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損害保険契約

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

損害保険契約(そんがいほけんけいやく)とは、損害保険に関する契約である。

目次

[編集] 損害保険契約

[編集] 損害保険契約の定義

損害保険契約の定義は、商法第629条に規定されている。なお、保険者は「損害の填補(てん補)」を行うものであり、必ずしも保険金の形で金銭を交付する義務を負っていないことに注意。 「損害保険契約ハ当事者ノ一方カ偶然ナル一定ノ事故ニ因リテ生スルコトアルヘキ損害ヲ填補スルコトヲ約シ相手方カ之ニ其報酬ヲ与フルコトヲ約スルニ因リテ其効力ヲ生ス」 ここで、「当事者ノ一方」とは「保険者」であり、「相手方」とは「保険契約者」、「報酬」とは「保険料」をいう。 その他保険、例えば火災保険は同665条 、運送保険は同669条 、船舶保険は同818条 、貨物保険は同819条 に規定がある。

[編集] 損害保険契約の法的性質

  • 損害保険契約は双務契約である。保険者は保険金支払義務があり、契約者は保険料支払義務があり、両者は対価関係にある。債務不履行の場合には民法の一般原則が適用されるが、なかには同時履行の抗弁(第533条)など約款で修正されるものがある。
  • 損害保険契約は有償契約である。有償契約とは、契約の当事者が互いに対価的な支出を伴う契約をいう。ここでは、保険料と保険金が対価的な関係にたっている。
  • 損害保険契約は諾成契約である。(商法第629条、673条)。保険者に保険責任が生じるためには約款上、保険料の支払いを要するとしていることが多く、要物契約(当事者の合意だけでなく目的物の交付によって成立する契約。ここでは保険料の支払いが目的物。)と誤解されることが多いが、法律上はそうではなく、保険契約を要物契約と規定する法律は存在しない。
  • 損害保険契約は不要式契約である。対する「要式契約」は契約上の意思表示が一定の方式で行われたときに成立する契約をいう。契約方式自由の原則もと近代法下では要式契約は婚姻・離婚などの身分契約以外では少ない。しかし、取引慣習上および保険募集から契約締結にいたるまで、保険業法に基づく行政による規制があり、保険契約申込書の作成が契約に際して行われることから、要式契約に近い(ただし、厳密には異なることに注意)。
  • 損害保険契約は射倖(しゃこう)契約である。射倖契約とは、当事者の一方または双方の契約上の義務が具体化するか否か、またはその大小いかんが偶然の約束事によって左右されることを本質とする契約のことをいう。損害保険契約は、この射倖契約の性質があるために公序良俗に反しないよう、次の規制が行われている。
    • 被保険者が被保険利益を有しないときは、損害保険契約は無効
    • 契約者は契約締結時に重要事実の告知義務を負う
    • 契約者または被保険者が故意または重大な過失により保険事故を発生させたときは、保険者は保険金支払事故を免れる(ただし個別商品において、約款で重過失は免責としないものがある)


[編集] 損害保険契約を規律する法律

[編集] 損害保険契約を直接規律するもの

損害保険契約を規律する法律として、以下を挙げる。まず、基本法である民法があり、その特別法としての商法がある。更にそれらの特別法として保険業法その他がある。

  • 民法(後記で掲げる1条2項、91条、533条、537条をそれぞれ参照のこと。)
  • (民法の特別法である)商法第二編商行為第10章が保険関連である。
  • 保険業法
    金融庁はその所管 の事業者に対し、監督の実効性を担保するため、各業法(銀行法、保険業法等)により規制している。保険会社に対しては保険業法に基づき監督が行われるが、契約に関するものは主として次のとおりである。本法で保護すべき対象は、保険契約者等(被保険者を含む)であり、保護の程度は個人、法人等により異なる 。
    • 第300条(保険契約の締結又は保険募集に関する禁止行為)。不正競争防止法と重複する部分もあるが、一般事業者よりも規制が強化されている。なお、この点に関しては保険会社側より規制緩和を求める声が出ている。
    • 第309条(保険契約の申込みの撤回等。いわゆる「クーリングオフ」)。一般事業者は特定商取引に関する法律 により規制されている。
  • 自動車損害賠償保障法(自賠法)、原子力損害の賠償に関する法律(原子力損害賠償法)
    これらの法律では、被害者の保険会社に対する直接請求権を規定している 。
  • その他
    消費者契約法第10条に規定があるが、保険契約が同法第2条第3項にいう消費者契約該当するかは議論がある。なお、法例通則法によれば、保険契約も消費契約に位置づけられている。

