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太陽電池

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

太陽電池(たいようでんち、Solar cell)は、光起電力効果を利用し、エネルギーを直接電力に変換する電力機器である。主流のシリコン太陽電池の他、様々な化合物半導体などを素材にしたものが実用化されている。色素増感型(有機太陽電池)と呼ばれる太陽電池も研究されている。本項では太陽電池(セル)そのものについて述べる。電源としての特徴などについては太陽光発電の項を参照されたい。

多結晶シリコン型太陽電池
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多結晶シリコン型太陽電池

目次

[編集] 歴史

太陽電池の先駆けは米国のベル研究所にて開発された単結晶シリコン型太陽電池で、1954年にM.B.Princeによって論文が発表されている。当時はBell Solar Batteryと呼ばれ、太陽光エネルギー電力に変換する効率は6%であった。当初は宇宙用が主な用途で、一次電池を用いた世界最初の人工衛星スプートニク1号が21日の寿命しかなかったのに対し、太陽電池を用いた最初の人工衛星ヴァンガード1号[1]は6年以上動作し、その有用性を示している。その後無人灯台など徐々に用途を拡大し、日本でも1960年代に量産が開始された。しかし電源としての本格的な開発が始まったのは1974年の石油ショック以降である。生産量は1980年代初めは数MW分に過ぎなかったが、2004年現在では世界全体で約1.2GWにまで成長している。(参照:1977年からの生産量の推移 近年の生産量とシェア)。 変換効率については、現在では変換効率が40%近い多接合型集光セルも開発されるなど、高性能化が進んでいる。一方で一般市場向けの製品では省資源化と低コスト化が進んでおり、市場が急拡大している。なお2004年の時点では、日本が生産量で約半分のシェアを持っており、販売市場ではドイツが39%でトップである。参照:導入量の推移

[編集] 用途

結晶シリコン型太陽電池の代表的構造
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結晶シリコン型太陽電池の代表的構造
  • 電池交換や給電線を不要とし、利便性向上やコスト削減を図る:電卓腕時計、道路標識、庭園灯、街路灯、駐車券発行機など
  • 他からの電力供給が難しいもしくは不可能な場所のエネルギー源:海洋や山岳地帯の観測機器、人工衛星宇宙ステーション、離島、送電網の未熟な地域など
  • 温室効果ガス排出量削減用
  • 需要ピーク時の補助電力用
  • 可搬式電源
  • 非常用電源

など。太陽光発電の項も参照のこと。

[編集] 原理

[編集] pn接合型の場合

pn接合における光起電力効果
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pn接合における光起電力効果

現在一般的な太陽電池は、p型とn型の半導体を接合した構造を持つ。即ち、大きなpn接合ダイオードフォトダイオード)である。下記のシリコン系化合物系の太陽電池がこれに該当する。 発光ダイオードと逆の過程を通じて電子に光のエネルギーを吸収させ(光励起)、半導体の性質を利用して、エネルギーを持った電子を直接的に電力として取り出す。詳しくは光起電力効果の項を参照のこと。

[編集] 色素増感太陽電池の場合

色素増感太陽電池では、pn接合型とは様相が異なる。入射光によって、二酸化チタンに吸着された色素中の電子が励起される。この励起された電子を二酸化チタンを介して電極(陰極)へと導き、直流として取り出す。送り出された電子は外部回路を経由して対向電極(陽極)に戻り、電極間に挟まれた電解質中のイオンを介して再び色素吸着部へと戻る。(特許庁によるまとめ

[編集] 回路部品としての動作

太陽電池の等価回路
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太陽電池の等価回路

太陽電池の等価回路は左図のようになる。最も単純なモデルでは抵抗成分を無視して、電流源Iph と(理想ダイオードではない)ダイオードのみで表される。抵抗成分を無視した太陽電池の暗電流は、Io を逆方向飽和電流、qを電気素量、Vを電圧、nを理想ダイオード因子、kをボルツマン定数、Tを温度として

