宇治橋

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宇治市の宇治川に架かる橋。先述。
伊勢市の五十鈴川に架かる橋。後述。

[編集] 宇治橋 (宇治市)

宇治橋と紫式部像

646年（大化2年）に僧道昭（どうしょう）と僧道登（どうとう）によって初めて架けられたという伝承のある橋である。京都府道7号京都宇治線がこの橋を渡る。

「瀬田の唐橋」と「山崎橋」と共に、日本三古橋の一つに数えられる。宇治橋のいわれは、東詰の橘寺にある「宇治橋断碑」に刻まれている。断碑の上半分は、奈良時代のものと言われ、江戸時代に境内から掘り出され、下部を補ったものである。

宇治橋は古今和歌集や紫式部の源氏物語に登場する。また、能の「鉄輪」で登場する橋姫伝説でも有名である。

橋の東詰には、狂言の「通円」にちなむ通円茶屋がある。また、この茶屋は、小説「宮本武蔵」に登場することでも有名である。また、1995年6月に場所を移転した京阪宇治駅も、橋の東詰にある。

現在の橋は、1996年3月に架け替えられたものである。桧造りの高欄や擬宝珠などが使われる優美な橋であり、上流側には張り出した場所を設けている。これは、橋の守り神である橋姫を祭る「三の間」である。豊臣秀吉が、ここから茶の湯を汲ませたという逸話がある。現在でも「茶まつり」では、ここの水を汲んでいる。

[編集] 宇治橋 (伊勢市)

伊勢神宮内宮宇治橋

伊勢神宮内宮（皇大神宮）入口の五十鈴川に架けられ、前後に大鳥居が立ち、俗界と聖域との架け橋（いわゆる結界）とされる。

長さ101.8ｍ幅8.4mの反り橋で、橋脚に欅を用いている以外は総檜造りである。増水時に川底が削られないように石畳の上に立てられた橋脚は3本組で13組計39本。同じ間隔で上流側に流木から橋脚を守る木除け杭（きよけくい）が設置されている。欄干には16基の擬宝珠が置かれている。入り口左２番目の擬宝珠には「元和五年（1619年）」の銘が刻まれ、この擬宝珠の中に万度麻（まんどぬさ）と呼ばれる神札が納められている。

20年ごとに架け替えを行うが、この橋の上を1年間に400万人以上が往復することから、床版に用いられている厚さ15センチの檜の板が20年で約5センチ摩耗するという。この板の繋ぎ目に雨水が浸入すると腐朽の原因となるため、隣合わせた板の間に鋸で傷を付けてから叩いて密着させるすり合わせといわれる和船の技術が使用されている。元々は式年遷宮の年に架け替えられてきたが、第59回の遷宮が大戦で延期になった昭和24年（1949年）、「せめてこの橋だけでも」と造り直したため、以後は正遷宮の4年前に造営などが行われるようになった。

架け替えられる前の橋では宇治橋渡納式（うじばしわたりおさめしき）が行われる。前回は1989年1月1日。次回は2009年1月に行われる予定。

架け替えられた後の橋では宇治橋渡始式（うじばしわたりはじめしき）が行われる。宇治橋前駐車場西にある橋の鎮守社饗土橋姫（あえどはしひめ）神社で万度麻を祈祷し、前述の擬宝珠に納める。渡り始めには神領民の中から選ばれた3世代の夫婦が「渡女（わたりめ）」を先頭に歩き、その後を全国の3世代夫婦63組が続く。前回は1989年11月3日。次回は2009年11月に行われる予定。

橋の両側に立つ大鳥居は、遷宮の年ごとに旧御正殿の棟持柱（むなもちばしら）を移動させて使われる。内側の鳥居は内宮旧御正殿の棟持柱が使われ、更に後の20年は関の「関の追分け」の神宮遥拝の鳥居に使われる。外側の鳥居は外宮旧御正殿の棟持柱が使われ、更に後の20年は桑名の「七里の渡し」の神宮遥拝の鳥居に使われる。御用材として、各々60年の務めを果たす。神宮が木材資源を浪費することなく削り直して何度も再利用している象徴であり、たびたび紹介されている。

なお、毎年11月に開催されている全日本大学駅伝対校選手権大会ではこの付近のロータリーがゴール地点となる。

神域側より見た側面	木除け杭	神域側の鳥居	饗土橋姫神社（鎮守社）
万度麻の納められた擬宝珠	全日本大学駅伝ゴール付近