[編集] 各取引主体を通じて損害保険契約を間接的に規律するもの(監督法)

  • 保険会社を規制するもの
    保険会社の組織・業務は保険業法(平成7年法律第105号)で規制される。特に、同法第128条(報告または資料の提出)~第134条(免許の取消し等)により事業内容の詳細が規制される。損害保険契約の中心をなす約款の内容は第4条(免許申請手続)第2項、第5条(免許審査基準)第1項に基づき、監督行政を通じて規制される。「保険業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、行うことができない」(第3条第1項)が、保険業を営もうとする事業者が行う免許(注:免許が必要なものは、原則として罰則を伴う禁止行為とされる)申請に際しては、①定款、②事業方法書、③普通保険約款 、④保険料および責任準備金算出方法書等が審査される。
    ※企業分野の保険では既に認可を得た事項について一定範囲内で届出により変更可能とされている(保険業法第123条(事業方法書等に定めた事項の変更) および保険業法施行規則第83条(事業方法書等に定めた事項の変更に関する届出)を参照)。
  • 個人を規制するもの
    保険業法第186条第2項 では、個人でも海外の保険会社等と保険契約を締結する場合には予め許可が必要としている。許可を受けない場合には50万円以下の過料に処せられる場合がある(保険業法第337条第1項)。なお、この許可申請は金融庁ホームーページで電子申請 が可能である。
  • その他の会社を規制するもの
    独立行政法人日本貿易保険を規制する日本貿易保険法、船主相互保険組合を規制する船主相互保険組合法 、火災共済協同組合その他各種協同組合を規制する中小企業等協同組合法がある。なお、上記に挙げるような根拠法のない共済事業については平成18年4月の改正保険業法の施行により小額短期保険業 あるいは保険業として規制されることとなった。
    (注)以下は、これらと区別の法律により規制されるものを除き、一般に損害保険会社との間で行われる損害保険契約について取り上げることとする。


[編集] 普通保険約款

普通保険約款に(最低限)何を定めるべきかについては、保険業法施行規則第9条 に規定がある(絶対的記載事項)。その他の規定を約款に置くこともできる(任意的記載事項)が、公序良俗、法令に反することはできない。ここでは、「行政」「法律」「裁判」による記載について取り上げる。

[編集] 行政による契約内容への介入

  • 基礎書類
    保険業を営もうとする者による免許申請手続は、保険業法第4条(免許申請手続)第2項、規則第8条第1項第6号に基づき行われる。審査基準は保険業法第5条(免許審査基準)に定められている。認可を受けた事項の変更は、保険業法第123条(事業方法書等に定めた事項の変更)第1項、第124条(事業方法書等に定めた事項の変更の認可)第1項に定める手続きよる。監督官庁である金融庁は、保険会社に対し第131条(事業方法書等に定めた事項の変更命令)に基づき、認可・届出内容の変更を命じることができる(この場合は、変更命令後に引き受けられる保険契約からの適用となる)。なお、認可違反であっても契約は有効であり。行政罰は別の問題である 。
  • 契約のしおり
    保険会社は約款および契約に関する説明を記載した「契約のしおり」を、保険業法100条の2(業務運営に関する措置) および保険業法施行規則第53条第1項第8号に従い、契約者に対して交付するが、この契約のしおりに記載された内容も契約の一部を構成する。


[編集] 法律による契約内容の規制

前記のとおりであるが、基本は民法第91条 で公序良俗に反するものは無効とされるほか基本的には契約内容の定めは自由に行ってよい(契約自由の原則)。例外は商法第674条。

