同級生 (ゲーム)
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| 同級生 | |
|---|---|
| プラットフォーム | PC-9801(PC98) DOS/V ※一般にはPC98版とDOS/V版を総じてDOS版と呼称する。 X68000(X68k) FM TOWNS(TOWNS) Windows 95/98/Me/2000/XP(Win) PCエンジン(PCE) セガサターン(SS) ※一般にはPCE版とSS版を総じてコンシューマ版と呼称する。 |
| 発売元 | エルフ (DOS/X68k/TOWNS/Win) NECアベニュー(PCE) NECインターチャネル(PCE/SS) |
| 発売日 | 1992年12月17日 (DOS/X68k/TOWNS) 1995年11月23日(PCE) 1996年8月9日(SS) 1999年8月27日(Win) |
| ジャンル | 恋愛アドベンチャーゲーム |
| レイティング | 18禁(DOS/X68k/TOWNS/Win) 18歳以上推奨(PCE/SS) |
| 名前変更 | 可(DOS/Win) 不可(PCE/SS) |
| エンディング数 | ヒロインの人数+バッドエンド1 |
| セーブファイル数 | 1(DOS/X68k/TOWNS) 1～8(Win) ※ゲーム進行に伴い8まで増加 |
| 画面サイズ | 640*400 4bit(DOS) 768*512 4bit(X68k) 640*480 4bit(TOWNS)※X68k版もTOWNS版も、DOS版より解像度が高いというわけではない。DOS版の640*400グラフィックをはめ込み表示したようなもので、しかもハード的にモニターの縦横比が元から異なっている為、DOS版に比べると若干だが縦長に表示される。 640*480 16bit以上(Win) |
| BGM再生方式 | FM音源(DOS)/PCM(Win) |
| キャラクターボイス | なし(DOS/PCE) 主人公以外フルボイス(SS/Win) |
| CGモード | あり |
| 音楽モード | なし |
| 回想モード | なし |
| メッセージスキップ | なし |
| オートモード | なし |
| 備考 | Win版以外は全てロットアップ |
『同級生』（どうきゅうせい）は、1992年12月17日にエルフから発売された18禁恋愛アドベンチャーゲームである。
目次 |
[編集] 同級生
[編集] シリーズ概要
シリーズ第1作の『同級生』は、恋愛ゲームという概念を市場に初めて提案した作品でありながら、竹井正樹による華麗なキャラクターデザイン及び原画とも相まって、パソコンゲームとしては異例の10万本を超えるメガヒットを記録した。
本作が採用した、登場する複数のヒロインがそれぞれ個別に持つシナリオをなぞりながら恋愛関係を深めていく…というシステムは、それまでのセックス描写中心であったアダルトゲームの在り方を根本的に変えた画期的なものであり、以降製作された多くのアダルトゲームに影響を与えたと言える。ある意味、現在も製作されているタイトルの多く（特に泣きゲー）は、『同級生』の亜流作品であると言っても過言ではない。
1995年1月にはシリーズ第2作の『同級生2』が発売され、前作以上のメガヒットを記録した。1994年5月に発売された恋愛シミュレーションゲームの『ときめきメモリアル』との相乗効果もあり、恋愛ゲーム市場が一気にブレイクした。
なお、オリジナルは性的描写も売りとするアダルトゲームとして発売されたものだが、各プラットフォームの規制に抵触する箇所を修正して、各種家庭用ゲーム機に移植されている。
また、本シリーズはアダルトゲームからのメディアミックス展開の道を開いた作品としても特筆される（詳しくはアダルトゲーム、UHFアニメの項を参照）。アダルトゲーム原作のアニメやグッズが氾濫する今日のような事態は、当時は想像することすらできなかったのである。
[編集] ゲームシステム・基本シナリオ
本作のゲームシステムは、一見したところ2Dのフィールド見下ろし型RPGのようであり、町内マップを自由に移動しながらゲームを進めていく。フィールド移動が採用されたのは、町の中を自由に移動して女性に声をかけるといった、いわゆるナンパ行動を、PC画面上に再現しようとした為と思われる。基本的にはフラグによってストーリーが進行するアドベンチャーゲームであり、その選択肢をコマンドではなく、平面上に展開したものだと考えることもできる。
ところが本作には、シミュレーションゲームのように時間の概念がある。建物などに入ったりイベントが発生することで時間が経過し、キャラクターとのエンカウントは特定の時間帯でないと発生しない。
こうしたゲームシステムは、ファミコンディスクシステムの『消えたプリンセス』（イマジニア）等、過去に類例が見られるものの、本作以前には殆ど知られていなかった。その為、本作をアドベンチャーゲームと定義するかシミュレーションゲームと定義するかは、しばしば論争の種となった。だが、『同級生2』がドラマ性の非常に強いゲームとして出現したことで、この論争には終止符が打たれ、アドベンチャーゲームに分類されることとなった。これをあえて命名するならば、フィールド移動型アドベンチャーゲームとでも言うべきではないだろうか。
このゲームシステムのデザイナーは蛭田昌人。プレイヤーに極めて大きな自由度を与え、あたかも実在の町の中を自由に行動して、本当にナンパを行ったり、あるいはおバカなことを行ったりしているかのような気分を味わうことができた。このように、蓋を開けてみれば恋愛アドベンチャーゲームに適したゲームシステムであったことからも、DOS版は10万本を超える大ヒットを記録した。