I = - I_o \Big\{ \exp \Big( \frac{qV}{nkT} \Big) - 1 \Big\}

のように表される。ここで n=1 としたものがpn接合の理想I-V特性である。

実際の素子を近似するには、直列抵抗(series resistance)Rs と並列抵抗(shunt resistance)Rsh 成分も考慮する。直列抵抗成分は素子各部を電流が流れる時の抵抗成分であり、これが低いほど性能が良くなる。並列抵抗はpn接合周辺における漏れ(リーク)電流などによって生じ、これが高いほど性能が良い。抵抗成分を含めた太陽電池の光照射時の電流-電圧特性は次のように表される。

I = I_{ph} - I_o \Bigg[ \exp \Bigg\{ \frac{q(V+R_sI)}{nkT} \Bigg\} -1 \Bigg] - \frac{V+R_sI}{R_{sh}}
太陽電池の電圧-電流特性
太陽電池の電圧-電流特性

太陽電池の電圧電流特性は右図のようになる。光照射時に於いて、端子を開放した時の出力電圧を開放電圧(open circuit voltage Voc )、短絡した時の電流を短絡電流(short-circuit current, Isc )と呼ぶ。またIsc を有効受光面積S で割ったものを短絡電流密度Jsc )と呼ぶ。最大の出力電力を与える動作点Pmax最大出力点(maximum power point, 最適動作点最適負荷点)と呼ぶ。また FF = \frac{V_{\rm max}\cdot I_{\rm max}}{V_{oc}\cdot I_{sc}}曲線因子(fill factor)と呼ぶ。 照射光による入力エネルギーを 100mW/cm2 (または1000W/m2)で規格化した測定では、公称変換効率は

\eta _n = V_{oc} \cdot J_{sc} \cdot FF

で与えられる。

太陽電池から効率よく電力を得るには、太陽電池を最大出力点付近で動作させる必要がある。このため大電力用のシステムでは通常、最大電力点追従装置(Maximum Power Point Tracker, MPPT)を用いて、日射量や負荷にかかわらず、太陽電池側からみた負荷を常に最適に保つように運転が行われる。


[編集] 種類

光吸収層の材料、および素子の形態などにより、多くの種類に分類される。 それぞれ異なる特徴を持ち、用途に応じて使い分けられている。

[編集] シリコン系

シリコンを用いる太陽電池は、材料の性質の観点からは、大きく結晶シリコンアモルファスシリコンに分類することができる。またその形態から、薄膜型や多接合型などを分別することができる。その形式や性能は非常に多様であり、近年は複数の型を複合させたものも実用化されている。このため、ここに挙げた分類法も絶対のものではないことを付記しておく。

[編集] シリコン膜の構造による分類

結晶シリコンの禁制帯幅は1.12eVであり、太陽電池に用いた場合、近紫外域から1.2μm程度までのを吸収して発電できる。間接遷移型の半導体であるため光吸収係数が低く、実用的な吸収量を得るには最低200μm程度のシリコン層が必要とされてきた。しかし表面テクスチャなどを用いた光閉じ込め技術が発達してきており、近年は結晶シリコンであってもシリコン層が数μm~50μmなどと非常に薄く、薄膜太陽電池に分類できるものも開発されている。c-Siなどと略記される。

単結晶シリコン型
高純度シリコン単結晶ウエハを利用するもので、最も古くから使われている。変換効率は高いが高純度シリコンの利用量が多く、生産に必要なエネルギーやコストが高くなる。そのため近年は下記の多結晶シリコンや薄膜シリコン太陽電池に移行が進んでいる。
多結晶シリコン型
結晶の粒径が数mm程度の多結晶シリコンを利用した太陽電池。他のシリコン半導体素子の製造過程で生じた端材やオフグレード品のシリコン原料を利用して製造できる。単結晶シリコンに比べると面積あたりの出力(変換効率)は落ちるが、生産に必要なエネルギーは少なく、エネルギー収支やEPT、GEG排出量の面では単結晶シリコンより優れる。コストと性能のバランスの良さから、現在の主流となっている。
微結晶シリコン型
微細な結晶で構成された薄膜をCVD法などにて製膜するものである。多結晶型の1種と見なせるが、製膜条件によってはアモルファス的な性質も併せ持つ。μc-Siなどと略記される。比較的新しい技術で、インゴットを切断する手間が省け、資源の使用量も削減できるほか、製法によっては200℃程度の低温での製膜が可能で基板を選ばない、などの特長がある。今後、広範囲な応用が期待されている。参照:開発例1開発例2