[編集] 裁判による契約内容の修正

約款解釈の態度は「客観的に」かつ「平均的な保険契約者の理解可能性」を標準として行うべきであるとされる。 裁判所は一般に約款の拘束力を認めている。火災保険の例だが、大正4年12月4日大審院判決(民録21輯(しゅう)2182頁)がある 。 裁判実務において約款解釈が保険者に不利とされる「作成者不利の原則」は、信義則(民法第1条第2項)から導き出される。保険者は約款を一方的に作成しうる地位にあるが、そうした地位にある保険者としては自己の利益のみを考慮した約款を作成することは許されず、その内容を公正なものとすることが信義則上要請されるからである。なお、約款の拘束性は認めたうえでの解釈指針にとどまるものであることに注意が必要である、つまり、前記のとおり行政による契約内容への一定程度の介入があることを前提とすれば、法的安定性の要請から、裁判所の解釈による修正は、文字通りの意味ではとくに不合理な結果となる場合に限定され、解釈により修正が行われる場合でも比較的狭い範囲に限定することが適当とされている。

  • 例1 最高裁平成9年3月25日判決(民集51巻3号1565頁)で、火災保険普通保険約款第22条ただし書にある「30日条項」は合理性がなく、当該期間経過後は保険金支払の遅滞責任がある、とされた。
  • 例2 最高裁平成15年7月18日判決(民集第57巻7号838頁)で、税理士特約第5条第2項に関し、モラルリスクがない場合には適用されないとされた。


[編集] 損害保険契約成立の要件

いずれも、後記「保険証券」記載事項である。

[編集] 当事者・関係者

契約者、被保険者、保険者が当事者・関係者である。契約者は保険料支払義務がある。被保険者は後記「被保険利益」を有する者でなければならず、そうでなければ契約が無効とされるので、保険者は保険契約の締結にあたり、保険の目的と被保険利益の存在、被保険者の関係の確認を行う。 保険契約は、契約者と被保険者の関係により次の2つの類型に大別される。

  1. 自己のためにする損害保険契約 契約者=被保険者
  2. 他人のためにする損害保険契約 契約者≠被保険者
    このうち、2.は民法上、第三者のためにする契約(民法第537条)の一種であるが、特別法である商法上は被保険者は受益の意思表示を行うことは不要とされ、当然にその契約の利益を享受する(商法第648条)と修正されている。

[編集] 保険事故

「保険事故」とは、「保険者の損害てん補義務を具体化させる事故」である。また、保険事故発生の客体となるものの「保険の目的」という。保険事故は損害保険契約の定義にもあるように偶然な出来事でなければならない。 契約成立時にその将来における保険事故の発生・不発生が不確定であることが必要であり、商法第642条 では、「保険契約の当時、当事者の一方又は被保険者が事故が生じないこと、または既に生じたことを知っているときは、その契約は無効」としている。

[編集] 保険期間

保険者がその期間内に保険事故が生じた場合に損害をてん補するとするもの。

[編集] 被保険利益

一般的な理解では、被保険利益とは「保険の目的につき保険事故が発生することにより被保険者が経済上の損害を被るべき関係」とされている(商法第630条 、631条 参照)。実務的には、契約締結時に被保険利益が生じる原因となる、保険者が損害てん補を行う対象となる損害の種類を定め、保険契約の申込の際、申込書に明記することによって行われる。

[編集] 保険価額

保険の目的に関し保険事故の発生により、被保険者が被る可能性のある損害の最高限度額をいう。実務上、保険商品の性質に応じ、時価額または再調達価額のいずれかを基準として保険価額を評価することとされている。