しかし、恋愛アドベンチャーというジャンルには多数のフォロワーが出現したにもかかわらず、このゲームシステムを採用した作品はごく僅かであり、その中でも真に成功したと言える作品は、エルフ自身の作品である『下級生』のみであった。そのことは、「このゲームシステムが蛭田の個人的な才能の上に初めて成立したものであったことを物語っている」とする見方もある（但し実際には、恋愛アドベンチャー以外のジャンルでは、同様・同系のシステムがごく普通に用いられている）。
また、基本シナリオも学園物としては異色の分類に入る。主人公は夏休みの前半部分をナンパ資金調達の為にバイトに明け暮れたという設定になっており、ゲームは8月10日から開始される。そこから8月31日までの間に街や学園をナンパして回るというもので、学園物にありがちな登下校や授業のシーンは存在しない。しかしながら話が進むにつれ、各ヒロインが持つ悩みやコンプレックスといった問題に主人公が向き合っていくというドラマが待っており、「どうして主人公はヒロインに好かれ、セックスに至るのか？」という問いへの回答が提示される。これがナンパゲームを指向しながら恋愛ゲームという評価に繋がった所以である。
ヒロインを含めた他キャラクターとの会話システムには、普通に表示される会話テキストに対しマウスをクリック、もしくはキーボードを叩いて読んでいく通常タイプの他、これより以前の『DE・JA』などで既にファンには知られていた、グラフィックの各所へ移動させるとシナリオと用途に応じた形状に変化するアイコンをクリックして進める特殊タイプが搭載されている。また、お目当てのヒロインのシナリオを進めてフラグを順当に成立させると、やがてアダルトゲームの華であるセックスシーンへと突入するのはこの作品でも同様だが、その際にも後者によって、作り手側の趣向が凝らされていることを思い知らされる。だが、いわゆる挿入後は一変して後者から前者に戻ることで、主人公視点の官能小説調状景描写を、ヒロインとの絶頂を迎えるまでのひと時、読み進めていくことになる。これにより、概ねのプレイヤーは更に主人公とのシンクロを果たし、夢中になることができた。
ちなみに、街の中で主人公が入ることができる家は、一部のおまけ要素を除いて基本的にヒロインの自宅のみであるが、デバッグ作業の時点では全ての家に入れた上、全ての家に住人の台詞と表札が用意されていた。しかしその結果、カーソルキーでの操作ミスにより誤って無関係の家に突入する事態が続出。また、それによりゲーム内の時間が進んでデートイベントに間に合わないといった事態にも繋がった結果、製品版の仕様に落ち着いた。
[編集] キャラクター・原画面
本作は、グラフィック面でも後に大きな影響を与えた作品である。本作品でキャラクターデザイン及び原画を担当した竹井正樹は元アニメーターで、『時空の旅人』の動画や、OVA版『ロードス島戦記』などの原画を担当していた実績を持つ。キャラクターの華麗さ、画面のカット割りなどは今までのアダルトゲームには無い画期的なものであり、日本のアニメーションが長年培った技術が盛り込まれた作品と言える。
また、特筆すべき点として、後にアダルトゲーム原画では最も有名と言われるみつみ美里や、『デ・ジ・キャラット』の生みの親として有名なコゲどんぼらが、本作品を題材にした同人誌を執筆したことが挙げられる。『同級生』発売当時の1992年は『美少女戦士セーラームーン』が、『同級生2』発売当時の1995年は『新世紀エヴァンゲリオン』が大ヒットした時代であった。にもかかわらず、女性の同人作家達にまで興味を持たれるほどの魅力をアダルトゲームが備えたことは画期的なことであり、後に多くのゲーム原画家を生み出すきっかけにもなった。その中でも特に有名なのは『Kanon』などの原画で知られる樋上いたるで、彼女は本作品をきっかけにゲーム業界入りしたと言われている。
なお、ゲームタイトルこそ『同級生』だが、同級生ではないヒロインも多数登場する。特にPC版『同級生』においては全14人中9人が年上という比率なので、「『同級生』ではなく『上級生』では？」と首を傾げるプレイヤーもいた。
[編集] 本シリーズにおける恋愛ゲームの定義
元々アダルトゲームには『TOKYOナンパストリート』（エニックス：1985年4月）を祖とする「ナンパ」というジャンルが存在しており、町で見かけた女の子を口説いてホテルに連れ込むと、ご褒美画像であるエッチシーンが見られる…というゲームの流れが確立していた。1989年発売のエルフの初期作品『ぴんきぃぽんきぃ』は、その流れを受けたナンパアドベンチャーゲームであるが、蛭田昌人は『同級生原画集』（辰巳出版）の対談記事の中で、「『同級生』の大元は『ぴんきぃぽんきぃ』」、「最初は40日の期間内に50人の女の子を次々とナンパしまくるストーリー性の低いゲームだった」と語っている。
つまり、『同級生』も元々は「ナンパゲーム」として開発されていたのだが、蛭田が竹井の絵を見るうちにヒロインをただナンパしてセックスさせるだけでは勿体無いと思い、ヒロインの数を減らして一人一人にストーリー性のあるシナリオを付加させた結果、「恋愛ゲーム」になってしまったのである。これは蛭田自身も意図していなかったことらしく、ゲーム雑誌のインタビューの中で「購入者から『同級生はナンパゲームじゃなくて恋愛ゲームなんだ』と言われて初めて気が付いた」と語っていた。
一方、購入者の声を受けてDOS版の時点から「恋愛ゲーム」として開発された『同級生2』は、ストーリー性・ドラマ性がより強化され、ヒロインは今後の人生を共に生きていくパートナーとして定義された。主人公は卒業間近になっても進路が何一つ決まっていない不安定な存在であるが、ヒロインと結ばれることで自分の中の今後の展望が確定し、エンディングではヒロインと共に選んだ職業で成功する姿が描かれている。
