来るべき世界
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| 来るべき世界 Things to Come |
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| 監督 | ウィリアム・キャメロン・メンジース |
|---|---|
| 製作 | アレクサンダー・コルダ |
| 脚本 | H・G・ウェルズ ラホス・ビロ |
| 出演者 | レイモンド・マッセイ セドリック・ハードウィック マーガレッタ・スコット ラルフ・リチャードソン |
| 音楽 | アーサー・ブリス |
| 撮影 | ジョージ・ペリナル |
| 編集 | チャールズ・クリフトン フランシス・リオン |
| 配給 | ユナイテッド・アーティスツ |
| 公開 | 1936年2月20日 ロンドン |
| 上映時間 | 100分 |
| 製作国 | 英国 |
| 言語 | 英語 |
| 制作費 | 30万ポンド（当時） |
| allcinema | |
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| IMDb | |
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来るべき世界（きたるべきせかい、Things to Come)は1936年の英国映画。
1930年代のヨーロッパＳＦ映画には英国も一つの業績を遺している。ウィリアム・キャメロン・メンジース監督のこの作品である。すでに68歳なのになお意気盛んだったH・G・ウェルズが書き下ろしたシナリオを得た製作者アレクザンダー・コルダは、『バクダットの盗賊』（1924）などの壮麗なセットで有名だったハリウッドの美術監督ウィリアム・キャメロン・メンジースを招いて監督を任せることにした。1931年から3本ほど美術を兼ねて共同監督をした経験はあるが、単独の演出はこれが最初だった。美術監督にはヴィンセント・コルダが協力、撮影はルネ・クレールとのコンビで名声を挙げていたジョルジョ・ペリナール。
メンジースはその後の作品でも証明されたように、メンジースはドラマ映画の監督としては敏腕とは言えず、劇的な盛り上がりが不足し、退屈な所が多かったのである。
それでもこの作品がSF映画史上に重要な地位を占めているのは、未来社会テーマの作品として非常にがっちりした壮大なスケールを持ち、その後のSF映画の規範となった要素をたくさん含んでいたからである。
[編集] ストーリー
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
場面は1940年、場所はどこの町でもいいという設定で、「エヴリタウン」ということになっているが、実はロンドンのオックスフォード・サークルがモデルだったという。クリスマスで町がにぎわっている最中、ジョン・キャバル（レイモンド・マッセイ）という平和主義者が友人のパスワーシー（エドワード・チャップマン）たちに迫り来る戦争の危機を防ぎたいと語っている。と、突如としてラジオが敵の爆撃機がイギリスに侵入したことを告げ、街が動員された兵士であふれるうちに爆撃が始まる。
ともかくこうして始まった戦争は果てしなく続き、武器もどんどん発達していく。戦争は20年間続き、1966年になり、世界の文明は崩壊し、人々は原始的な生活を余儀なくされ、疫病が蔓延し、廃墟のようになったエヴリタウンはチーフと呼ばれる権力者（ラルフ・リチャードソン）に支配され、丘族とよばれる石油プラントを保持する連中と対立している。また、辛くも文明を保持できたバズラという町には飛行者と呼ばれる科学的なグループもいるらしい。ある夕方一台の飛行機が飛んで来た。操縦士はかつてのジョン・キャバルであった。彼は権力者の前に曳き出され、エヴリタウンの新戦争に参加する事を強いられたが、これを拒絶したため監禁された。ゴードンはキャバルの飛行機を秘かにに取出し、近代科学の都市バラスへ飛んでいった。間もなく彼の先導によって飛来した一群の飛行機の為にエヴリタウンは征服された。
災疫から立ち直り科学的な進歩を遂げたエヴリタウンは、やがて2036年を迎える。市民の生活様式はすべて画一化されている。この画一的な機械文明に我慢ならず、昔のよき時代にかえそうという彫刻家のテオトコプロウス（セドリック・ハードウィック）はキャベル家の4代目の孫オズワルド（レイモンド・マッセイの2役）と対立する。オズワルドは自分の娘と親友のパスワーシー家の息子をスペース砲で発射する宇宙艇に乗せ月へ行かせようと計画、テオトコプロウスに煽動された群衆の追跡を逃れて発射装置にたどりつき、パスワーシーと2人で打ち上げられた宇宙艇を見送りながら人間の在り方について語り合う。
[編集] エピソード
- 公開当時の英国の観客はロンドン爆撃を馬鹿らしいと笑ったそうであるが、これは第二次世界大戦におけるドイツ空軍によるロンドン爆撃を見事に予言している。
- 特に未来世界のセットにしろ衣装にしろ、戦後のアメリカのSF映画の未来世界の描写はこの作品から非常の多くの影響を受けている。
- 今日のわれわれの日常生活に入り込んでいるテレビ（それも薄型テレビ！）をはじめいろいろな発明が登場してくるのも、今振り返ってみれば先見の明として感心させられる。
[編集] スタッフ
- 監督： ウィリアム・キャメロン・メンジース
- 製作： アレクサンダー・コルダ
- 原作： Ｈ・Ｇ・ウェルズ
- 脚本： Ｈ・Ｇ・ウェルズ、ラホス・ビロ
- 撮影： ジョージ・ペリナル
- 特撮： ネッド・マン、エドワード・コーエン
- 音楽： アーサー・ブリス