アモルファスシリコンは、タウツギャップと呼ばれる通常1.75~1.8eV程度のエネルギーギャップと、それより小さな裾準位を介したエネルギーギャップを持つ。タウツギャップの大きさは通常1.75~1.8eV程度である。太陽電池にそのまま用いた場合は主に700nm以下の短波長の光が利用され、見た目には赤っぽく見える。結晶構造の乱れにより、光学遷移にフォノンの介在を必要とせず、光吸収係数が高い。このため0.5μm程度の厚さでも実用になる。a-Siなどと略記される。

アモルファスシリコン型
シランガスから化学気相成長(CVD)させてできるアモルファスシリコンを利用した太陽電池で、形態的には薄膜シリコン太陽電池にも分類できる。結晶シリコンに比べてエネルギーギャップが大きいため、高温時も出力が落ちにくい特性を持つ。使用するシリコン原料が少なく、エネルギーやコスト的にも有利である。極端な低照度下での効率が高いことや、蛍光灯の短波長光に感度があることから、主に電卓など室内用途に使われてきた。太陽光で劣化しやすいのが欠点だったが、技術の進歩により長寿命化され(アモルファスシリコンの光劣化参照)、近年は屋外用にも市販されている。エネルギー変換効率が10%以下と低い(設置面積が大きくなる)のも欠点だったが、多結晶シリコン等と積層した多接合型とすることで高性能化されている。またタウツギャップの大きさはドーピングによって1~2eV程度の範囲で可変であり、これを利用してアモルファス層のみで構成された多接合型太陽電池も実用化されている。近年は下記の薄膜太陽電池の一種として論じられることも多い。

[編集] 形態による分類

薄膜シリコン型
シリコン層の厚みを薄くすることで、使用原料、生産に要するエネルギー、コストなどの削減をはかったもの。比較的新しい技術で、様々な形態が存在するためひとくくりにするのは難しい。広義には省資源化の意味で、従来の数百μmよりも薄いもの全般(例えば100μm以下)を指す。狭義には柔軟性なども充分に得られる厚みの意味で、例えば10μm以下のものを指す。シリコン融液から表面張力でリボン状に引き出すストリングリボン法(解説1解説2)を用いた型や、CVD法などを用いる微結晶型などが代表的である。厚みは生産方法の選択によって100nm(0.1μm)単位から数百µm以上まで連続的にカバーでき、目的に応じて使い分けられる。インゴットから切断したウエハを用いて製造する場合は通常数百μm単位になるのに対し、融液から直接薄膜の形にするリボン法などでは100μm以下、CVD法などを用いた場合(アモルファス型や微結晶型など)では0.5~数μmまで薄くなる。薄膜のままでは充分に入射光を吸収できないため、表面テクスチャや中間層を用いて光学的特性を制御し、入射光の利用率を高める工夫が施される(ライトトラッピング)。効率の低下分よりも生産時の使用エネルギーやコストが多く削減できるため、環境負荷の観点から優秀なものが多い。
多接合型
吸収波長域の異なるシリコン層を積層したもの。アモルファスシリコンと各種の結晶シリコンを積層したものの他、a-SiC/a-Si/a-SiGe の3種類を積層したものなどが開発・実用化されている。高効率で温度特性などに優れるものが多い。多接合型太陽電池の項を参照。

