忘却の旋律
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『忘却の旋律』（ぼうきゃくのせんりつ）はGJK原作の漫画（片倉真二）・アニメ作品の名称である。なお、GJKという名称は、GAINAX、J.C.STAFF、角川書店（Kadokawa）の頭文字をつなげて作ったものであると言われている。アニメ版を基盤としてゲームボーイアドバンス用のゲームも発売された。
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[編集] 概要
本作品は、モンスターとの戦争に敗れ、モンスターに支配されるようになった世界で、モンスターに抵抗しこれと戦うメロスの戦士（「メロス」とは「旋律」という意味のギリシア語）となった主人公・ボッカの冒険を描く作品である。
本作品には、前述のとおり片倉真二による漫画版とGAINAX&J.C.STAFFによるアニメ版がある。漫画版は2002年5月号から月刊少年エースにて連載されており、アニメ版は2004年4月6日から同年9月21日までTBSにて全24話が放映されていた（その後BS-i、アニマックスでも放映が行われている）。
ちなみに漫画版とアニメ版は、前者がコメディ調の冒険活劇であることに対して、後者は重苦しさと冗談のような不条理な描写が目立つロード・ムービーであるなど、その内容はかなり異なっている。またほとんどの登場人物のデザインや性格も大きく異なっており、主人公でさえ性格が正反対に近いものである上、苗字まで異なっているという有様である。したがって、両者は完全な別作品として捉える方が適切であるといえる。同名であるが別物であるが故、ファンの間ではどちらの方が良いといった評価も極端に分かれた。
[編集] 漫画
[編集] 概要
[編集] 登場人物
[編集] 人類側（メロスの戦士など）
- 芹名ボッカ（せりな ぼっか）
- 月ノ森小夜子（つきのもり さよこ）
- 黒船バラード（くろふね ばらーど）
- ツナギ（つなぎ）
- 遠音（とおね）
- 小百合（さゆり）
- 月ノ森司令（つきのもりしれい）
- レオナルド=カーチス（れおなるど かーちす）
- 山田トメ（やまだ とめ）
[編集] モンスター側（モンスターなど）
ここで言うモンスターとは、アルフレッド・ココの覇王のメロスによる能力でモンスターになった人間など、本人の意思に関わらず一度でもモンスター側に属したことのある登場人物を記す。
- アルフレッド＝ココ（あるふれっど ここ）
- モンスターキング（おそらく2代目）。
- ネビロス元帥（ねびろす げんすい）
- モンスター幹部第1位。
- 奏王ホル
- モンスター幹部第2位。後に離脱。作末でモンスターキングになる（おそらく3代目）。
- 聖帝ソロモン（せいてい そろもん）
- モンスター幹部第3位。
- 銀絶のロキ（ぎんだんのろき）
- モンスター幹部第4位。
- 獣神ヘカーテ（じゅうしん へかーて）
- モンスター幹部第5位。
- 知鍵師カルビン（ちけんし かるびん）
- モンスター幹部第6位。
- 理力の不動（りりきのふどう）
- モンスター幹部第7位。
- 海王デュラン=バラン（かいおう でゅらん ばらん）
- モンスター幹部第8位。
- 鉄壁タロス（てっぺき たろす）
- モンスター幹部第9位。後に離脱。
- 不死身のフェニックス（ふじみのふぇにっくす）
- モンスター幹部第10位。不死身のはずなのに死亡
- Dr.アレクス（どくたー あれくす）
- モンスター幹部第11位。
- 市松のメデューサ（いちまのめでゅーさ）
- モンスター幹部第12位。市松はいちまと読む。
- 機械王ダイダロス（きかいおう だいだろす）=芹名ケイ（せりな けい）
- モンスター幹部第13位、作中で2位に。
- ロード＝ポリス男爵（ろーど ぽりす だんしゃく）
[編集] その他
- 忘却の旋律（ぼうきゃくのせんりつ）
- 園田エル（そのだ える）
- 杉平健一（すぎだいら けんいち）
[編集] 用語集
- メロスの戦士
- 覇王のメロス
- モンスター
- 忘却の旋律
- 軍事衛星ヤブサメ
[編集] アニメ
[編集] 概要
本作品はかなり特殊な世界観を持つ作品である。一言で言えば「不条理」の世界観である。また、別の言葉を探すなら「悪趣味」な世界観とも言えるだろう。
