完乗
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完乗(かんじょう)とは、ある交通機関が営業する路線にすべて乗車すること。「完全乗車」の略。「(路線図・地図の)塗り潰し」になぞらえて乗り潰し(のりつぶし)ともいう。路線ごとにまたは一定の地域を対象として使うこともある。
普通鉄道としては日本最短の芝山鉄道は、東成田-芝山千代田の1駅間、2.2キロ、4分の乗車で完乗となるが、一般には、旧国鉄・ JRの完乗、私鉄の完乗、または日本の鉄道全路線の完乗をいう。
石野哲の「時刻表名探偵」(JTB、1979)によれば、知られている限りの最初の国鉄完乗者は、1959年8月29日に達成した後藤宗隆氏であり、その後1978年8月までに32名が完乗した。1978年7月に出版された宮脇俊三のデビュー作『時刻表2万キロ』で国鉄完乗が脚光を浴び、末期の国鉄が1980年から行ったいい旅チャレンジ20,000kmキャンペーン以降大量の完乗者を輩出した。
また、2005年2月20日には、トラベルライターの横見浩彦が、日本の全路線の完乗と共に、JR・私鉄の全駅下車を成し遂げた。全駅下車は完乗の発展形と言える。
さらに、同年11月3日には俳優の関口知宏が列島縦断 鉄道乗りつくしの旅~JR20000km全線走破~というテレビ番組でJR路線全線の完乗を果たした。
交通需要は、ほとんどが通勤、出張、観光などの本来の目的を達成するための派生的需要である。完乗のための交通機関の利用は、それ自体が目的の 本源的需要であり、交通サービスにおけるきわめて特殊な需要形態といえる。
[編集] 完訪
完乗とは、その路線(鉄道・バス・航路など)を主体としてとらえた見方であるが、駅、空港、市町村などを主体とした場合は完訪(完全訪問)と表現する。
(例)「定期旅客便就航の全空港を完訪した」「日本の全市町村を完訪した」等のように表現する。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 乗りつぶしオンライン - 全国のJR、私鉄路線における完乗達成度を算出するシステム。