天使禁猟区
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天使禁猟区(てんしきんりょうく、Angel Sanctuary)は、由貴香織里による漫画作品。全20巻。文庫版も全10巻で発行されている。
目次 |
[編集] 概要
1994年の15号から2000年の22号まで「花とゆめ」(白泉社)にて連載されていた。主人公とヒロインとの禁じられた恋を主題にしているが、異世界における天使や悪魔達の攻防、心理を重厚に描き、ファンタジーとして昇華されている。ドラマCDおよびOVAでも展開されている。海外でも非常に評価は高く世界中で売り上げを伸ばした。日本だけでも1000万部を突破した。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
無道刹那は実の妹である紗羅を愛してしまっている16歳の少年。ある日刹那は、地獄からきた邪鬼(イヴル)たちに女天使アレクシエルの生まれ変わりだと告げられる。自らの宿命や禁断の愛に悩み、ついには手首を切ることで自殺を図ろうとするがザフィケルに悟らされる。母親は2人を離そうとするが、吉良先輩の支えもあり、ついに紗羅と結ばれる。だがその幸せは長く続かず、ロシエルの策謀で紗羅はロシエルに利用されたキリエによって殺されてしまう。
その結果刹那は有機天使として覚醒する。その際キリエは消滅しそれを止めようとしたロシエルの部下カタンも巻き添えを受ける。だが、ロシエルはこの世で最も高貴な汚物、あらゆる業(カルマ)を背負い続ける自分のことを、純粋で無垢に慕ってくれるカタンに、嘘でもいいから自分の事を美しいと言って、自分自身を欺かせて欲しかった。そのため、ロシエルはチップを用いてカタンを生かそうとする。
刹那は紗羅に再び会うため、仮死状態となり死者の魂が集まる星幽界(へディーズ)へ旅立つ。そこで自らが殺した加藤故と会った。そこでキリエの魂を持ち沙羅の顔を持ったドールと出会い、彼女と戦ったが、その際加藤の魂は消滅しかける。だが、古の時間魔法で加藤の魂を保持させた。その後ウリエルと戦い彼を正気に戻らせた後に、彼女の魂があった部屋に連れて行かれたものの、そこにはもう紗羅の魂はなく天界に連れ去られた後であった。その後加藤の精神の中に入り彼の魂を開放させ、加藤の魂を蘇らせる。
刹那は地上に戻ろうとするがボイスが刹那の魂と肉体を結ぶ七支刀を抜いてしまったため肉体が死んでしまう。加藤は刹那を地上に返すため自らを犠牲にしようとするがウリエルは彼の魂に再び植物の種から作った生体を与え生かす。その時ニドヘッグ(廃竜)に男性達に暴行されたライラという女性に自分は虚偽の純潔を奪われた訴えをされ処刑されても憎んでいない、貴方は少しも汚れてなんかいない、今でも愛していると伝えて欲しいと頼まれる。その後、刹那はアレクシェルの身体に戻る事になる。
その混乱の最中、九雷はベリアルの陰謀によりルシファーの花嫁にされかける。そしてその結婚とはゲヘナ(地獄)の崩壊を防ぐための生贄にされる事であった。自らに生贄にされる純潔さのないベリアルは、自らを罵るルシファーへの歪んだ愛情から多くの処女を生贄に捧げてきたのであった。九雷をおしとどめようと刹那はゲヘナへと向かうが、地獄は崩壊しかけていた。だが、紫羅九音が自らを犠牲にし地獄の崩壊を食い止めた。ベリアルはその時死にたがっていたが、彼女を冷酷に愛するアスモデウスが助けていた。
一方、沙羅はセヴォフタルタの針がジブリールの肉体から外されたのとともに、その肉体に戻り刹那の肉体を蘇らせようとし、その力を持つラファエルに協力しジブリールとしての力を発揮し刹那の肉体を蘇らせていた。だがその後、兄と通じた罪を問われ天界で幽閉されていた。そして自らの肉体に戻った刹那は紗羅を取り戻し、地球崩壊を食い止めるため至高天の神の塔(エテメナンキ)へと向かう。
