大場浩平

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大場浩平（おおば　こうへい　1984年11月19日生まれ）は名古屋市のボクシングジム、スペースＫジム所属のバンタム級プロボクサー。デビュー当初はフライ級で闘い、現在はバンタム級を主戦場としている。

日本人には珍しく、左ガードを低く構え、優れた防御勘、距離感をもって相手のパンチをかわしてはカウンターからコンビネーションパンチで攻撃を組み立てるボクサー・タイプ。得意のパンチは左フックのボディー・ブローと右アッパー。スーパーフェザー級からウェルター級まで４階級に渡って世界タイトルを獲得した天才ボクサー、フロイド・メイウェザー・ジュニアに憧れて、そのスタイルを模倣して闘うと公言していることから「名古屋のメイウェザー」と呼ばれる。しかし、「自分のトレーナーはメイウェザーの試合ビデオ」ともコメントしているように、そのボクシングはややもすると我流であり、その豊かなボクシング・センスが称えられる一方、適切な技術指導を系統立てて受けていないのではないかとも推察され、これから世界レベルのボクサーとの対戦が増えるにつれ、その先行きを危ぶむ声も聞かれる。いずれにせよ中部・東海地区のボクシング界最大のホープであり、いずれは世界タイトル奪取だけでなく、その魅力溢れるボクシングを完成させて、スーパー・スターとなることを期待される、逸材中の逸材である。

[編集] 主要戦績

2002年 6月8日、宮本英哲（陽光アダチ）に1回2分02秒KO勝ちでプロデビュー戦を飾る。

2003年 9月15日、デビュー4戦目で中日本新人王決勝戦を安田眞之介（天熊丸木）と闘い、6回判定勝ちで中日本フライ級新人王獲得。6回には鮮やかな右アッパーでダウンを奪い勝利するも、安田の健闘も光る試合であった。安田は新人時代に最も大場を苦しめたボクサーのひとりであり、現在もメインイベンターとして活躍している。この試合は中部地区でTV放送され、大場のセンス溢れるボクシングは、早くもボクシングファンの間で注目を集める。

2003年 11月3日、大神淳二（関博之）に6回判定勝ちで新人王フライ級西軍代表の座を獲得。

2003年 12月21日、山中力（帝拳）に6回判定勝ちで全日本フライ級新人王獲得。山中の粘りにあって接戦ではあったが、明白な勝利を収めた。

2004年 2月29日、OPBFスーパーフライ級タイトルマッチ、ウェンペット・チュワタナ（タイ）vs小縣新（松田）興行の前座8回戦に出場。ヨードチャイ・ポークンパオラチャダ（タイ）に2回3分00秒でTKO勝ち。序盤から、斜に構えて相手から視線を外した状態で左ジャブをびしびしと決める「ノールック・ジャブ」を披露。ヨードチャイの反撃をすいすいと目で外すと、左のボディブローを突き刺す、といった自在のボクシングで場内をどよめかせる。2回終盤に上下の連打でダウンを与えると、ヨードチャイは戦意を喪失。3回開始のゴングに応じなかった。なお、この日のメインイベントで小縣新に圧勝したウェンペット・チュワタナと大場は、後にグローブを交えることとなる。

2004年 6月6日、日本フライ級タイトルマッチ、中野博（畑中）vs内藤大助（宮田）戦興行の前座10回戦に登場。楠浩明（グリーンツダ）に3回2分10秒KO勝ち。3回にロープを背負った位置から巧みに身体を入れ替え、絶妙のタイミングで放った右アッパーによる見事なワンパンチ・ノックアウトに、会場の吹上ホールは騒然となった。関西ではその強打を恐れられ、ベストウェイトがフライ級であるにもかかわらず、バンタム級で試合をすることもあった「浪速のムニョス」楠との一戦を、ここまでのベストファイトで飾った大場は、さらに注目を集めることとなった。

2004年 8月25日、後楽園ホールに登場。佐藤康史（ワタナベ）に4回2分54秒TKO勝ち。果敢に攻める佐藤を右アッパーで脅かし、左のボディブローで痛めつけての完勝であった。

2004年 10月30日、チャイヨット・オープラモット（タイ）に4回0分47秒TKO勝ち。3回に右アッパーでダウンを奪い、4回に狙いすました右ストレートで痛烈にKO勝ち。

2005年 7月10日、タイ国スーパーフライ級チャンピオン、ペットクローンパイ・ソータンティップ（タイ）と対戦、2回1分39秒KO勝ち。左右のボディブローでタイ王者を沈めた。

