密度汎関数法
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密度汎関数法（みつどはんかんすうほう）とは密度汎関数理論(Density Functional Theory, DFT)に基づく電子状態計算法である。
密度汎関数理論によれば外部相互作用
のある電子系の全エネルギーは電子密度
の汎関数![E[n]=F[n]+\int{}v_{\rm ext}(\vec{r})n(\vec{r})d^3r](../../../math/5/0/5/5057d6362066156ac99e1a15d1a069ea.png)
として与えられる[1]。
コーンとシャムは有効ポテンシャル
を外部相互作用としてもつ仮想的な独立粒子系の一粒子波動関数（Kohn-Sham状態）から電子系の全エネルギーを計算する方法を考案した[2]。
その一電子波動関数から全運動エネルギーEkin[n]と電子密度は正確に計算できるが、交換相関エネルギーのユニバーサルな汎関数Exc[n]を知ることは不可能であるため、局所密度近似(LDA)などを用いる必要がある。
尚、密度汎関数法（理論）では、扱う系が基底状態（温度も絶対零度）であるのが前提である。従って、密度汎関数法に基づく通常の第一原理バンド計算で得られる結果は、絶対零度としての結果である。
ただし有限温度の影響を定性的に考察するため、軌道の占有数に有限温度のFermi-Dirac分布を用いることがしばしば行われる。これは、金属に対する収束性向上のためにも用いられる。また密度汎関数法を時間領域にも拡張し、励起状態のエネルギースペクトルを求める手法（時間依存密度汎関数法）も開発され、固体中の励起子の研究や、分子の励起スペクトル研究に応用されている。
[編集] 参考文献
- [1] P. Hohenberg and W. Kohn, Phys. Rev. 136 (1964) B864.
- [2] W. Kohn and L. J. Sham, Phys. Rev. 140 (1965) A1133.
