太田水穂
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太田水穂（おおた みずほ、1876年(明治9年)12月9日 - 1955年(昭和30年)1月1日）は、日本の歌人、国文学者。本名は太田貞一、別号・みづほのや。
[編集] 生涯
長野県東筑摩郡広丘村（現・塩尻市）に生まれる。長野県師範学校（現・信州大学教育学部）に進学。在学中に詩歌に興味を持ち、文芸雑誌「文学界」に投稿を始める。同級生に島木赤彦がいる。卒業後、松本高等女学校（現・長野県松本蟻ヶ崎高等学校）の教師となる。その後、和田小学校校長に赴任する。この頃、窪田空穂と親交を持つようになり、空穂らと和歌同好会「この花会」を結成。明治35年（1902年）歌集『つゆ艸』を発表。明治38年（1905年）には赤彦と「山上湖上」を刊行。明治40年（1907年）には信濃毎日新聞の歌壇選者となる。
明治41年（1908年）上京。日本歯科医専（現・日本歯科大学）の倫理科教授となる。明治42年（1909年）同郷出身で「この花会」会員であった四賀光子と結婚。妻とともに教職の傍ら和歌を詠んだ。この頃、親族の太田喜志子が寄宿しており、水穂宅を訪れた若山牧水と知り合い、後に結婚することとなった。大正4年（1915年）歌誌『潮音』を創刊、主宰となる。歌論や古典研究にも力を注いだ。大正9年（1920年）阿部次郎、安部能成、幸田露伴、小宮豊隆、和辻哲郎などと「芭蕉研究会」を結成。松尾芭蕉の文芸を短歌の世界に取り込んだ。これを批判した斉藤茂吉との間に「病雁論争」が起こり激しい対立を招いた。
昭和9年（1934年）神奈川県鎌倉市扇ガ谷に山荘を構える。昭和14年（1939年）一家で鎌倉に移住し、以後、ここを中心に創作活動を行う。昭和30年（1955年）死去。享年79。北鎌倉の東慶寺に葬られる。法号は潮音院杳荘水穂居士。
養嗣子に兄・嘉曾次の三男・兵三郎を迎えた。彼は後に歌人で国文学者の太田青丘となっている。
[編集] 歌集
- つゆ艸（1902年）
- 山上（1905年）
- 雲鳥（1922年）
- 冬菜（1927年）
- 鷺鵜（1933年）
- 螺鈿（1940年）
- 流鴬（1947年）
- 双飛燕（1951年）
- 老蘇の森（1955年）
[編集] 参考文献
- 異端の桜 太田水穂研究のために（森本善信 日本図書刊行会 2005年） ISBN 4823107926
