェーが焼け銀座通りに移転。また翌年牛込神楽坂に支店を出した。こちらの店は文化人の他に慶大、早大生に特に愛されたという。また松山が欧米で流行し始めた麻雀牌を持ち込み、この店で麻雀に興じた菊池寛、濱尾四郎、久米正雄らによって1929年、日本麻雀聯盟が結成され日本麻雀の基礎が作られた。この神楽坂店は約2年営業、本店は1945年3月まで営業を続けた。