[編集] 登場人物
天使や悪魔の設定はあくまでこの物語における設定であり、一般のものではない。登場人物の多くはその時その時に別人になり、生きているか死んでいるか微妙な時もあり、男性なのか女性なのかなどもはっきりせず、複雑に絡み合った状態となっている。非常に複雑であり概念も独自であるが、それがこの漫画の素晴らしい面でもある。
[編集] 物質界(アッシャー)
無道 刹那(むどう せつな)
- 堕天使アレクシエルの魂を内包している。天界にさらわれた紗羅を救い出すために、苦しみ悩みながらも戦いに身を投じる。選ばれし真の救世使。紗羅の死をきっかけに有機天使としての力が覚醒する。
- 実の妹である沙羅を強く愛しており、彼女と血縁関係がないことを願っていたがやはりあることを思い知らされていた。妹とキスをしているのを母親に見つかり、心にもないことを述べてしまうがやはり自らの心には嘘をつけず、最終的に彼女と結ばれる。妹の沙羅をめぐりラファエルと争いになるが、ラファエルが引いた。
- 加藤故を殺害するが、それは彼がロシエルのチップに犯されていたためであった。その後その死体は吉良が埋め、その罪も背負った。
- へディーズに行くときは仮死状態になり、その後ノイズが七支刀を抜いたため、一時アレクシェルの女天使の肉体に戻る。ラファエルやジブリールの手により自らの身体に戻った後は、アニマ・ムンディと行動を共にする。
- ロシエルに右目を犯された際は、その目によりロシエルから天界裁判の模様を見せられる。その後右目を潰し、法廷に突っ込みマスクを外したセヴォフタルタに会うが彼の額には逆十字が記されており、彼がライラであったことを知る。刹那は彼女にニドヘッグの思いを伝える。
- 復活したルシファーが現れ刹那の前に立ちふさがる。だが、救世使として成長した刹那は七支刀をルシファーの力から離し自らのものにし、その際に右目は再び開かれる。そして刹那は全ての決着をつけるためエテメナンキへと向かった。
無道 紗羅(むどう さら)
- 刹那の実の妹。兄を愛しているが周囲からは軽蔑されおかしいと思われ苦しむ。キリエの策略の際に刹那をかばい命をおとす。
- 四大天使の1人ジブリールの生まれ変わりであり、メタトロンがサンダルフォンに言われジブリールの針を抜いた事でジブリールの身体に戻る。天界ではラファエルと会い彼と協力し刹那の身体を蘇らせる。ジブリールとしての力が使われたのはその1回のみ。
- 一度脱走を試み、刹那と出会うがザフィケルの卑怯だという言葉とリルのことを考え再び戻る。孤高離宮に監禁されセヴォフタルタの策略により、実の兄と結ばれた罪で天界裁判にかけられる。
- 裁判ではラファエルが薬を用いてセヴォフタルタに対する訴えを言えなくさせるが、沙羅に対する想いから法廷に入り口を言わせるようにする。さらにラファエルは沙羅の肉体を蘇生させる。だが、彼は彼女を必死に愛しており、沙羅を一室に監禁する。
- 監禁されていた一室に入ったサンダルフォンに子供を産まされようとするが、それは未遂に終わる。だが、沙羅の悪夢はサンダルフォンに食われており、沙羅は想像妊娠状態となる。この後、沙羅は刹那が刹那だと分からなくなる。
- 想像妊娠状態となった彼女は自らの醜い面を見せ、狂気的な面が多くなる。九雷と会い、彼女に激しい敵意を見せる。サンダルフォンは残留思念となり復活を狙い、沙羅の手で多くの天使を殺しラファエルらの下から脱出。沙羅をエテメナンキへと向かわせる。
- ラファエルがエテメナンキに向かおうとする彼女を止めようとしたが、笑いながら沙羅は大勢の天使を殺害。沙羅に戻り純粋になったように見せながらラファエルを騙し針で大怪我を負わせる。さらに沙羅は彼を殺そうとするがバービエルが庇い彼女は瀕死の重傷を負う。
- 沙羅は天国への門へと瞬間移動し、さらに空間を歪ませ天国への門を通り抜け、神性界へと入る。
