平川祐弘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
平川 祐弘（ひらかわ すけひろ、1931年7月11日- ）は、日本の比較文学者。東京大学名誉教授、大手前大学教授、東京都出身。
東京大学教養学部教養学科フランス分科第一期生、また大学院比較文学比較文化専修課程第一期生。東京大学助手、助教授、教授、定年後福岡女学院大学教授を経て現職。
20代の頃に5年近くフランス、イタリア、ドイツに留学し、各国語に通じる。帰国後1961年、修士論文を短縮した『ルネサンスの詩』を刊行、またダンテの『神曲』ISBN: 4309201865 を口語体で翻訳し、広く読まれる。1971、博士論文『和魂洋才の系譜』（河出書房新社、河出文化賞、のち平凡社ライブラリー）で高い評価を受ける。1974年、『西欧の衝撃と日本』を人類文化史のひとつとして刊行（講談社学術文庫）。1976年、『夏目漱石 非西洋の苦闘』を新潮社より刊行（のち講談社学術文庫）。中編論文を雑誌に発表し、一書として纏める手法を確立する。1981年、『小泉八雲 西洋脱出の夢』（新潮社、のち講談社学術文庫）を刊行、以後のラフカディオ・ハーン研究の端緒となる。同書と『東の橘 西のオレンジ』（河出書房新社）で（サントリー学芸賞）、マンゾーニ『いいなづけ』 ISBN: 4309462677 の翻訳で読売文学賞・日本翻訳出版文化賞、『ラフカディオ・ハーン-植民地化・キリスト教化・文明開化』ISBN: 4623040445 で和辻哲郎文化賞を受賞。1988年から1992年まで東大比較文学比較文化研究室主任を務める。1998年に紫綬褒章受賞。
また鶴田欣也と数多くの国際シンポジウムを開催し、その論文集を共編で出している。 元東大教授竹山道雄の女婿。
目次 |
[編集] その他の主な著書
[編集] 比較文学、イタリア文学など
- 『謡曲の詩と西洋の詩』（朝日選書）
- 『中世の四季 ダンテとその周辺』ISBN: 4309202330
- 『漱石の師マードック先生』（講談社学術文庫）
- 『西洋の詩東洋の詩』（河出書房新社）
- 『平和の海と戦いの海-二・二六事件から「人間宣言」まで 』（新潮社、講談社学術文庫）
- 『進歩がまだ希望であった頃-フランクリンと福沢諭吉』（新潮社、講談社学術文庫）
- 『米国大統領への手紙』（新潮社）
- 『マッテオ・リッチ伝』（全3巻） ISBN: 4582801412 ISBN: 4582806244 ISBN: 4582806279
- 『ダンテの地獄を読む』ISBN: 4309203361
- 『天ハ自ラ助クルモノヲ助ク-中村正直と『西国立志編』』（名古屋大学出版会）
[編集] ハーン関係
- 『破られた友情-ハーンとチェンバレンの日本理解』（新潮社）
- 『小泉八雲とカミガミの世界』（文藝春秋）
- 『オリエンタルな夢-小泉八雲と霊の世界』（筑摩書房）
その他編著・翻訳多数
[編集] 随筆
- 『開国の作法』ISBN: 4130020544
[編集] 翻訳
- 『抜け目のない未亡人』（ゴルドーニ、岩波文庫）
- 『ルネサンス画人伝』（ヴァザーリ）ISBN: 4560039097