[編集] 化合物系

GaAs系太陽電池
単結晶のGaAsを用いるもので、禁制帯幅1.4eVで太陽光のスペクトルに良くマッチし、単接合セルでは最も高い変換効率を出せる(2005年末の世界記録は25.1%;Kopinら)。宇宙用など、特に高い変換効率が必要な用途に用いられている。
CIS系(カルコパイライト系)太陽電池
新型の薄膜多結晶太陽電池。光吸収層の材料として、シリコンでなく、カルコパイライト系と呼ばれるI-III-VI族化合物(Cu,In,Se,Ga,S,Al,Zn,Ag,Sn など)を用いる。製造法や材料のバリエーションが豊富で、低コスト品から高性能品まで対応できるのが特長。また多結晶であるため、大面積化や量産化に向く。フレキシブルなものやカスタマイズ品も作りやすい。シリコン太陽電池が苦手とする分野から実用化が始まっているほか、禁制帯幅が材料次第で自由に変えられることから将来の多接合型太陽電池への応用も期待されている。日本でも量産化の取り組みが始まっている()。

その他、InP系太陽電池、CdTe-CdS系太陽電池、SiGe系太陽電池、Ge太陽電池、ZnO/CuAlO2太陽電池(透明太陽電池)などがある。

[編集] 有機系

色素増感太陽電池
現在開発中の太陽電池。代表的なものはグレッツエル型(または湿式太陽電池)と呼ばれる型式のもので、2枚の透明電極の間に微量の色素を吸着させた二酸化チタン層と電解質を挟み込んだ単純な構造を有している。製造が簡単で材料も安価なことから大幅な低コスト化が見込まれ、最終的には現在主流の多結晶シリコン太陽電池の1~数割程度のコストで製造できると言われている。また軽量、着色も可能、などの特長を持つ。現在の課題は効率と寿命であり、技術的改良が進められている。2005年時点での世界記録は、シャープが持つ10.4%である(Chibaら、15th PVSEC,Shanghai,2005)。既に企業による大型モジュールの試作やフィールドテストが各国で行われるなど、将来の低コスト太陽電池として有望視されている。

[編集] 多接合型太陽電池

多接合型(スタック型積層型タンデム型ハイブリッド型などとも呼ばれる)太陽電池とは、利用波長の異なる太陽電池を複数積み重ねた太陽電池である。

[編集] 特徴

  • 太陽光のエネルギーをより無駄なく利用することで変換効率の向上が図れる。
  • 材料の組み合わせによっては、温度特性や必要な資源量を削減するなどの効果も得られる。

[編集] 原理

多接合型太陽電池の概念図:各波長の光子のエネルギーを効率良く利用する。
多接合型太陽電池の概念図:各波長の光子のエネルギーを効率良く利用する。
  • 太陽光スペクトルは紫外線から赤外線まで幅広く分布するが、短波長(紫外、紫、青)の光になるほど光子は大きなエネルギーを持ち、より大きな禁制帯幅を超えてキャリアを励起できる。この短波長側の光に対応した禁制帯幅を持つ単接合太陽電池を用いれば、より大きな電圧を得ることが出来、短波長域の光のエネルギーをより効率良く利用できる。しかし禁制帯幅を拡げすぎれば、より長波長の光は素通りして利用されず、出力電流が減少する。
  • 即ちpn接合が1つだけの単接合太陽電池においては、禁制帯幅より大きなエネルギーの光子のエネルギーの一部が無駄になり、禁制帯幅より小さなエネルギーの光子のエネルギーは利用できない。このような兼ね合いから、単接合の太陽電池では禁制帯幅1.3~1.4eV付近が最も高い変換効率が得られる。単接合の場合、変換効率の限界は約30%とされる。2005年現在の記録はAM1.5G,1sunにおいて25.1%、AM1.5、255suns(集光セル)において27.6%である。
  • ここで、禁制帯幅の異なる複数のpn接合素子を積層し、光の入射側の素子から順に短波長の光を利用して発電し、より長波長の光はより下層の素子で利用する。こうすれば各波長域の光子のエネルギーをより無駄なく取り出すことが出来(より高い電圧が得られる)、かつより長波長まで含めたより多くの光子を利用できる(より多くの電流が得られる)。変換効率は最終的に取り出せる電力(電圧×電流)で決まるため、単接合の場合に比べてより高い効率が得られる。
  • 理論的には無限に接合を増やせば約86%の変換効率になると計算されるが、実際には上層の素子を通過する際の光の損失や素子間の電流の整合の問題で、それより低くなる。2005年現在の記録は3接合セルで得られている(下記)。4接合、5接合のセルも研究されている。

