彼は眠れない

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彼は眠れない
沢田研二のアルバム
リリース	1989年 10月11日
ジャンル	J-POP
レーベル	東芝EMI
プロデュース	吉田建
チャート順位
39位 (オリコン)
売上枚数
累計売上1.1万枚(オリコン)
沢田研二年表
TRUE BLUE （1988年）	彼は眠れない（1989年）	単純な永遠（1990年）

彼は眠れない（かれはねむれない）は日本の歌手、沢田研二の26作目となるオリジナルアルバム。1989年 10月11日東芝EMIよりリリース。

[編集] 解説

前年までのCO-CoLOを率いての活動は、沢田の私生活を感じさせる内向的な歌詞、技巧的で情感溢れるムードを持ちながら煌びやかさに欠けるAORサウンドに終始し、従来のファンから評価されたとは言い難い結果に終わった（ただしこれは作品の完成度が低いという意味でない）。

そうした反省を踏まえてか、沢田本人の発案か部外者の提案かは不明ながら本作ではEXOTICS以来の共演となる吉田建を招聘してのアルバム製作となり、CO-CoLO時代に遜色ない技巧派が結集し、EXOTICS当時を上回るアグレッシブかつ華やかなサウンドの完成を見た。当時はちょうど第二次バンドブームにあたり、本作の編成もそれを意識したもので、実際にムーブメントの渦中にあるプリンセス・プリンセスの奥居香（現岸谷香）に作曲を依頼している。しかし演奏陣の高い技量と何より沢田自身の歌唱力は当時噴出した年若のバンドマンに比して格段の差があり、同じ土俵に立ちながら貫禄を見せ付けたのである。

またこうしたサウンドには、CO-CoLOを敬遠がちだったファンの耳目を集める形ともなり、ファンは沢田のロック回帰を諸手を挙げて歓迎した。現在でも本作は、沢田の全キャリアを通して屈指の傑作として高い評価を受けている。

デザインワークは早川タケジが担当しており、先行シングルとなった「ポラロイドGIRL」では沢田にとって初となるミュージック・ビデオが撮影されている。

作家陣に作詞ではサエキけんぞう（パール兄弟）、松井五郎、尾上文（Boy Meets Girl）、井ノ上和宏（K.INOJO:Cloudy Sky）、作曲では奥居の他にNOBODY、鶴久政治（チェッカーズ）、大沢誉志幸（Cloudy Sky）、徳永英明という錚々たる面々が顔を並べる他、忌野清志郎と松任谷由実が1曲ずつ詞曲を提供しており、作家陣の顔触れだけでも非常に豪華なアルバムである。ちなみに忌野の提供曲「KI･MA･GU･RE」は沢田と忌野のデュエットになっている。また、「堕天使の羽音」では渡辺美里がコーラスに参加している。

なお、松任谷由実の「静かなまぼろし」は彼女のアルバム「流線形'80」に収録されているが、元々は1978年に「ミュージックフェア」での共演をきっかけに提供された作品で、実に11年越しで本人の歌唱が実現することになった。

レコーディングに参加したミュージシャンでは全てのベースが吉田建、ドラムスに村上“ポンタ”秀一、ギターに佐橋佳幸、下山淳（ルースターズ）、キーボードに国吉良一、ホッピー神山、吉田と同じくEXOTICSのメンバーだった西平彰とこちらも豪華な顔触れで、この時のメンバーから沢田の新しいバックバンドJAZZ MASTERが結成されることになる。