結果、『同級生2』は前作よりも関連商品に恵まれるなどの更なる大成功を収めた。これを良しと見たエルフは、『同級生』をWindowsへ移植する際にシナリオやエンディングを大幅に差し替え、『同級生2』以上に恋愛ゲーム色の強い内容へとリニューアルを施したが、これについては、既にDOS版で「ナンパゲーム」の部分に強く魅せられていた旧来のエルフファンを中心に、落胆する声も多く出た。詳しくは移植版・リメイク版を参照。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] キャラクター
年齢はDOS版当時（Win版ではソフ倫の規制改正の為、未表記）。声優名はPCE/SS/OVA/ラジオドラマの順（Win版は非公開）、未登場及び声無しは「－」で表記。
[編集] 主人公
- ゲーム版（デフォルト）：たくろう（姓不明）／小説版：辻村詠（つじむら えい）／OVA版：諸岡わたる（もろおか わたる）／ラジオドラマ版：拓朗（姓不明） 声：－ / － / 岩田光央 / 成田剣
- 年齢：18歳 その他の設定は不明
- 先負学園（さきまけがくえん）3年生。両親は既に死亡しており、独身の叔父に引き取られている状態。だが現在、叔父は海外を飛び回っていて長期不在ゆえ、叔父のアパートで気ままな一人暮らしを送っている。勉強はやれば出来るのに嫌いな為、成績は悪い（メディアによって多少設定は異なる。なお、後年のアダルトゲームにおける一人暮らし主人公の設定の原型となった）。
- ゲーム版やOVA版では、学園で様々なトラブルを巻き起こしたり伝説を作った破天荒な性格で、無類の女好きかつナンパ師。腕っ節が強い上に決断力にも富み、人を身分や肩書きでなく本質で見ることも出来る為、次第にヒロイン達を惹き付けていく。一方、小説版ではそれ以上に精力そのものを魅力と捉えている節を持っており、ヒロイン達もそれを良しとして、セックスの際にはお互いに避妊を気にしないまま、何回も事に及ぶほど。早い話、DOS版以上にセックス面で能力的にも描写的にも恵まれたキャラクターとなっている。しかし、それらはWindowsへの移植の際にシナリオの大幅変更を受けてかなりの部分が払拭された為、Win版での彼は突出した箇所の少ない印象をプレイヤーに与える、いわゆる無難な主人公となった。
[編集] 主人公と同級生のヒロイン
- 桜木舞（さくらぎ まい） 声：国府田マリ子 / 同左 / 高橋美紀 / 同左
- 年齢：18歳 身長：158cm スリーサイズ：83/56/86(cm) 血液型：A
- 本作のメインヒロイン。水泳部所属だが、各種の稽古事が忙しく、部には滅多に顔を出さない。良家のお嬢様でいわゆる淑女、学園のマドンナ的存在でもあるが、彼女本人はそう見られることに抵抗を感じている。主人公のライバルである相原健二とは、家同士の付き合いがある。
- 開発チームの予想とは裏腹にファンの人気は今一つであったが、メインヒロインにおける赤・ピンク系のロングストレートヘア、才色兼備という特徴は『ときめきメモリアル』（『ときメモ』）の藤崎詩織らに継承されていった（『ときメモ』の開発チームが本作を参考にしていたことは有名な話）。また、開発当初は「桜木京子」という名で、キャラクターデザイン・性格共に舞とはかなり異なる登場が予定されていたが、シナリオでの「深窓の令嬢」というイメージとは駆け離れていた為、ボツになったという経緯がある。京子は後のコンシューマ版において舞の妹という設定で復活したが、もしそのままメインヒロインとなっていたら、後のアダルトゲーム・美少女ゲームの歴史は大きく変わっていたであろう。そういう意味では歴史を変えたと言える。
- 京子シナリオでは姉らしい一面を見せるが、舞シナリオでの性格と比較すると違和感は拭えない。これはコンシューマ版の開発がエルフによるものではない為である（詳しくは移植版・リメイク版を参照）。
- OVA版ではゲーム版準拠だが、小説版では淑女な面に加えて性的に従順な面、Win版では気丈な面を垣間見せるキャラへのアレンジが加えられている。
- 田中美沙（たなか みさ） 声：小野寺真理子 / こおろぎさとみ / 同左 / 同左
- 年齢：18歳 身長：158cm スリーサイズ：79/55/80（Win版では82/55/82）(cm) 血液型：B
- 陸上部に所属する期待のエースで、通称「陸上部のバンビちゃん」。本来は腰まで届くほど長いストレートヘアを、ポニーテールに纏めている。勝気な性格で男言葉を使い、一見ガサツそうに見えるが、実は純情でひたむきな所がある。親友である美穂の恋路を応援しようとナンパ師の主人公に詰め寄るが、次第に自分自身が主人公に惹かれてゆくことに気付き、友情と愛情との板挟みに苦悩する。なお、彼女と美穂のキャラ配置は、後の『下級生』の飯島美雪と南里愛とのそれに受け継がれた。
- 小説版ではセックスシーンの際にポニーテールを解いて髪を下ろすアレンジが加えられているが、ポニーテール姿に執着していたDOS版のファンからは賛否両論を呼んだ。
- メインヒロインの舞を超える一番人気になった為、後の『同級生2』でも攻略可能ヒロインとして再登場する。それを踏まえ、『同級生2』より後に出たWin版『同級生』では、『同級生2』へ無理なく繋がるようエンディングが変更された。「ポニーテール＋男勝り」というパターンの基礎を築いた彼女は、現在でもツンデレと呼ばれる属性キャラの基礎を築いた元祖とも言われている。
- 黒川さとみ（くろかわ -） 声：小野綾子 / 同左 / 高田由美 / 同左
- 年齢：18歳 身長：163cm スリーサイズ：83/58/85（Win版では83/58/87）(cm) 血液型：O