[編集] 応用

  • GaInP/GaAs/Geの3接合セルで30%を超える効率が得られ、主に宇宙用に用いられている。2005年末の時点での小面積セルでの世界記録は米国ボーイング社の子会社(Spectrolab)の持つ39.0%(GaInP/GaInAs/Ge、236SUNs、集光型)および32.0%(GaInP/GaAs/Ge,AM1.5G,1SUN)である(M.A.Greenら、Prog.Photovolt.Res.Appl.,14(2006)45)。
  • 民生品では、結晶シリコンとアモルファスシリコンを積層したものが実用化されている。アモルファスシリコンは禁制帯幅が広く、利用波長域が結晶シリコンと異なるため、同一元素同士でも多接合太陽電池を形成できる。このようにすることで効率だけでなく、温度・光強度に対する特性や最終的な資源の消費量の面でも優れた製品が市販されている(例1例2)(温度の影響も参照)。

[編集] 温度の影響

太陽電池モジュールは条件によっては日光によって温度が60~80℃にも達することがあるが、太陽電池では温度が上昇することで出力が低下する現象が見られることがある。これは高温において禁制帯幅(シリコンでは1.2eV)が減少することで出力電圧が低下するためである。エネルギーギャップの大きいアモルファスシリコンや一部化合物系の太陽電池では電圧低下の影響が少ないため、モジュールが高温になる地域では有利になる。一方、高温になると光吸収係数が大きくなることで電流が増加する効果も発生するが、結晶シリコンでは通常この効果は小さい。

  • 温度係数は結晶シリコンにおいては通常-0.45%/℃前後であり、これは70℃において基準温度(25℃)に対して約2割の出力低下になる。
  • アモルファスシリコンにおいては禁制帯幅が1.75eVと大きいため、温度による効率低下は少ない。アモルファスシリコンを結晶シリコン等と積層することで、変換効率を単結晶シリコン並の20%前後にしつつ、温度係数を-0.2~-0.3%/℃程度(70℃においても1割程度の出力低下)に抑えることが出来、内外の企業によって実用化されている。
  • GaAs(禁制帯幅1.4eV)では温度係数は-0.2~-0.3%/℃である。
  • CIS系など一部の太陽電池では、ある程度温度が上がることで光や放射線による劣化がアニーリング効果によって回復する性質がある。
  • 人工衛星用など宇宙用の太陽電池モジュールでは、使用時の温度が-100℃~+120℃程度の範囲で軌道周回に伴って頻繁に変化するのに対応して、熱サイクルによる疲労などに配慮した製品が用いられる。

[編集] アモルファスシリコンの光劣化

アモルファスシリコンは強いの照射によってシリコンダングリングボンドが増加し、導電率が劣化する性質を持つ。これはステブラー・ロンスキー(Staebler-Wronski)効果と呼ばれ、欠陥密度の増加によって素子内でのキャリアの移動を阻害し、太陽電池の性能の劣化を招く。これに対しては、下記のような対策が取られる。

  • アモルファスシリコンの製膜工程を改良し、関連する不純物(水素、窒素など)の含有量を最適化する
  • 光閉じ込めを利用して膜厚を薄くする。これによって空乏層内の電場が大きくなり、キャリアの移動が阻害されにくくなる。
  • 多接合化して光の利用効率を高めると共に、個々の空乏層を薄くする。
  • 紫外線が特に問題になる場合は、モジュールの保護層(ガラスやEVA樹脂)で遮断する。

こうした対策技術の開発により、現在は屋外用にも長寿命のものが実用化されている。

なお、光照射によって増加した欠陥密度は、光照射が続くと飽和する。また、熱が加わることで時間と共に減少する(例えば浜川・桑野「太陽エネルギー工学」P.167)。一般に屋外用の製品においては、使用開始時に性能が数%~10数%程度低下する現象(初期劣化)が見られるが、その後は安定する。またカタログ性能値には初期劣化後の値が用いられる。

[編集] 関連項目

[編集] 参考資料

[編集] 外部リンク

解説サイト:

国内関連団体:

海外:

その他太陽電池に関する情報:

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