吉良 朔夜(きら さくや)
- 伝説の魔剣七支刀御魂剣(ななつさやみたまのつるぎ)の現在の姿。7歳の時交通事故に会いその際に、七支刀と同化した。現在の刹那の事は出来の悪い弟みたいに思っている。不知火という刀を持つ。
- ロシエルの血をあびたため不滅の精神体となり、幾度となく人間の体から体に乗り移りながらアレクシエルの魂を見守り続けてきた。ロシエルの血によりなかなか死ななかったが、だんだんとその効果は切れかけていた。
- もともとは堕天した地獄の王ルシファー(天使時:ルシフェル)の転生した姿。刹那が自らの身体に戻りかけた際には、レテの川に浸かったアレクシェルにルシフェルといわれる。その頃には記憶がだんだんと蘇ってきていた。
- 朔夜との約束から親に愛されようとしないが、実は父親を愛している。幼少期の朔夜は物語の最後まで絡み続ける。
- 女をよくとっかえ、まともに愛されたがっていない。煙草をよく吸う。加藤故を殺害した罪を、刹那の身代わりに背負う。
- 彼がロシエルの手により死んだ瞬間に七君主(サタン)は全壊を防ぐため魔王の本体を捨て天界と地獄を繋ぐ楔を切り、七層の大地ごと大転移を行い天界に体当たりしたため地獄の上二層と天界の下二層が砕けた。
加藤 故(かとう ゆえ)
- アシッド(LSD)やE(エクスタシー、MDMA)などの薬物をよく服用していた。サバサバした性格で、キレるのも早ければ立ち直るのものも早い。煙草をよく吸う。母親の不義の子で、父親が早く死ぬようにと、故という名前をつけた。父親に虐待され、強姦はしなかったが5つ年上の姉の冴(さえ)に襲い掛かったりした事もある。父親は死んだが、通夜にも行かなかった。
- 刹那の眷族になることで過去の妄執を断ち切り、自らの運命と戦うため刹那と行動を共にするようになる。刹那の魂を地上に返したり、ゲヘナ皇国へ行き刹那の死体を蘇らせるのに協力したりする。
- 朔夜がロシエルの手により死んだ後は彼から不知火を譲り受ける。彼は不知火を持ち、ルシファーにその刀を向けたが、彼はそのまま死ぬ。最後に彼は朔夜の幻を見て朔夜は言う・・・「やっと戦ったじゃん」。そして、その刀は最終的にルシファーの朔夜としての過去を思い出させるものとなった。
斉木 翠雀(さいき るり)
- 紗羅の友達だった。「天使禁猟区」のゲームに夢中になった彼女は、みるみる美しく人を惹きつける妖しい魅力に満ちていく。最終的に殺害されるが、最後の力で沙羅を助ける。
[編集] 炎の祭壇(ゲヘナ)
九雷(くらい)
- ゲヘナ皇国の第14皇女。邪鬼で唯一の神竜使いで龍主上(ドラゴンマスター)である。少女らしい無垢な心の持ち主であり、それゆえに神龍が従っている。
- かつて家出していたが、帰ってきたときには皇族がほぼ全員殺されていた。その際神に反旗を翻し自らを助け、共に戦ったアレクシエルに心酔していた。
- 刹那に淡い恋心を抱いているが、そのため沙羅には心の底では嫌われている。
紫羅九音(あらくね)
- 九雷と同じゲヘナ皇家の血を引く者。男性でありながら女性のような振る舞いをしている。九雷のよき相談相手であるが、その正体は皇位を狙う反逆者だった。
- 従兄妹という事になっているが、実は九雷の兄であり父親により九雷の身代わりにされ、反逆者らにより殺されかけていた。その時ベリアルに促され部下となり、王妃の姉の子を殺し彼に成りすましていた。
ボイス
- 恋敵でもある刹那に敵対心を抱いていた。そのため刹那が仮死状態になっている時、七支刀を抜こうとした。結果的に意図的ではなかったが、間違って抜いてしまい九雷怒り幽閉される。だが、有機天使の起こした奇跡を目撃し彼の信奉者となる。しかしその後、紫羅九音の裏切りに気付き、殺される。
ノイズ
- ボイスの双子の姉。ベリアルの魔術によって魔物(ビースト)にとりつかれ皆を促し救世使が偽者だと主張し一時追い出す。だが、最終的に彼女から魔物が飛び出した際に魔物を皆が始末する。弟の死をきっかけに髪を切り、彼を殺した犯人に復讐を誓った。
