冷却塔
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冷却塔（れいきゃくとう Cooling Tower ）とは、水などの熱媒体を大気と直接または間接的に接触させて冷却する熱交換器の一種で特に屋外に設置するものをさす。また、加熱に使用するものを加熱塔と呼ぶ。
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[編集] 型式
[編集] 冷水池
冷水池(Cooling Pond)は、自然・人工湖沼の表面の蒸発のみを利用するものである。広大な面積が必要であるが、動力の消費は少ない。
[編集] 噴水池
噴水池(Spray Pond)は、池の表面で上向きに水を噴霧して冷却するものである。強制通風式冷却塔の1000倍以上の設置面積が必要である。噴水としての装飾効果を兼ねて使用されることがある。
[編集] 大気式冷却塔
大気式冷却塔(Atomospheric Cooling Tower)は、格子状の板を上下に重ね上部から水を落とし、横方向から自然通風で冷却するものである。冷却効率が悪く、強制通風式冷却塔の10倍以上の設置面積が必要である。ほとんど使用されることは無い。
[編集] 自然通風冷却塔
自然通風冷却塔(Natural Draft Cooling Tower)は、巨大な煙突の下部に向流型の熱交換器を設け、空気の温度上昇による上昇気流で冷却するものである。煙突の高さが100mを超えるものも多い。運転経費が低いため、大気の湿度の低い地域の火力・原子力発電所、化学プラントなどで用いられる。
[編集] スプレイ塔
スプレイ塔(Spray Draft Cooling Tower)は、高圧水を噴霧して空気を誘引して冷却するものである。送風機・充填物が無く低騒音である。能力低下防止のため、ノズルの定期清掃が必要である。水温低下が少なくてよい場合に用いられる。
[編集] 強制通風冷却塔
強制通風冷却塔(Forced Draft Cooling Tower)は、送風機で大気を強制的に通風させるものである。性能が安定し、設置面積が小さいため、一般に使用される。
[編集] 大気と熱媒体との接触
[編集] 開放型
開放型は、その上部より水を落とし、大気と接触させて蒸発させることで、水を冷却するものである。以下の特徴がある。
- 大気中の粉塵・汚染物質で水が汚染されたり、蒸発による濃縮があるため、定期的に一定量の水の入れ替えが必要である。
- 冷却水の中で藻類や原生動物が繁殖してレジオネラの繁殖環境を形成し、熱交換時に発生するエアロゾルがレジオネラ症の感染源となることがある。
- 直接水を蒸発させているため効率が良い。
[編集] 密閉型
密閉された、循環熱媒体の熱交換器へ散水することにより熱交換を行うものである。 以下の特徴がある。
- 大気中の粉塵・汚染物質での循環熱媒体の劣化が少ない。
- 外気温度の低い場合には散布水を排水しておいて凍結防止が可能である。
- 不凍液などを利用した場合ヒートポンプのための低温時の温熱源としての利用も可能である。
[編集] 大気と熱媒体との流れの関係
- 向流型 : 大気と熱媒体が対向するように流れるもので、効率が最も良い。設置に工夫が必要である。
- 直交流型 : 大気と熱媒体が直交するように流れるもので、多数を並べて設置することが可能である。効率は向流型より悪くなる。
- 並流型 : 大気と熱媒体が同じ向きに流れるもので効率が悪いためほとんど使用されない。
- 混合流型
[編集] 冷水温度の制御
冷却水の温度を一定に保つため各種制御が使用される。
- 送風機の速度制御 : 大気との接触効率を変化させる。
- 循環流量の制御 : 循環流量を変化させることにより大気との接触時間を変化させる。
[編集] 使用上の注意
水冷の水は、蒸発するので補給水が必要で、下部に溜まった水が少なくなれば自動的に補給される。循環する間に、腐ることもあるのと、藻が発生するので、防腐剤などの薬品を投入してあることがある。この水が飛散すると、防腐剤入りの雨が降ることになるので、古いビルの下を歩くときは注意が必要。
また、レジオネラ菌の発生も懸念されるため、定期的な検査・清掃が必要である。