- 主人公とは下の学校（現実世界でいう所の中学生）の時からの腐れ縁で、何でも言い合える友人。ショートカットの髪型と相まって、美沙よりも更にボーイッシュな雰囲気を漂わせている。しかし、内面には他のヒロイン同様に女性らしさもきちんと兼ね備えており、主人公とのセックスの際にはそれが露になる。
- 主人公行き付けの喫茶店「OTIMTIM」でアルバイト中。看板娘だが、店内でも破天荒で知られている主人公に対しては客とは見なさず、容赦しない態度を取る。また、健二と付き合っている身ではあるが、現在は疎遠。彼が舞を狙っていることには薄々気付いており、彼と同様に舞を狙っている主人公との間で微妙な立場に立たされる。
- 小説版やOVA版では主人公とはゲーム版準拠の間柄だが、Win版では幼馴染の間柄となった。だが、エンディングはCGも含めDOS版とそう変わらないものだった為、本編とは違うその姿や振る舞いに改めて「萌え」を見出すプレイヤーもいた。
- 仁科くるみ（にしな -） 声：笠原留美 / 同左 / 及川ひとみ / 同左
- 年齢：18歳 身長：156cm スリーサイズ：80/56/81（Win版では83/56/84）(cm) 血液型：A
- 主人公の悪友・坂上一哉の彼女。厳格な両親に育てられた為か純粋で、恋愛にも奥手と、少々幼い部分がある。その為か、同学年である主人公を先輩と呼ぶことが時々ある（これはDOS版発売当時の後付け設定で、開発当初は下級生と設定されていたことの名残）。清らかな恋愛関係を築きたい彼女に対し、一哉はあくまで具体的な男女の関係に及びたいとの考えの違いからか最近は疎遠だが、何とか関係を修復したいと思っている。それについて主人公に相談したことがきっかけとなり、主人公に惹かれていく。
- 主人公とのセックスを境に性格が大きく変貌を遂げるのは全バージョンに言えることだが、小説版では女性器の描写を中心に、性的な変貌が強調されている。また、Win版では最初から学年設定に手が加えられて名実共に下級生となっており、エンディングは倒錯したセックスに溺れるだけのDOS版とは全く異なる、幸せなものに差し替えられた。
- 鈴木美穂（すずき みほ） 声：丹下桜 / 同左 / 麻見順子 / 同左
- 年齢：18歳 身長：154cm スリーサイズ：78/56/80（Win版では79/56/80）(cm) 血液型：A
- 放送部所属。主人公のことを以前から気に掛けている。性格は引っ込み思案で赤面症、容姿もくるみ以上に幼く、極めて幼児体型。花が大好きなことから、先負駅前の花屋でアルバイトをしている。
- 美沙とは親友。その友情はとても深く、『同級生2』での美沙の台詞にも名前が出てくるほど。
- Win版ではシナリオの大幅変更を受けて、セックスシーンは場所こそ同じだが内容はほぼ丸ごとカットされ、いわゆる未遂で終わるようになった。エンディングはさとみ同様にDOS版とそう変わらないものだったが、この未遂化の影響で、Win版はコンシューマ版よりも温い出来という印象が多くのプレイヤーに植え付けられてしまった。
[編集] 主人公と同級生でないヒロイン
- 芹沢よしこ（せりざわ -） 声：井上喜久子 / 同左 / 嶋村薫 / 勝生真沙子
- 年齢：25歳 身長：164cm スリーサイズ：85/60/87（Win版では89/60/87）(cm) 血液型：O
- 先負学園の倫理社会科教師で主人公のクラス担任。細い銀縁眼鏡、服装も常に緑のスーツ姿の見た目どおり、性格は極めて堅物で仕事一筋の、いわゆるエリート。当然主人公とはソリが合わないが、根はあくまでも生徒思いで、主人公の将来を本気で心配してくれる数少ない人物でもあることから、次第に理解を深めてゆくことになる。
- 主人公が学園の女の子達に人気があることを知っており、彼女達の変化については些細なことも見逃さない。そんな人格とは裏腹に、下着はかなり本番を意識したものを好む上、セックス面ではかなりのウブである。また、シナリオのクライマックスやエンディングでは、かなり着痩せするタイプでもあることが明らかになる。
- OVA版ではどちらかと言えば影が薄く、出番も同僚の真子に一歩譲る。Win版ではシナリオの変更がイベントCGの一部削除だけで終わり、エンディングはDOS版から殆ど変更なしという点で評価された。
- 斎藤亜子（さいとう あこ） 声：草地章江 / 同左 / ？ / －
- 年齢：20歳 身長：165cm スリーサイズ：85/59/91(cm) 血液型：O
- 先負駅前にある薬局兼実家の「蓬莱堂」（小説版では「斎藤薬局」）の店員。ボブカットがチャームポイントだが、シーンによっては後頭部の襟足が極端に短く描かれていることもあって、髪を生やしたヘルメットを被っているようにも見える。姉の真子に劣らずの美人であり、来客を中心に美人姉妹との評判も高い。しかし、姉とは正反対の控え目で気弱な性格をしており、姉に比べて子供っぽいと見られることや、姉より胸が小さい反面、尻は大きいことにコンプレックスを感じている。恋愛に対しても男性恐怖症に近いものを持っていて、なかなか前への一歩を踏み出せない。ただ、一度好きになった相手には全てを捧げて尽くすタイプで、大変なヤキモチ焼きでもある。姉へのコンプレックスについては特に顕著な為、セックスシーン直前の時点で主人公が既に真子とのセックスを完遂済みだった場合、主人公にはそれを思い知らされる報いが降り掛かることとなる。
- 小説版では主人公の初恋の人という設定で、第1巻の取りを飾る。OVA版では1カットのみの登場で、完璧に端役扱い。Win版にはDOS版経験済みプレイヤーへの台詞ネタが存在する。また、エンディングの内容がいわゆるエロ一色だったDOS版とは全く異なる恋愛ゲームの王道タイプになった為、同一人物とは思えない印象をプレイヤーに与えた。