- 4枚の羽を持つ闇の魔王。元は天使。絶対悪として生まれ、天界を裏切り第一次天地大戦を引き起こした。後に創生神の手で邪剣<七支刀御魂剣>に魂と記憶を封印されていた。
- ロシエルの手により朔夜が殺害された後にロシエルの手により蘇らせられる。その後はロシエルと行動をともにし、ロシエルに操られているように見せながら創世神を倒そうとする。
- 義の国(エデン)で刹那がなくした不知火を持つ。最後のシーンでは朔夜の父親の側に現れ黒い羽を落とす。
- 傲慢(プライド)を司る七君主(サタン)。無価値(ベリアル)の名を持つ。「有害」を及ぼす事をモットーとしている。自称「いかれ帽子屋(マッド・ハッター)」。ルシファー以外に名を呼ばれるのを嫌う。右足の太ももには蝶の刻印の図形(シジル)が付けられている。妬み、破壊、患難、捕囚、欠乏、混乱、荒廃の7つの悪徳を愛し、ベリアルの唇からはそれらが生まれる。
- かつては天使でラファエルの副官として力天使の地位にあった。天界にいた頃は非常に淫らであり、それを感情の全くこもらない冷たい機械の様な口調で、誰にでも羽を広げる蝶と罵る。だが、自分のことを売女などと罵るそのルシファーに心酔し共に堕天する。
- 薬を用いて、自らの身体が女性化するのを防いだ。そのために肉体が女性化していないが、実は非常に美しい。だが、その顔を道化の化粧で隠しており、背も高く声も低いため、事実上男性にしか見えない。
- 淫欲(ルスト)を司る七君主(サタン)。淫らであるが、性に関して冷酷な感情を持っている。ベリアルに冷淡な愛情を抱いている。
アスタロト
- 怠惰(スルース)を司る七君主(サタン)。1匹の蛇を媒介として生み出された双子。自らの身体の中に双子の妹のアスタロテの魂を内包してる事で精神は非常に狂気に満ち溢れいつもギリギリの所で正気を保っている。誰よりも「神」を呪っている。本編では書かれていないが髪は染めた金髪である。アスタロテが表に出ている時は、アスタロトは黒い蛇になる。
アスタロテ
- アスタロトの双子の妹でアスタロトと身体を共有している。そのため子供が産めないが、子供を食らう事でその欲求を満足させようとしている。兄に疎まれている。アスタロトが表に出ている時は、アスタロテは白い蛇になる。
バルベロ
- 憤怒(ラース)を司る七君主(サタン)。かつてはバルという名でありミカエルの部下であったが、第一次天地対戦の時ルシファーを庇い、死の淵に立つがルシファーが助ける。自称ルシファーの最初の妻。他の悪魔達との間に子供をもうけ、それをルシファーとの子だと公言している。
[編集] 至高天(シコウテン)
アドナイ<創世神>
- 肉体を持たず、物体や誰かの身体を媒介とする存在。巨大情報体マザーコンピューターであるアカシック・レコード(天の板)を手にしている。
セラフィタ<聖隠者(アダム・カダモン)>
- 6枚羽根をもつ創生神が創り上げた最高の存在。古の時代に失われた時間魔術を使うことができる。現在は神の塔(エテメナンキ)に人知れず幽閉されている。地球を一掃させる計画を奇跡を起こし阻止しようとしている。
アレクシエル<有機天使>
- 自然無限物質(エーテル)の力を司る有機天使。かつて神に反旗を翻し、堕天使となった。3枚の羽を持ち美しい姿をしている。天地大戦後、肉体と精神を裂かれ天界最大の牢獄・中空回廊に天使の結晶として収監されていたが、九雷たちの手により強奪される。時折現れてはロシエルやルシファーと話す。
ロシエル<無機天使>
- 電磁場無限物質(アカシヤ)の力を司る無機天使。アレクシエルの双子の弟で同じく3枚の羽を持つ。美しくまるで女性のような姿をしているが、実はそれは創世神が与えたアレクシエルの身体である。天地大戦時に封印されたがカタンの手により復活した。アレクシエルに復讐心と愛情という歪んだ感情を抱いている。