2005年 11月3日、WBCスーパーフライ級１４位ホセ・アンヘル・ベランサ（メキシコ）に10回判定勝利。この一年前には後の日本バンタム級チャンピオン三谷将之（高砂）に判定負けを喫したものの、そのタフネスで大苦戦（ベランサ勝利を支持する評が多く聞かれた）を強いたメキシカン・ファイターを相手に、大場の真価が問われる一戦となった。1～2回はベランサの執拗な左ジャブに苦しんだ大場だが、3回に強烈な右アッパーと左ボディブローを突き刺しペースを奪う。タフなベランサを倒すことは出来ず、散発的に反撃を受けたものの、そのたびに右アッパーでベランサのアゴを跳ね上げるなどして明白に打ち勝った。キャリア13戦、弱冠20歳の大場はこの一戦で、その才能と可能性をアピールし、中部・東海地区のみならず、日本のボクシング界を代表するホープとなった。

2006年 2月5日、OPBF（東洋太平洋）バンタム級チャンピオン、マルコム・ツニャカオ（フィリピン）に挑戦、12回引き分けで王座奪取ならず。元WBC世界フライ級チャンピオンで、バンタム級でも世界上位の実力を持つサウスポーのツニャカオを相手に苦戦が予想された。試合はスピード豊かで防御勘に優れたツニャカオに対し、大場は普段とは違い、両ガードを高く上げて圧力をかけ前進。巧みなガード、ブロッキングによる防御ではセンスの良さを見せた大場だったが、攻撃面では右アッパーのボディブローを好打するも追撃はならず単発に終わる。逆にツニャカオの速い右アッパー、左ストレートでガードを破られる場面もあり、全体的にツニャカオ・ペースで試合は進んだ。場内の大半がツニャカオ勝利と見たが、判定はドロー。若きホープが世界的強豪に挑んだ、大いに意義のあるチャレンジマッチだったが、またしても好カード実現の機運を阻害するようなスコアリングがなされたことは、少なからずファンを失望させた。試合後、ツニャカオは憮然としてリングを降り、大場は完敗を認めるコメントを発した。世界王者クラスの強豪ツニャカオに善戦し、改めてその才能を証明した大場だったが、同時に今後に向けての課題も残した一戦であった。

2006年 4月8日、3度目の後楽園ホール登場となる一戦で、新保力（角海老宝石）に10回判定勝ち。

2006年 7月23日、ウェンペット・チュワタナ（タイ）に4回TKO勝ち。

2006年 12月9日、シャーウィン・マナタッド（フィリピン）に4回KO勝ち。

[編集] 人物像

ボクシングを始めたきっかけは、兄に喧嘩で勝ちたかったから、というのが理由だと語っている。
しかしボクシングジムに通ってはいたもものの、最初から身を入れていたわけではなく、「腹筋だけやって帰ったりもしていた」とのこと。
自らの実力について語るとき、その才気溢れるリング上の姿からは想像出来ないほどに謙虚、というのを通り越して、自虐的なコメントを連発することで知られる。鮮やかな勝利を収めた試合後に「どうもすいません。今日はこれで許してください」「明日が見えません」「僕の採点では負けでした」などと真顔で話し、再三にわたって観客を爆笑させている。
石原英康が世界タイトルに挑戦する際、スパーリング・パートナーを務めた。お互いに謙虚な人柄であり、若干「キャラが被っている」状態。大場がある試合で勝利したとき、控え室を訪れ祝福した石原が「大場君とのスパーリングはとても勉強になりました」と言うと、大場が「いえ、とんでもありません、僕の方こそとても勉強になりました」と返す、というやりとりが続き、しばらくの間、お互いにぺこぺこと頭を下げ合っていた．．．という噂がある。
最近は長谷川穂積のスパーリング・パートナーを務め、親交を深めている模様。2006年11月13日、日本武道館で行われた長谷川ｖｓヘナロ・ガルシア戦では、千里馬神戸ジムのセコンドに同道し、赤コーナー下で長谷川に声援を送った。
亀田興毅とのスパーリングも経験している。亀田のパワーには感心するところがあったようで、「彼はヤバいです。強いですよ。」と、亀田を称えるコメントをしている。
絵を描くことが趣味。試合が近づくと、ボクサーの姿をモチーフにした独特のイラストを描き、試合へのイメージを高めるのだという。彼のイラストはジム内にも大きく飾られており、その前で撮ったポートレートが「ボクシング・マガジン」のカラーページに掲載されたこともある。このあたりはリング上の姿と通底する、アーティスティックなイメージが見られる。
携帯電話のメールや写メールを最近（←2006年11月頃）覚えたらしい。
ペットはフェレットとカエルを飼っている。