- 斎藤真子（さいとう まこ） 声：萩森侚子 / 同左 / 安藤ありさ / 同左
- 年齢：23歳 身長：167cm スリーサイズ：89/61/90（Win版では92/61/90）(cm) 血液型：O
- 先負学園の校医（Win版では養護教諭。日本国内においては彼女の年齢で校医はありえない為）で、亜子の姉。学園生に絶大な人気があり、主に保健室にいる彼女の元へ相談に訪れる者は、男女を問わず後を絶たない。年齢以上に妖艶さが溢れるその容姿は、髪が金髪に塗られていることも手伝って、どこかマリリン・モンロー似。だがその身体は、日々の仕事とのギャップから性欲を自覚以上に貯め込んでおり、無意識の内に捌け口を求めている節が台詞にも現れてしまう、言わば破裂寸前の風船状態。特にDOS版では、これが主人公との過激なセックスを成立させる為の重要な要素となる。
- 生徒の前では見せることがない（主人公との会話で初めて露見する）ので知られてはいないが、煙草を少々嗜む。また、ごく稀の休日には亜子のことを気遣って、蓬莱堂の店番に入ることもある。
- 小説版では、主人公とは恋愛関係はおろか肉体関係を結ぶこともなく、DOS版以上に亜子の姉という面が強調されている。OVA版では校医としての面が強調されているが、むしろ特筆すべきは髪の色で、ゲーム版とは異なり黄緑となっている。Win版ではシナリオに大幅な手が加えられ、特にセックスシーンはDOS版から一変した。展開については、真子と主人公の性格変更及びナンパゲームらしくなくなったという理由から、CGについては、DOS版絶頂時のものが美穂シナリオでも説得力を生む役割だったにもかかわらず削除されたという理由から、矛盾と不評を呼び込むこととなった。
- 正樹夏子（まさき なつこ） 声：深見梨加 / 同左 / 引田有美 / －
- 年齢：21歳 身長：166cm スリーサイズ：85/58/86（Win版では88/58/88）(cm) 血液型：O
- 先負駅前のブティックで店員としてアルバイトに励みながら、デザイン系の専門学校に通っている専門学校生。矢吹町のマンションに一人暮らしという生活環境、その端麗な顔立ちと腰まで届くほど長いワンレングスの艶やかな黒髪、そして主人公とのデートやセックスの際にその称賛を浴びる見事なプロポーション…という扇情的な要素のみで構成された設定は、DOS版開発当時のバブル経済期の都会における典型的なセクシー系女子大生や専門学校生のそれに、極めて近い。しかし、性格の方はそれとは無関係に古風で落ち着いており、芯の強い所もある。くるみとの関係が冷え込んでいた一哉が目を付けた女性でもある為、本編開始直後、主人公はダシに使われる形で彼女に紹介されることとなる。
- 小説版では主人公の初めての女性で、現在においては過去の存在という設定。OVA版では恋愛対象ではなく、只の端役に近い。DOS版ではイベント全般に渡って、「憧れの年上」を強調する艶かしい描写（特に自室ベッドでのセックス時など）が施されていたが、Win版ではその殆どが、「豊かな母性」を有するものへと変更された。エンディングについては他のヒロインのような極端な変更は加えられていないが、追加部分の描写の為に、DOS版よりも現実的にエロチックな後日談を匂わせるものとなっている。
- 田町ひろみ（たまち -） 声：水谷優子 / 同左 / － / －
- 年齢：20歳 身長：156cm スリーサイズ：81/60/85（Win版では84/60/87）(cm) 血液型：O
- 先負町で主人公宅の近所にある「藤田製作所」のOL。藤田製作所には先負学園の卒業生が数多く勤めていることもあってか、同僚から主人公の噂を聞かされて興味を抱き、偶然を装って出会いを果たす。基本的には明朗快活な性格をしているが、コスプレイヤーかつオタクだった過去に同様の彼氏である冬彦と付き合っていたことには今でもコンプレックスを感じており、世間一般の恋人のような白昼堂々のデートをしてみたいという願望を持っている。また、その為かどうかは不明だが、言葉遣いもやや子供っぽい。
- Win版ではDOS版よりも明確に、やよいと友人という設定になった。また、DOS版では自ら主人公を誘う形でセックスに望み、全ヒロイン中で唯一の結末を迎えていたが、Win版では出会い方がDOS版より平凡化したことに伴ってか逆の流れとなり、結末も曖昧にされている。だがエンディングはある意味、DOS版の赴きを行き着く所まで行き着かせたものとなった。
- 真行司麗子（しんぎょうじ れいこ） 声：渡辺菜生子 / 同左 / － / －
- 年齢：25歳 身長：163cm スリーサイズ：83/60/85（Win版では86/60/87）(cm) 血液型：A
- 主人公のアパートの隣家に住む人妻。性格は極めておっとり系で、常に着物姿。ウェーブの掛かったセミロングの髪を大きいリボンで後ろに纏めた髪型が着物姿との奇妙なバランスを醸し出している。夫との仲は冷え切ったわけではないが、彼は日本舞踊の家元を務めている為か、殆ど帰宅しない状態。それゆえ自宅で一人寂しい毎日を過ごしており、日常の買い物くらいしか外出することはない。庭を掃き掃除している時は、自室の窓を開けた主人公と目線が合うこともしばしば。
- 全ヒロインで唯一、主人公とのセックスシーンが完了した後も、プレイヤーの意思次第では後日何度でもセックスが可能という、この作品においては珍しい要素がシナリオに設定されている。この要素は小説版にも取り入れられ、主人公が彼女との肉体関係を最終巻まで延々と持ち続ける…という描写にまで昇華された。
- Win版への移植の際に変更されたエンディングは、エロ一色だったDOS版のそれとは全く異なっており、アダルトゲームやギャルゲーではまず見られないものとして衝撃と感動をプレイヤーに与えた。
