劉章
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劉章（りゅう・しょう ? - 紀元前176年）は、前漢前期の政治家、武将。斉王劉肥（悼恵王）の次子で、劉邦（高祖）の孫。哀王･劉襄は同母兄。生母は駟氏。母方の叔父に中尉･駟鈞がいる。尊称は城陽景王。
[編集] 生涯
紀元前186年、兄の代理として都に参内した時に朱虚侯に封建される。同時に、嫡祖母の呂后（呂雉）の甥である呂禄の娘を妻に持つ。だが彼は呂后を筆頭とする呂氏一門の専横を快く思ってはいなかった。
紀元前181年頃に、劉章は嫡祖母の呂后から酒吏（宴会の司会･幹事長）を命じられ、この時、願い出て軍法に基づいた進行を行ないたいと願い出て、許された。劉章はこの宴会の余興で民謡にかこつけて呂雉がいるにも関わらず、呂氏一門の専横を皮肉り、さらにいずれは報いが来て破滅するだろうとの内容の歌を歌い、さらには宴席を勝手に中座しようとした呂氏一族の一人を斬り殺し、呂雉に
「軍法に従い、処刑しました！」
と報告。呂雉は自身が許可したことなので劉章を叱責することも出来ず、劉章はこれ以降、気骨のある人として、高い評価を受けることになる。史記によると、劉章はこの時満20歳だったという。
紀元前180年、呂雉が死ぬと、兄の哀王（劉襄）の下に使者を送って反乱を起こさせ、自身はこれに呼応する形で周勃、陳平らと共に長安でクーデターを起こし、呂氏一門を尽く誅殺した。この直後、代王劉恒が長安に入り、皇帝に即位（文帝）する。
文帝の即位に伴い、劉章は先のクーデターの功績により、城陽王に封建されるが、クーデター決行直前に劉章は、周勃らの重臣とクーデター成功の暁には、劉襄が皇帝に、劉章が斉王になるとの密約を交わしていたともいわれる。事実、劉襄を皇帝にという動きもあったが、劉襄の外戚で叔父･駟鈞を初めとする駟氏一族に野心家が多く、呂氏の二の舞になりかねないことを理由に取り止めとなり、劉恒が皇帝として擁立されることとなった。劉章は内心不満であったものの、城陽王に封建されたこともあり、領国に赴いた。紀元前176年に劉章は若くして病没した（史記の記述に従うと、この時20余歳と思われる）。
彼の没後、その領地には彼を祀る廟が多く建立され、多くの信仰を集めた。
前漢の政権を奪った新に対して、呂氏と王莽とを同一視して、王莽を滅亡させた上での漢王朝の復興をスローガンに山東地方を中心に大規模な反乱が起こった際には、劉章の功績が再評価され、反乱の象徴的な存在となった。
