恵那峡
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恵那峡(えなきょう)は、岐阜県恵那市・中津川市を流れる木曽川中流の渓谷。
この恵那峡は当時の地理学者、志賀重昂が、大井ダムの湖景と一帯に見られる奇岩の調和を称え命名したものである。全国にはダムの開発によって景観が損なわれたケースが多いが、この恵那峡は全く逆のケースで、自然の造形と人工物の融合によって誕生した景勝地である。恵那峡県立自然公園の中枢。
一帯には奇岩が卓越する。屏風岩、軍艦岩、獅子岩、鏡岩などが見られ、それらを見物するためのジェット船が周航している。地質学的にも貴重な場所であり、鉱物博物館がある。また、首都圏にも近いことから行楽地として栄え、近辺には恵那峡ワンダーランド(旧恵那峡ランド)や恵那峡カントリークラブなどがある。古くは大変な賑わいを見せたが、レジャーの多様化によって徐々に観光客が減少、恵那峡ランドの閉鎖に伴い、恵那峡ロープウェイが休止される影響が生じた。
[編集] 天然記念物『傘岩』
恵那峡の近辺にある傘の形をした岩で、底が傘のように括れていることから名付けられた。黒雲母花崗岩からなり、雨水の浸食、風化などによって象られた。最も広い場所が直径3.3mなのに対し、最も狭い場所は数十cmしかない。