- 佐久間ちはる（さくま -） 声：豊嶋真千子 / 同左 / － / －
- 年齢：19歳 身長：164cm スリーサイズ：88/59/86（Win版では91/59/88）(cm) 血液型：AB
- 主人公の近所の一軒家に住んでいる家事手伝い兼フリーターの少女。しかし彼との面識は全く無く、先負駅前の路上でナンパされることにより初めて知り合う。その経緯だけを見れば、当初は「ナンパゲーム」だった本作に最も相応しいヒロインと言えよう。
- 過去に水商売のアルバイト経験あり。また、少し意地っ張りで、主人公とは1歳しか違わないにもかかわらず、妙にお姉さんぶる。だが、一旦惚れた後はとことん尽くすタイプでもある。
- 小説版では、夏休み前半のアルバイトを通じて主人公と知り合ったという設定。性格こそDOS版とほぼ同じだが、第1巻で描かれるプロポーションとセックスシーンの描写については、執筆者の中山文十郎のこだわりか、元のそれを活かしながらも強調したものとなっている。Win版ではDOS版から一転、実はナンパされる以前から主人公のことを気に掛けていた…という設定に。性格も若干メリハリの付いたものに変更され、強気や短気といった面が口調にも現れている。エンディングは変更点に見合った平凡ながらも幸せなものとなり、とにかくセックス三昧という印象を与えていたDOS版のそれとはまた違う、いかにも若夫婦らしいエロチックさを匂わせる後日談が描かれている。
- 成瀬かおり（なるせ -） 声：永島由子 / 同左 / － / －
- 年齢：20歳 身長：162cm スリーサイズ：85/58/86（Win版では84/57/89）(cm) 血液型：B
- 矢吹町のキャバクラ（サービス内容を見るとピンクサロンとしか思えないが）「Cat's eye」で人気のサービス嬢。源氏名はレイラ。年齢に見合わない妖艶さを漂わせる美人という意味では真子と同じタイプだが、彼女の場合は仕事上必須なケバケバしい化粧によるところが大きい。また、抜群のプロポーションを活かしたテクニックの面でも客人気は高く、その収入で矢吹町の超高級賃貸マンション「矢吹町レジデンス」に、一人暮らし中。
- 普段の言動は乱暴ではないが、猥褻な言葉を平気で口にしたりと下品な方。しかし、内面には普通の女性とそう変わらないものを持っていて、主人公とのセックス中や事後に吐露する本音、その後また街中で出会った際には、歳相応の可愛い一面を見せることも。
- PC98版発売当時は隠しキャラクター扱いになっていたが、原画集以降は普通に扱われるようになった。
- 小説版ではヒロインではなく端役扱い。主人公の人並み外れた精力を目当てに絡むだけの、言わば「好き者」である。Win版ではDOS版同様に好き者らしいところを見せながらも、エンディングでは普通の女性としての幸せを掴む。
- 草薙やよい（くさなぎ やよい） 声：高橋美紀 / 同左 / － / －
- 年齢：20歳 身長：166cm スリーサイズ：89/57/88（Win版では92/57/89）(cm) 血液型：B
- 先負町にある「登渡り医院」の泌尿器科に務めている看護婦。シナリオの関係上、全ヒロイン中最も影が薄い位置にいる。彼女もかおり同様、年齢に見合わないほどの妖艶さを持っており、隠しキャラクター扱いであった。
- DOS版では、いわゆる天然タイプで口数も少なくお淑やかな性格をしており、ナイチンゲールに例えられていたほど。また、藤田製作所には友人がいるという設定だったが、それが誰なのかは明確に描かれなかった。しかし、Win版では口数が増えた上に性格もやや小悪魔的なものへ変更され、藤田製作所にいる友人はひろみとの設定になった。また、シナリオや攻略ルートにも変更が施されており、イベントも追加された為、DOS版で問題視された影の薄さは緩和されている。エンディングに至っては、只の淫乱と化していたDOS版の要素は欠片も見当たらない、清楚かつ真摯なものとなった。
[編集] コンシューマ版オリジナルヒロイン
PCエンジン版とセガサターン版の両方に登場。
- 桜木京子（さくらぎ きょうこ） 声：柳瀬なつみ / 同左 / － / －
- 年齢：16歳 身長：156cm スリーサイズ：82/55/83(cm) 血液型：A
- 桜木舞の妹。姉の舞とは正反対の性格をしている上、好奇心も旺盛な行動派の為、一見すると舞と同じ良家のお嬢様には見えない。姉のことを「舞ちゃん」と呼ぶ。姉を狙う主人公を品定めすべく主人公に近付くが、自分も主人公に惹かれてゆく。
- 誕生秘話については、桜木舞の項目を参照。
- 高野みどり（たかの みどり） 声：鈴木真仁 / 同左 / － / －
- 年齢：18歳 身長：162cm スリーサイズ：84/60/86(cm) 血液型：AB
- 主人公の同級生で、手芸部に所属している。大人しく人見知りの激しい性格で、クラスでも目立たない存在。主人公に憧れを抱いているが、いざ目にすると逃げ出してしまう。
- PCエンジン版での彼女は、あまりに悲惨な扱いのままエンディングを迎えてしまう為、ユーザーには不評であった。それを受けて、セガサターン版では彼女を救済できるよう、シナリオが修正されている。
- 堀真純（ほり ますみ） 声：平松晶子 / 同左 / － / －
- 年齢：21歳 身長：164cm スリーサイズ：87/59/87(cm) 血液型：B
- 先負警察署交通課に務めている婦人警察官（今でいう所の女性警察官）。幼馴染である主人公に対しては、姉のように接している。だが、機動隊向きの腕っ節から「先負町最強の婦警」と呼ばれている上に少々酒乱の気もある為、破天荒な主人公も彼女にだけは頭が上がらないのが実状。
[編集] 男性キャラクター