カタン
- 元は実体のない精霊天使だったが、ロシエルから肉体と「導きたるもの」を意味するカタンという名を与えられ、智天使にまで昇り詰めた。ロシエルに無償の忠誠を誓っている。有機天使の覚醒の際にキリエを救おうとして巻き込まれ死にかけるが、ロシエルがチップを与え生かす。その際多くの人間や子供達を食らったが、そこで出会ったティアイエルのために迷う。だが、ティアイエルの死によってロシエルについていく道を選ぶ。
- 正気を失ったロシエルの手により殺害され、それを苦しんだロシエルは理性を失い伝説の破壊の天使として覚醒する。だが、最終的にアレクシェルの手によりロシエルとカタンは二人とも復活した。
トビエル
- 智天使長(グレートケルビム)。ロシエルを殺害しようとするが失敗しロシエルの部下になる。そして最終的にロシエルのチップの影響で炸裂する。
ティアイエル
- ティアラ。ティアイエル(未来の天使)の名を持つ。天使の心が分かる能力を持つ。天使を食ったため、「堕天使」の烙印を押され皆から軽蔑され、「天使食い」「悪魔の子」などと呼ばれた。ロシエルの屋敷に忍び込んだ暗殺者らにより殺害された。カタンはロシエルのチップをティアラに与える事を拒み、ロシエルもそれがいいと言う。
- 四大天使の1人で第一質料(プリマ・マテリア)の一つである水の守護者。セヴォフタルタに自由を奪われ、刹那の守護天使(ガーディアンエンジェル)として人間に転生させられていた。紗羅の精神が目覚めるまでその身体は、水の庭園に幽閉されていた。元智天使長。
- 沙羅が脱走のため髪を切ったが、沙羅の魂が抜けたとたん元通りになった。
- 四大天使の1人で第一質料(プリマ・マテリア)の1つである風の守護者。力天使長(グレートヴァーチューズ)。治癒を司る者でもあり、唯一蘇りの術「反魂」を使うことを許された天使。ミカエルをミカちゃんと呼び昔から何一つ変わらない奴として見ており、喧嘩をよくする友人でもある。
- 心の奥底で「女」を嫌悪し復讐心から何百人もの女性に非道な行為を行い続け、彼女達を弄びその優越感で自分のプライドを保っていたが、紗羅との出会いによりその心に変化が現れる。彼女を争い刹那と争いになるが、ウリエルやミカエルに呆れられた。
- クズのような自分を無償の愛で包み込んでくれたバービエルが沙羅のために瀕死になった際、その愛に気づき大怪我を負った状態で自らの命を顧みず、全力で彼女を蘇生させるがそのために彼はコールドスリープに入った。
- 四大天使の1人で第一質料(プリマ・マテリア)の1つである炎の守護者。燃えるような赤い髪と激しい気性の持ち主で魔王ルシファーの双子の弟。低い身長と兄ルシファーの話をされると逆上する。能天使長。
セヴォフタルタ
- 熾天使付宰相。白き天使(セヴォフタルタ)の名を持つ。その立場を利用し、事実上政治の実権を握っている独裁者と天界ではみなされているが、実はサンダルフォンの傀儡。いつも顔を大きなマスクで隠している。ライラという女は、脳だけになったと刹那に述べ、その存在自体を否定している。
- あどけない少年の姿をしていて、いつも大好きなうさぎのぬいぐるみ(うささん)を抱いている。ジブリールの針を抜いた際、うささんはばらばらにされるがその後再び元通りに戻る。死産した双子の弟はサンダルフォンという。熾天使長。
サンダルフォン
- メタトロンの双子の弟。うささん。身体がなく「揺り籠」の中でしか外界を見る事ができず、自分の身体をメタトロンを使い気に入った女に産ませようとしている。セヴォフタルタが針で封印していた。また、セヴォフタルタはメタトロンに薬を与え彼が表に出てこないよう工作もしていた。
ザフィケル
- 表面上では実直な人物を演じているが、その胸には堕天使の烙印があり、叛乱組織「世界の魂(アニマ・ムンデイ)」の陰の統主でもある。座天使長。ウリエルが沙羅の魂を渡した相手。
