小田急電鉄の荷物電車

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荷物電車（デニ1303）

小田急電鉄の荷物電車（おだきゅうでんてつのにもつでんしゃ）では、かつて小田急電鉄（小田急電鉄の前身である、小田原急行鉄道及びいわゆる大東急時代も含む）が所有・運用していた荷物電車について記す。

[編集] 小田原急行鉄道・旧小田急電鉄・大東急時代

[編集] モニ1形

1927年に、日本車輌にて4両製造された13メートルの車輌である。それぞれ、モニ1形1・2・3・4と名づけられた。車体の側面の中央に両開きの扉が設置され、そこから荷物の搬入が行われた。 1939年に、モニ3・4がに郵便室が設置され、「モユニ1形」となったものの、残ったモニ1・2は、1941年に廃車解体された。

[編集] モユニ1形・デユニ1000形

1939年、モニ1形3・4に、郵便室が設置されたため、「郵便荷物電動車」として「モユニ1形」に改番され、それぞれ、「モユニ1・2」となった。 1940年、車内の機器の取り付けを変更し、荷物の積み込み量を増やせるよう改良が行われた。陸上交通事業調整法に基づき1942年 5月26日に東京横浜電鉄等と合併し東京急行電鉄、いわゆる「大東急」になると、大東急デユニ1000形1001・1002と改番される。

[編集] 小田急電鉄時代

[編集] デユニ1000形

1948年、大東急が解体され、大東急デユニ1000形1001・1002は小田急電鉄の所属となった。 1960年、1500形の車体を利用し、車両の大型化が実施された。（1001には1500形デハ1501の車体が、1002には1500形クハ1551の車体が利用された。）1970年には台車の変更が行われたが、1971年に小田急での郵便輸送が廃止となったため、デニ1000形に改造された。

[編集] デニ1000形

1971年、デユニ1000形1001・1002の郵便室が撤去されデニ1000形1001・1002という新形式で登場した。1974年、列車無線装置が1001・1002に設置された。1976年にデニ1002は廃車されたが、デニ1001は1976年に台車・制御装置が改造されている。

1984年3月、小田急での荷物営業が廃止され、廃車となった。同年の踏切事故復旧訓練で使用された後に解体されている。

[編集] デニ1100形

1958年、東急車輛にて1100形1101が、荷物電車として改造され、デニ1100形1101として登場した。1962年には「油圧式強制振子車」の試験が同車にて行われた。1976年に廃車。

[編集] デニ1300形

1969年、1300形の4両が改造され、デニ1300形1301・1302・1303・1304として登場した。1300形が選ばれた理由としては、両運転台車であることから荷物電車代用として1300形が使われていたことがある上、車体更新後の客用ドア幅が1500mmと広く、荷扱いに向いていたことが考えられる。改造内容は座席のクッションを撤去し板張りにしたこと、ドアエンジン撤去程度であった。1974年には列車無線装置が設置された。

1984年3月、小田急での荷物営業が廃止され、廃車となった。デニ1301は東急車輛へ譲渡され、牽引車として活躍したが、1993年に引退した。また、デニ1303は廃車後も海老名検車区で保管されていたが、1991年に解体された。デニ1302・1304は踏切事故復旧訓練で使用された後に解体されている。

[編集] 荷物電車の塗装

小田急電鉄の荷物電車は、旅客車両との違い鮮明にするため、全く異なる塗装となっていた。

小田原急行鉄道・旧小田急電鉄・大東急、そして小田急電鉄の創立期は、全面が「濃緑」という色であった。1950年代後半ごろより、黄帯が追加され「濃緑に黄帯」となった。 1971年、旅客車両が全て現在の「白地に青帯」となったことから、荷物電車でも塗装変更が行われ、荷物電車は全面「ローズレッド」となった。1973年には視認性向上のため白帯が追加され、「ローズレッドに白帯」となり、荷物電車が全廃となる1984年3月までその姿で活躍した。