後年の泣きゲーと異なり、男性キャラの一部は主人公の恋愛の障害として存在する。主人公が攻略に失敗したヒロインは、エンディング直前に彼らの彼女になるという結末を迎える。
- 坂上一哉（さかがみ かずや） 声：古川登志夫 / 同左 / 二又一成 / 同左
- 主人公とは悪友同士で、悪行の一部にも付き合うほどの仲。くるみと付き合ってはいるが、彼女の奥手ぶりに疎遠となりつつあり、新しい恋に生きようと夏子に目を付けた。
- 相原健二 ※OVA版では「相原健児」 （あいはら けんじ） 声：古谷徹 / 同左 / 速水奨 / －
- 主人公の同級生で、舞を巡る恋のライバル。「相原グループ」という財閥の御曹司であり、舞の家とは付き合いも深い。舞と同じく水泳部に所属している。さとみに好意を寄せられているが、今の彼にとって彼女はお荷物でしかない。
- 小説版ではキャラが掘り下げられ、より人間味を感じさせるキャラクターとなっている。
- 間太郎（はざま たろう） 声：千葉繁 / 同左 / － / －
- 主人公の同級生。その姓名から、主人公には「マタロウ」と呼ばれ、からかわれている。恋愛とは縁が遠い典型的なガリ勉タイプだが、実は美穂に密かな好意を寄せている辺り、彼もまた健康な男の子である…のかもしれない。シナリオが進むにつれ、その言動は生真面目を通り越し、危険な域に達することも。
- コンシューマ版では声を担当した千葉繁（のアドリブ）の影響で、DOS版以上に暴走したキャラクターとなっている。
- 冬彦（ふゆひこ） 声：？ / 佐藤浩之 / － / －
- ひろみの元彼氏のオタクであり、苗字は設定されていない。名前がゲーム開発当時に流行した佐野史郎主演のドラマ『ずっとあなたが好きだった』から付けられたであろうことはその言動からも明らかだが、容姿はむしろ宅八郎似。ひろみにはまだ未練タラタラの為、彼女と仲良く話す主人公を敵視している。
- マスター 声： ？ / ？ / 玄田哲章 / －
- さとみがアルバイトをしている喫茶店「OTIMTIM」のマスターであり、本名は不明。ゲーム版ではどれにもグラフィックは存在しないが、OVA版で初めてスキンヘッドのサングラス姿という形で画像化された（声優と容姿から『シティーハンター』の海坊主が元ネタと思われる）。いかつい外見とは裏腹に性格はややオカマっぽい、気の優しいおじさん。
[編集] 移植版・リメイク版
- PCエンジン版
- NECインターチャネル側の、DOS版の雰囲気をできるだけ損なわないようにとの指示にはPCエンジンのスペックや開発技術の関係上応えにくいとして、多数の下請け開発会社が音を上げた為、開発は難航した。
- エンディングテーマに山下達郎作曲の『さよなら夏の日』が起用されたことでも話題を呼んだ。
- セガサターン版（『同級生if』の商品名で発売）
- 開発はフライト・プランが担当。PCエンジン版からの移植になるが、スペックに余裕ができた分CGもサウンドもDOS版以上に向上され、18歳未満のファンを中心にかなりの支持を得た。
- PCエンジン版で美沙役を務めていた小野寺真理子の急な引退に伴い、こおろぎさとみが代役に起用され、好評を得た。彼女はこれ以降、全てのバージョンで美沙役として定着することになる。
- Windows版
- キャッチコピーは「恋愛ゲームの始祖鳥、ここに蘇る。」。DOS版発売から7年経ちWin版『同級生2』よりも後になった為、「恋愛ゲーム」として作り直すべく、全体のシナリオやヒロインの性格付けも見直された。時代の趨勢にあわせフルボイス化もされている。しかし、この移植はあまり高評価には至らず、「改悪」と酷評するファンもいた。その主な理由は以下のとおり。
- CGはエルフの他作品同様に繊細かつ滑らかに塗り込まれている反面、竹井正樹の原画にあった魅力に溢れるタッチがかなり損なわれ、原画の影指定すら無視した塗りまで見られるCGもある。
- 新規追加されたり差し替えられたシーンの原画を担当したのが竹井ではなかった為、違和感を覚えるファンもいた。結果、かつて色数の少なさをタイルパターンで補い、神業に近いレベルで塗り上げて好評を得たDOS版の16色CGより見劣りする、という評価も見られた。
- シナリオについても、アダルトゲームの華である筈のセックスシーンが極めてあっさりとしたものに変更。DOS版にあった主人公視点の官能小説調状景描写は、全て削除された。
- Win版『同級生2』よりも台詞やBGMの音質が悪くなっており、ノイズが耳に付く。
- PCエンジン版やセガサターン版で追加されたヒロイン達の登場と、彼女らのシナリオ及びセックスシーンの追加が期待されたが、エルフがコンシューマ参入時に他社にライセンスを与えて移植を任せるという形を取っていた為、彼女達のシナリオを書き上げ移植作業を指揮したNECアベニュー（NECインターチャネル）にその分の権利が発生しており、実現しなかった。
- ちなみに、エルフがコンシューマに自社移植したのは『下級生』、『野々村病院の人々』、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』（以上全てセガサターン）の3作品。この内、『下級生』と『野々村病院の人々』はすぐ後に発売されるWin版への逆移植を見越しての作業だった。
[編集] OVA版
[編集] 概要
『同級生 夏の終わりに』のタイトルでケイエスエスがピンクパイナップルレーベルで製作。レンタルビデオ版が先行流通（全2巻、2話ずつ収録）後、シーンを一部追加したセル版が発売された（全4巻、1話ずつ収録）。セル版にシーンが追加されるという手法は、後にアニメのDVDの販売手法として継承されることとなる。