[編集] 保険金額

保険者が支払う保険金の限度額をいう。なお、責任保険では、英語のLimit of Liabilityを訳したものとして(賠償金の)てん補限度額ということが多い。

[編集] 保険料

  • 保険者が危険負担の報酬として受ける額をいう。ここで「保険料不可分の原則」に付言すれば、同原則とは、ある保険料期間のうち、一部分についてでも保険者が危険を負担した以上、その期間の中途において保険者がそれ以後は危険負担をなすことを要しないような事態が生じても、保険者はその保険料期間に対する保険料の全部について権利を有し、ただ、次期およびそれ以降の保険料期間についてのみ権利を失うとする原則をさす。しかしながら、一定の場合あるいは保険商品・特約により異なる取扱とすることもしばしばであり、また、契約上の紛争は、契約者側に帰責事由がある場合には損害賠償の法理で解決すべきであるので、明確な契約上の規定なく保険料不可分の原則を紛争の解決指針とするのは問題がある。
  • 保険料率の三原則
    「損害保険料率算出団体に関する法律(料団法)」では、損害保険料率算出団体の会員保険会社が参考とする参考純率および遵守義務がある基準料率は、「合理的かつ妥当なものでなければならず、また、不当に差別的なものであってはならない」と規定しており、これは「保険料率の三原則」と呼ばれる。なお、保険会社が使用する料率にはその経験に基づく経験料率があるが、それについてもこの原則が同様に当てはまる。
    • 「合理的」とは、料率算出に用いる保険統計その他の基礎資料が、客観性があり、かつ、精度の高い十分な量のものであるとともに、算出方法が保険数理に基づく科学的方法によるものであるということである。
    • 「妥当」とは、参考純率においては、将来の保険金の支払いにあてられることが見込まれる部分として、過不足が生じないと認められるものであるということである。基準料率においては、保険契約を申し込もうとする者にとって保険契約の締結が可能な水準である(availability)とともに、基準料率を使用する保険会社の業務の健全性を維持する水準である(affordability)ということである。
    • 「不当に差別的でない」とは、参考純率においては、料率の危険の区分や水準が、実態的な危険の格差に基づき適切に設定されているということである。基準料率においては、危険の区分や水準が、実態的な危険の格差ならびに見込まれる費用の格差に基づき適切に設定されているということである。


[編集] 重複保険

同一目的について、保険事故、被保険者、被保険利益が同一でかつ保険期間を共通にする数個の契約がある場合、それぞれを重複保険(重複保険の関係にある)という。保険事故が生じたときの重複保険間の保険金の分担方法は商法上、次のとおりである。

  1. 同時重複保険・・・保険金額の割合で分担(商法第632条)
  2. 異時重複保険・・・前の保険者が先に分担(商法第633条 、634条)

ただし実務上は、約款でそれぞれ他の保険がないものとした場合の保険金の、合計額に対する割合で分担するとする「独立責任額按分方式」に修正している。


[編集] 告知義務

[編集] 告知義務の意義

契約者等は保険申込にあたり、保険者が提示する一定事項の告知(商法第644条)を求められることがある。これを告知義務といい、告知を求められる事項を「告知事項」という。契約当事者間の公正の原則 により、危険負担を行う保険者は事故発生率を知る必要があることにその根拠がある。商法では、告知義務を負うのは保険契約者であるが、保険事故の発生を知りえる立場にある被保険者にも約款上、告知義務を課すのも有効とされる。保険者は、当該契約の事故発生率を測定し、その契約を締結するか、また、どのような条件で締結するかを決定する。その観点で重要な事項を告知義務とするのであり、過度の告知義務を課すのは、公正の原則に反する。 告知義務違反を理由とする解除は将来に向かってのみ効力を有する(商法第645条第1項)とされ、解除が行われた場合、既経過期間にかかる既往保険料について保険会社は返還不要である。ここで、約款により保険金の支払義務は解除により遡及的に消滅し保険金の返還を求めることができるとされている点につき保険者にとり有利であるのは、契約者側に対するペナルティを課す趣旨である。ただし、保険契約者が保険事故の発生が告知事項に基づかないことを証明したとき、保険者は保険金の返還を求めることができない。保険者が行う解除権の行使期限は商法第644条第2項 で制限されているのも公正の原則に基づくものである。

[編集] 危険の著増

危険の著増(商法第646条、商法第656条 、第650条第2項)とは、危険の増加が契約締結の当時にその程度の危険があれば保険者は同一の条件では契約の締結をしなかったであろうと認められる程度に達したことをいい、原則として保険契約の無効原因となるが、危険の著増につき契約者または被保険者に責任がない場合には、保険者が将来に向かって解除できる事由に留まる。商法第657条第1項ないし第3項 も参照のこと。


