束帯
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束帯(そくたい)は平安時代以降の天皇以下公家の正装(平安装束)。衣冠を「宿直(とのい)装束」と呼ぶのに対し束帯は「昼(ひの)装束」と呼ばれる。
束帯の構成は、下着に半臂(はんぴ)・下襲(したがさね)・袙(あこめ)・単(ひとえ)を着た上で袍を着用、袴に大口・表袴をはき、足には襪(しとうず)を履き、冠をかぶり、帖紙(たとう)と檜扇を懐中し、笏を持つ。袍の色、紋様には身分による決まりがあった。また、袍の後から伸びる下襲の裾は、身分が高いほど長くなった。
なお、束帯には文官・武官による区別があり、文官と四位以上の武官は「縫腋(ほうえき)の袍」を用い垂纓の冠、それ以下の武官は「闕腋(けってき)の袍」を用い巻纓の冠とした。さらに、武官と中務省の官人、参議以上の文官は勅許を得た上で帯剣した。
衣冠が宮中での勤務服として定着するにつれ、束帯は儀式に用いる儀礼的な服となった。