- 天地大戦においては最も果敢で残忍な猛将として恐れられた男。過去に自殺しようとした際、アダム・カダモンによって助けられるがその代わりとして光を奪われた盲目の天使。その後、非武装主義と人間と悪魔と天使の共存を唱える。その際の喉の刃物による傷は残り続けた。
- セヴォフタルタの手で「羽落とし」の刑を受け精神が崩壊したがサリエルの放った剣先に仕込んだ亡者(ダール)を唯一殺す毒性のウイルスで一時正気を取り戻す。最後はアダム・カダモンがその目を開かせ、アナエルによく似たラジエルの風貌を見せる。そして、ラジエルの手により殺害された。
アナエル
- ザフィケルの元恋人。ザフィケルの子供を身ごもっていたが、アナエルが死に、その子供をザフィケルは人工用水に入れ生かそうとするが、結局死んでいてザフィケルは絶望した。だが、実はその子は生きていた。
ラジエル
- 他人の意識体と同調し、そのアストラル力を無差別に増幅・放出することが出来る赤い瞳の変異亜種(アイオーン)。その特異能力の為ラボに送られ、白い部屋(ホワイトルーム)でモルモットにされていた。だが、ザフィケルに助けられる。ザフィケル亡き後はその遺言により「世界の魂(アニマ・ムンデイ)」の統主となる。彼は父親の事は知らない。
シャテイエル
- 沈黙の天使(シャテイエル)。有るまじき子供(インプロバチャイルド)。天使同士で禁忌を犯して出来た子供。羽が片方しかない。形成界最下層第一天シャマイムに住む。兎狩りの天使達がよく暴行する。セヴォフタルタの陰謀により殺害されるが、セヴォフタルタは否認。
ライラ
- サンダルフォン研究チームのチーフだった。額に逆十字の傷がある女天使。頬に堕天使の烙印を持つ。ザフィケルに恋心を抱いていたが、本人は認めなかった。同僚の嫉みを買い陵辱され、逆に相手を傷つけてしまう。そしてその事実を隠蔽する為、仲裁に入ってくれた彼女を愛する天使までも告発した。そしてサンダルフォンの力で自分の姿を男性のように変え、セヴォフタルタに成りすましていた。
- 失脚後はサンダルフォンにより妊娠させられたまま、力を封じられ孤高離宮に閉じ込められる。だが、そこでニドヘッグの種から生えた蔦から歌われる、自らがかつて歌った哀しみの賛美歌(キリエ・レイソン)を聞く。そしてニドヘッグは自分がライラを守れなかった事、今も昔も禁欲的で美しい天使である事などを告げ、そしてライラはそこから彼の幻影とともに飛び降り、真っ白な世界の中で自殺する。
キリエ
- ロシエルに利用され紗羅の抹殺を画策し、有機天使の覚醒時に発せられた力によって命をおとす。思い込みが激しく、ロシエルに利用されている事を最後まで認めなかった。
リル
- 脳にミクロの機器を埋め込み機能を麻痺させる手術を行わされた杭打ち(ステイカー)である。元精霊天使(グリゴール)。目の中がキラキラしており笑顔を作り、ジブリールに使えている。聖巫女(シスター)見習い。
- 時折怖い夢を見る。死んでしまいたいほど辛い夜もある。時折暴行されるがあまり考えたがっていない。本人曰「ワタシが何もわかってないからだそうです」。
サリエル
- 邪眼(イヴル・アイ)の持ち主。中空回廊の最高司令官。刹那や朔夜を殺そうとするが辛うじて正気を取り戻したザフィケルに殺される。
リウエト
- 発明の天使(リウエト)。初めはからかい半分であったが、加藤の強い意志を認め彼が自らの命を懸けていることを知った上で彼の腕を改造した。
カマエル
- ミカエルの部下。身体の半分以上が作り物で、なかなか死なない。
バービエル
- ラファエルの副官。沙羅に殺されかけるがラファエルが全力で蘇生させる。そのため、ラファエルはコールドスリープに入らざるを得なくなった。
[編集] 星幽界(ヘイディーズ)