[編集] 損害保険契約の効果

[編集] 契約者・被保険者にとって

  • 保険料支払義務
    保険料の通貨の種類、額、時期、分割回数、方法(集金、口座振替等)などは契約の定めによる。他人のための契約において契約者が破産したときの被保険者の支払義務については商法第652条 に定めがある。
    ※ 保険料支払債務が履行されない場合、債務不履行に関する一般原則が適用され、履行の強制、損害賠償請求、契約の解除(保険期間中途の場合)が行われる。約款で分割保険料不払いの場合に、当該分割払いの支払いが行われるまで保険金の支払いを行わないとするのも履行の強制の一種(間接強制)である。
    ※ 保険料請求権の消滅時効は1年(商法第663条)である。
  • 危険の変更・増加の通知義務
    前記のとおり。
  • 損害発生の通知義務(商法第658条)
    保険者が損害発生の原因の調査・損害の範囲の確定などの作業を早期に行うことを可能にする趣旨である。違反の効果は商法にはないが保険者に損害が生じた場合には保険契約者側に損害賠償義務があると考えられている。
  • 損害防止義務(商法第660条)
    被保険者は損害を防止する義務があるとするものである。この義務の違反の効果は商法にはない。保険者は、被保険者が損害の防止に努めることにより防止軽減できたはずの損害額を保険金から差し引くことができると考えられている。商法上は、被保険者の義務であるが、約款で契約者の義務ともされていることがある。損害防止費用は商法第660条第1項但書で保険者負担だが、約款で異なる定め、つまり、保険契約者側の負担とすることがある。

[編集] 保険者にとって

  • 保険証券交付義務(商法第649条 )
    (外航貨物保険に関して有価証券該当性が議論されることがあるが)一般に証拠証券であり、有価証券(注)ではない。商法上は保険契約者からの請求を待って交付するとなっているが、実務上は契約成立の証として、一律作成としている。保険証券のほか、代理店等に対して契約証発効権限を授与して発効される保険契約証、継続特約に基づく保険契約継続証があるが効力はいずれも同じである。なお、英文契約書にあるような契約の最終性は担保されておらず、被保険者と保険会社との間での保険金訴訟の場合には、保険証券のみならず契約内容の確定のために諸般の事情が考慮される。
    (注)ここでは金融商品取引法第2条1項に定義する有価証券(=資本証券)ではなく、商法上の有価証券、つまり、証券そのものに価値がある紙面で、譲渡することによって、その有価証券の持つ財産的権利を移転することができるものをいう。

を指す。

  • 保険金支払義務
    商法上の免責は次のとおりである。戦争等(商法第640条 )、自然の消耗、悪意、重過失等(商法第641条 、海上保険における商法第829条第1項)。
    約款で、地震、噴火、暴動等を加える。
    保険者は、保険金支払にあたり、ⅰ)保険事故、ⅱ)免責事由、の該当有無、ⅲ)損害額の調査、確認を行う。
    支払時期については前記のとおりである。
    保険金請求権の消滅時効は2年である(商法第663条)。ここで保険金請求権の消滅時効の起算点は保険事故による損害発生の時から進行する 。ただし、損害発生の当時、損害の発生を知ることができなかった場合は、民法724条により,被害者が損害及び加害者を知った時から進行する 。
  • (契約が無効の場合の)保険料返還義務
    該当するケースは次のとおりである。保険料返還請求権の返還時効は2年である(商法第663条)
    • 全部・一部無効となるケースが商法第642条、第648条で規定されているが、ここで、商法第643条 により、契約者に悪意・重過失がある場合には、保険料の返還を行わないとしているのは、それら悪意等のある契約者等への制裁の趣旨である。
    • 契約責任開始前に全部または一部の解除が可能であることが商法第653条 で定められており、解除された場合には約款の定めに従い保険料の返還が行われる(半額の費用償還が商法第655条 で定められているが、保険者に特別の費用負担があった場合を除き、一般実務では半額の費用償還は行われていないようである)。
    • 責任開始前に事故が生じ得ない場合についても同様に、保険料の全部・一部返還が可能とされている(商法第654条 )。


[編集] 保険代位

[編集] 残存物代位

残存物代位(商法第661条)とは、保険の目的の残存物に対して被保険者がもつ権利が保険金支払後に保険者に移転することをいい、保険の目的が全損となり、保険会社が保険金額を全額支払った場合に生じる。残存物の取得によって保険契約者が損害額を上回る利益を得ることを禁止するとともに、損害額を細かく算定するという保険会社の手間を省くことを目的としている。なお、分損時においては、残存する部分の価値を控除して保険金が支払われるのであり、残存物代位は生じない。

[編集] 請求権代位

被保険者の利得を禁止する趣旨で保険金支払後の保険会社による請求権代位(商法第662条)が定められている。借家人賠償では予め保険会社が特定の第三者(同居の親族等)に対する求償権を放棄する特約が結ばれているのが通例だが、そうでない場合は個別の約定による。被保険者が第三者との損害賠償に関する約定により第三者の賠償義務を予め免除したとしても、保険会社はその約定に拘束されない 。


[編集] 関連事項

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