ヒロインは美沙・さとみ・くるみ・舞の4人で、シナリオは一部オリジナルが挟まれるが、大筋は原作となったDOS版に沿った形で進行する。4人以外はサブキャラに留まっており、ひろみ・麗子・ちはる・やよい・太郎・冬彦は登場しない。その一方、今まで立ち絵が無かったマスターが画像化されるといった遊び心も盛り込まれている。また、BGMには一部クラシックの名曲が使用されている。
後日談として、秋の学園祭を描いた完全オリジナルストーリー『同級生クライマックス』が発売された（全2巻。1話ずつ収録）。ヒロイン4人の間で主人公が卒業までの期間限定ハーレム状態を満喫する一方、発売済みの『同級生2』の影響からか、美沙がメインヒロインを務める。また、本作のみのオリジナルヒロイン・島本恭子が登場し、前作でくるみに去られてしまった一哉を「救済」する。更には『同級生2』のメインヒロインである鳴沢唯も登場し、続編への橋渡し役としてゲストを務めた。
ちなみに、セル版のVHSとLDソフトは、オリコンで1位を獲得したこともある。また、劇中で主人公達が企画した「美人喫茶」は、メイド喫茶が存在していなかった発売当時の世相を反映している。
[編集] OVA版オリジナルヒロイン
- 島本恭子（しまもと きょうこ） 声：山口由里子
- 『同級生クライマックス』に登場。あだ名は「ヒスめがね」。主人公達のクラスの学級委員長。自分の容姿にコンプレックスを抱いており、普段は眼鏡に両三つ編みという地味な容姿。しかし、眼鏡を取ると素顔はとても可愛いという、お約束のような少女。最後は一哉と結ばれる。
[編集] スタッフ
- 原作：蛭田昌人
- 企画プロデュース：Dr.POCHI、天地悠大、浅賀孝郎
- 製作プロデューサー：岩川広司、高島和光、越中おさむ
- 監督：よしもときんじ、高瀬節夫、小林孝志（『同級生クライマックス』のみ）
- 脚本：富田祐弘
- キャラクター原案：竹井正樹
- キャラクターデザイン：音無竜之介、奥野浩行、佐藤淳（『同級生クライマックス』のみ）
- 作画監督：音無竜之介、奥野浩行、佐藤淳（『同級生クライマックス』のみ）
- エンディングテーマ：『Wake up to your love』
- 作詞：TOMOMI、作編曲・歌：Tomas UNIT
- アニメーション制作：Triple X
- 製作：ケイエスエス、ピンクパイナップル
[編集] 小説版
[編集] 概要
『もう一つの夏休み』『星空の記憶』『きっと、忘れない夏』のサブタイトルが付いて全3巻で発売された。
ストーリーはDOS版を原作としている為に舞をメインヒロインに配置してはいるものの、一部シーンを除いてオリジナルストーリーとなっており、3年生の夏休み以前のエピソードなども描かれている。また、OVA版では殆ど出番の無かった夏子や亜子、全く無かったちはるや麗子やかおりといった他ヒロインの描写にも気が配られている。
ちなみに成年指定こそ無いものの、アダルトゲームを原作に持つ小説に付き物の性描写は、全巻に盛り込まれている。しかしヒロインによってその格差は激しく、麗子のようにほぼ全巻に渡って描写されている者もいれば、ちはるのように第1巻のみだが濃厚に描写されている者も。また、夏子のように描写こそあれど、本編開始時点で既に過去の人となっていたり、真子のように出番こそあれども性描写は全く無い者もいる。
なお、作者の中山はこの時点では殆ど無名であったが、後に『まほろまてぃっく』の原作者として知られることになる。 『きっと、忘れない夏』は週間ベストセラー新書部門で1位を記録した。（1997年5月13日トーハン調べ）
[編集] 小説版オリジナルヒロイン
- 青木さやか（あおき -）
- 主人公の隣のクラスに籍を置いている同級生。あだ名は「あろちゃん」。一見すると、大きな眼鏡、セミロングヘア、可愛い容姿、成績優秀な優等生…と非の打ち所がないように見えるが、実は八百屋の主人や学園教師など、複数の男性とふしだらな関係にある。主人公を巡る恋愛関係には一切絡んでこないので、いわゆる性描写の割り増し用として設定されたものと思われる。
- なお、当然であるが同姓同名のお笑いタレントや、同じ読みの声優とは無関係。
- 井上和美（いのうえ かずみ）
- 美沙の後輩で陸上部所属の1年生。「2代目バンビちゃん」と評されているショートカットヘアの美少女で、美沙とは良き先輩後輩の仲。さやか同様、主人公を巡る恋愛関係には一切絡んでこないが、こちらに性描写はない。
[編集] スタッフ
[編集] 関連書籍
- 同級生原画集
- 辰巳出版より発行。竹井正樹によるカラー原画を収録している他、ゲーム本編の解説や攻略法、スタッフインタビューも掲載している。
- エルフ監修公式ゲームガイド
- 辰巳出版より発行。エルフのデビュー作である『どきどきシャッターチャンス』から、発行当時の最新作である『ワーズ・ワース』までの作品を解説。『同級生』シリーズに関しては解説の他、OVA版のキャラクター設定や、PC98版『同級生2』の第一報も掲載している。
- パーフェクトコレクションシリーズ「同級生」
- ケイエスエスより発行。OVA版全話の解説やキャラクター設定を掲載。
[編集] その他
- ポスタードリーム
- 同級生恋愛専科
[編集] 備考
- エルフファンクラブ会報Vol.38には、エルフの鬼畜キャラクター・臭作が『同級生』の世界を徘徊するというミニゲーム『同臭生』が収録されている（現在はメーカーの在庫も無く、入手は非常に困難）。
- シリーズ第3弾の『同級生3』は、1999年以降、『電撃姫』のエルフ特集号などでキャラクター設定などが公開されたにもかかわらず、発売は2006年現在でも未定。理由は多々囁かれているが、エルフからの公式発表は行われていない。
[編集] 関連項目
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