- 四大天使の1人で第一質料(プリマ・マテリア)の1つである地の守護者。地獄門鍵守人(ヘルゲートガーディアン)。神の焔(Uriel)の名を持つ。長身で内気だがペルソナの影響で切れやすく暴れまくる面もあり、天界にいた頃は会議室や城を破壊した。そのため他の天使に敬遠され、怪我人治療のラファエルにはより嫌われたが、天界一の暴れ馬ミカエルにだけは大うけだった。裁きの天使であり、アレクシエルに堕天使に用いる最高刑である言霊呪法をかけた人物。そのためにアレクシェルは輪廻を繰り返し悲惨な死を繰り返していた。その罪の意識から素手で声帯を引きちぎり声を封じ、星幽界に身を潜めていた。ペルソナを付けていたが、そのペルソナに操られていた。刹那と会った後はペルソナは付けなくなった。非常に純粋にアレクシェルを愛している。
ドール
- 星幽界に迷い込んだ天使(キリエ)の魂をウリエルが人形に移植した。自分を生み出してくれたウリエルに心から尽くしている。
ニドヘッグ
- ライラに虚偽の告発をされ亡者となった。ほとんど記憶はないが、その女性に今でも恋心を抱いている。
- 閻羅王
- 坩堝の管理統括を行っている。
[編集] 天使階級制度
現在は、熾天使最高裁が実権を握っている。また、それぞれの階級ごとに天使長(グレートエンジェル)がいてほかの天使を絶対的な権力で支配している。 最高指導者は大熾天使長であるメタトロン。
- 創生神
- ▼
- 聖隠者<アダム・カダモン>
- ▼
- 最高天使
- 有機天使<アレクシエル>
- 無機天使<ロシエル>
- ▼
- 第一階級
- 熾天使<セラフィム>
- 智天使<ケルビム>
- 座天使<トロウンズ>
- ▼
- 第二階級
- 主天使<ドミニオンズ>
- 力天使<ヴァーチューズ>
- 能天使<パワーズ>
- ▼
- 第三階級
- 権天使<プリンシバリティーズ>
- 大天使<アークエンジェルズ>
- 天使<エンジェルズ>
- ▼
- 労働階級
- 精霊天使<グリゴール>
[編集] OVA
- 天使禁猟区(1)(2000年5月25日)
- 天使禁猟区(2)(2000年7月25日)
- 天使禁猟区(3)(2000年8月25日)
[編集] ドラマCD
- 天使禁猟区 ドラマアルバム 物質界編-1(発売日:2004年3月17日)
- PROLOGUE~バラダイスロスト~
- 薔薇の失墜~SANCTUS~
- 天使覚醒-1
- 天使覚醒-2
- 天使覚醒-3
- 天使覚醒-4
- 天使覚醒-5
- 天使禁猟区 ドラマアルバム 物質界編-2(発売日:2004年3月17日)
- PROLOGUE~ゲヘナ皇国~
- 原罪回帰-1
- 原罪回帰-2
- 原罪回帰-3
- 原罪回帰-4
- 原罪回帰-5
- 原罪回帰-6
- 原罪回帰-7
- 天使禁猟区 ドラマアルバム 物質界編-3(発売日:2004年3月17日)
- 迷走輪廻-1
- 迷走輪廻-2
- 迷走輪廻-3
- 迷走輪廻-4
- 迷走輪廻-5
- 迷走輪廻-6
- 迷走輪廻-7
- 天使禁猟区 ドラマアルバム 物質界編-4(発売日:2004年4月26日)
- 最終神話-1
- 最終神話-2
- 最終神話-3
- 最終神話-4
- 最終神話-5
[編集] サウンドトラック
- 天使禁猟区オリジナルサウンドトラック(発売日:2004年4月21日)
- 序章
- 薔薇の失墜-SANCTUS-
- 無機天使
- PAUL&LIESE
- 苦悩
- 静かな悲しみ
- 翠雀の心
- 悲嘆
- 黒耀石
- 至高
- STELLA MARY
- 静謐な哀しみ
- 荘厳
- 天空の罠
- 壮絶
- アストラル
- 覚醒
- 太古の神秘
- ゲヘナ荒廃
- 残酷な攻略
- 再生の神秘
- 悲哀
- 神龍召喚
- 追想
- 絶望の果て
- 恐怖
- 激しき情熱
- ジブリール
- 転生の悲劇
- 輝かしき天使
- ロシエルとカタンの絆
- 最後は天使と聴く沈む世界の翅の記憶