孫峻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
孫峻（そんしゅん、219年 - 256年）は、中国三国時代の呉の皇族。孫堅の弟であった孫静の曾孫、孫暠の孫、孫恭の子に当たる人物である。字は子遠。
呉の武衛将軍となる。孫権の晩年、孫権に強く推薦し諸葛恪を呉の丞相とし、数年は共に協力して政治を行う。しかし、諸葛恪は魏への遠征を強行し敗戦すると、権力的な不安から次第に独裁色を強め、孫峻らと対立する。そこで孫峻は、皇帝の孫亮や騰胤らと図って、諸葛恪を宴会に呼び寄せて殺害し、その腹心である張約までも惨殺した。そして自身はこの功績により、丞相・大将軍に任命されて呉の実権を掌握するようになる。
しかし孫峻の政治は、諸葛恪と何ら変わらぬ皇帝を傀儡とした専横だったため、周囲から恨まれて孫英や孫儀らにクーデターを起こされかけたこともあった（これは事前に事が露見して、孫峻は鎮圧して孫英らを処刑している）。さらに孫権の遺児であった孫和なども自殺に追い込むなど、専横を極めたという。また、たびたび魏に侵攻したが、いずれも失敗に終わっている。
『三国志演義』同様、『三国志』においてもかつて自分が殺害した諸葛恪に殴られる悪夢を見てから病に倒れ、256年、38歳の若さで病死してしまった。
彼の死後、従兄弟の孫綝が彼の立場を引き継ぎ、やはり独裁政治を行った。