それは、まず、メロスの戦士のほか、モンスターに支配され彼らに服従せざるを得ない人々や、自らのエゴのために積極的にモンスターに荷担し暴虐の限りを尽くす人々など、様々な立場の人間達が入り混じって複雑な人間模様を呈しているためである。また、その人間模様は抽象的かつ寓話的な演出をもって描かれることが多く、その演出は冷笑的でもある。そしてこれらの描写は作品全体の重苦しい雰囲気の醸成に一役買っているといえる。
その一方で、登場人物（特に敵方）のネーミングやデザインなどは、冗談としか思えないような趣味の悪さで埋め尽くされている。また、彼らの台詞回しは駄洒落や笑えないギャグの類である場合が多く、その行動自体がナンセンスである場合も多い。さらに、何の脈絡もなくお色気シーンが挟まることが多く、この傾向は回が進むにつれて強くなっていった。このため、作品に漂う深刻ぶったスタンスからは遊離したナンセンスな場面もしばしば見られるようになり、一部では「話の流れが理解できない」「手抜きでは?」といったような批判的なコメントも見受けられた。
その上、本作品では、意味不明なバンクシーンや、心理描写なのか幻覚なのかがよく分からないシーンなどが繰り返し挿入されている。これらは上記の重苦しさ、ナンセンスさと相まって、作品が極めて不条理であるという印象を付与することに貢献しているといえる。ちなみに、本作品のスタッフは同じく不条理さでならした『少女革命ウテナ』のスタッフと被っており、その関連で本作品を『ウテナ』の後継であるとする見方もある。
『ウテナ』との類似点は、一見荒唐無稽に見える設定と演出の中に、現代社会への鋭い皮肉、自閉からの脱出、真実の成長の意味などの哲学的テーマが多数織り込まれているところにも見受けられる。そういった部分は、ある意味、異色であると同時に、意欲作であるともいえるだろう。
[編集] あらすじ
普通の学生であるボッカ・セレナーデは、近所の橋の下に住み着いていたツナギじいさんこと武蔵野三郎の住処で黒船・バラードに出会う。黒船はモンスターのホルを追ってこの街に現れたメロスの戦士であった。また、同じくして黒船を慕って追いかけてきた月之森小夜子とも出会う。一方、街に現れたホルはボッカのガールフレンドであるエルを喰らうために彼女を拉致し、そこで黒船との戦闘となる。そして、そこに居合わせたボッカは、二人の闘いの最中にメロスの戦士として覚醒することになる。
ホルを追い払った後、ボッカはメロスの戦士としてモンスターと戦うことを決意し、とりあえず黒船の後を追うことにして小夜子とともに街を離れる。そして彼らは行く先々でモンスターやモンスターユニオンのエージェント（モンスターに忠誠を誓うことで人々を支配する人間）達との闘いを繰り広げていくことになる。
[編集] 主な登場人物
- ボッカ・セレナーデ - 桑島法子
- 月之森小夜子 - 浅野真澄
- 黒船・バラード - 宮本充
- 忘却の旋律 - 能登麻美子
- ツナギじいさん（武蔵野三郎） - 松岡文雄
- エル（園田エル） - 中原麻衣
- 遠音・レクイエム - 小林沙苗
- スカイブルー - 保志総一朗
- ココ・ニンナナンナ - 田村ゆかり
- クロン - 浪川大輔
- ヒカリ - 宮崎一成
- ニック - 原沢勝広
- ソロ/モンスターキング - サエキトモ
- ホル - 森久保祥太郎
- たまころがし - 小菅真美
- ミッドナイトひよこ - 天野由梨
- ミリオネアびーばー - 久川綾
- ハッスルもんきー - 真殿光昭
- ディスカウントうりぼう - 鷹森淑乃
- グローバルやまねこ - 置鮎龍太郎
- 紅い髪の少女 - 斉藤梨絵
[編集] スタッフ
- 原作：GJK
- 企画：GAINAX
- 監督：錦織博
- 監督補：大畑清隆
- シリーズ構成・脚本：榎戸洋司
- キャラクターデザイン：長谷川眞也
- モンスターデザイン：出渕裕
- メカニックデザイン：吉成曜、宮尾佳和
- アイバーマシンコンセプト：貞本義行
- コンセプトデザイン：片倉真二
- アニメーション制作：J.C.STAFF
- キャラクター総作画監督：和田崇
- 美術監督：小林七郎
- 撮影監督：福世晋吾
- 音響監督：鶴岡陽太
[編集] 主題歌
- てのひらの光（エンディングテーマ）
- 歌： みなを
- 作詞：山口みなこ
- 作曲：松浦みつを
- 編曲：みなを、岡田徹
[編集] 外部リンク
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